ITジャーナリスト

牧野 武文(まきの たけふみ)

生活とテクノロジー、ビジネスの関係を考えるITジャーナリスト、中国テックウォッチャー。著書に「Googleの正体」(マイコミ新書)、「任天堂ノスタルジー・横井軍平とその時代」(角川新書)など。

「AIエージェントスマホ」熱狂から落胆までの72時間。AIによる操作を阻んだ“人間用”UIと広告

米中で続々とAIエージェントが登場している。米国では、ピーター・スタインバーガー氏が開発したOpenClawが爆発的な人気を集め、中国では昨年12月1日、バイトダンスが通信機器大手のZTEと協働し、AIエージェントスマホ「豆包AIスマホ」をモニター販売した。このスマホは熱狂的な支持を受け完売したのだが、わずか72時間後、この熱狂は落胆に変わったのだ__。

5億画素だがUSBポートなし。人間という「デバイス」に接続し、脳内イメージを画像化する技術

脳内の思考を読み取り、可視化する「ブレインデコーダー」の技術進化が著しい。マルチモーダル学習、ディフュージョンモデルなどAI領域での研究成果を応用し、脳内でイメージしたものをかなり正確に映像化するところまできている。AIテクノロジーは、「人類最後のフロンティア=脳」をどのように探求しているのだろうか。

AIが「多数決」で正解を決定? 答え合わせなしで正答率を向上させる自律学習手法TTRLとは

清華大学と上海AI研究所がAIの強化学習手法「TTRL」を開発し、その内容を公開している。正解が用意されていない問題を与えても、AI自ら「正解」を仮定し、正答率を改善できることが示唆された。これがシンギュラリティが始まる兆しとなるのだろうか。

Claudeの「ポケモン配信」の見所を解説。「最初の草むらが怖くて引きこもる」「お月見山で78時間迷子」

Anthropic社のAI「Claude」がポケモン赤のクリアに挑戦。短期推論によるバトルの強さを見せた一方、迷子になるとわざと全滅して戻るなど課題も露呈した。オツキミやまで78時間彷徨うなど、AIの意外な挙動とゲーム実況の様子を紹介。

「自分で書いた」と証明するために論文を“最適化”する学生たち。AI検出ツールをめぐる混乱

学生が論文執筆で生成AIの力を借りるのが当たり前になった今、大学側が講じた不正防止策が混乱を巻き起こしている。中国では一部の大学が、AI検出ツールの判定をもとに「AI代筆の論文は受理しない」というルールを定めると、学生自ら書いた論文がAIによる代筆だと誤判定される事態に。

AIがマイクラ上に"暮らす"「Project Sid」を解剖し、 ハルシネーション抑制のカギを探る

仮想空間上でAIエージェントの協調性や自律性を試す社会実験が盛んに行われている。米AI企業Alteraによる実験では、マインクラフト上に送り込まれたエージェントの集団が独自の文明を発展させた。

「DeepSeekショック」後、生成AI開発のオープンソース化は進むのか

DeepSeekが2024年12月に公開した大規模言語モデル「DeepSeek-V3」のテクニカルレポートをもとに、生成AI開発のオープンソース化について考察する。

中国版ニコ動でアピール!?チャイナリスクを突破し急成長するユニコーン起業家3人

チャイナリスクの影響で資金調達が難しい状況が続く中国。LLM、人型ロボット、宇宙ビジネスの各分野のユニコーン起業家3人はどのように急成長したのか。

「ブレーキを踏んだが止まってくれない」自動運転の日常化で浮かび上がるAIと人間の協調の新課題

中国では、自動運転機能を備えた乗用車が市販され、無人運転のロボタクシーが営業運転をするようになっている。その最先端で起きたのが「人間とAIの協調」という問題だ。

ビデオ会議の相手は知らない他人だった。香港で37億円のディープフェイク詐欺事件、被害を防止する3ヶ条

香港で、ビデオ会議を通じて、約37.5億円が詐取される事件が起きた。本社のCFOの顔と音声を使ったディープフェイクで、支社の従業員に送金を指示した、という手口だった。本記事では事件の経緯と、専門家から送られた詐欺から身を守るための3つのアドバイスをご紹介する。

5万人以上もの人が参加。アリババ主催の国際数学コンペティションが出題する、ユニークな難問に挑め

アリババの研究機関「ダモアカデミー」毎年春から夏にかけて開催している国際数学コンペティション。毎年5万人以上参加し、今年はAI(大規模言語モデル)の参加も認められた。本記事はその予選問題の中から、中学校程度の数学知識で解ける問題をご紹介する。

良いUIUXは利益になる。スピードの裏にある日本と中国で異なるUI/UXデザインの考え方

中国のアプリやミニプログラムに見られる、便利さを徹底追求したUI/UXデザイン。ユーザー離脱を防ぎコンバージョンを高める設計は、日本でも注目されている。アジア圏で普及する中国企業のサービスから、実用的で優れたデザインの共通点を探る。

対話型AIに一生懸命お願いをすると回答の精度が上がる!感情的刺激というプロンプトエンジニアリングのメカニズム

ChatGPTの回答精度に課題を感じる場面は多いが、中国の研究により「情熱的に頼む」ことで精度が向上する可能性が明らかになった。なぜ感情的なプロンプトが有効なのか。生成AIの挙動を変える意外なテクニックと、その背景にある研究結果を紹介する。

ゲーム開発もAIで完全自動化。ChatGPTが働く仮想のソフトウェア開発企業「ChatDev」

ChatGPTがCEOやCTO、プログラマーを演じてソフトウェアを開発する「ChatDev」が登場。発注だけで設計からコード生成、テスト、ドキュメント作成まで完結する。AIエージェント同士の議論で開発を進める、未来的な自動開発の仕組みを紹介。

自動運転はもはや未来の技術ではない。テスラ、HUAWEI、バイドゥにみる「レベル2+」の自動運転車の課題

完全自動運転「レベル5」の実現はいつになるのか。テスラや百度が先行する「レベル2+」という現実的なアプローチに注目が集まる。無人運転を目指すのではなく、実用性を重視した「ほぼ自動運転」の現在地と、今後の技術ロードマップを解説する。

まさに課題だらけ。大都市圏でドローン配送を実現した中国デリバリー大手の「戦略的配送網」とは

ドローン配送の最前線を特集。人口密集地でのドローン配送を可能にした中国の美団が直面した障害とそのソリューションとは?Amazonや日本郵便との違いも徹底比較。

ネット後発国だからこそ自由な設計を採用できる土壌がある。 合理的に発展する中国独自のUI/UX設計

世界共通の技術を使いながら、独特の個性を持つ中国のWebデザイン。情報量が多く原色を多用するスタイルは、一見乱雑だが現地では合理的とされる。なぜ華やかで情報過多なデザインが好まれるのか。文化的背景から中国独自のWebデザイン論を読み解く。

中国トップのフードデリバリーサービスが誇る、圧倒的な配達効率。独自の配達アルゴリズムの秘密とは

日本でも馴染みのあるフードデリバリサービス。Uber Eatsが1人のスタッフが「4時間10件」程度であるのに対し、デリバリ大国でトップのシェアを誇る「美団」では、「3.75時間20件」と倍以上の効率になっている。この圧倒的な配達効率はどうやって実現したのだろうか。

AIと人間のジレンマに打ち克てるか?中国、すべての判断をアルゴリズムに任せた「AIコンビニ」の葛藤

仕入れから商品の棚の配置まで、業務のすべてをAIが判断して、人間に命令する「近未来コンビニ」はいま、経営困難に直面している。人間のあやふやさを完全に排除し、AIにすべてを任せたコンビニに何が起きたのか。中国テックウォッチャーの牧野氏が解説。

アップルが断念した「AirPower」に「自立できる」自転車。3Dプリンターと動画サイトが生んだ次世代開発者と拓く、モノのアジャイル開発ができる時代

3Dプリンタ普及は「第3の産業革命」とも呼ばれ、個人の発明を加速させている。中国では1人で開発し動画サイト「bilibili」で収益化する「開発エンターテイナー」も登場。本稿では、世界を変える発明に挑む話題の2人の事例を紹介する。

【後編】模倣と洗練の天才。「WeChatの父」アレン・ジャンが成し遂げた中国最大のメッセンジャーアプリの躍進

テンセント「WeChat」開発者アレン・ジャンの後編。徹底したユーザー観察と改善で国民的アプリへ育てた彼が、最強の敵アリババに挑んだQR決済普及の戦いとは。プロダクトの力で市場を切り拓いた経緯と、競合との激闘の中で見せたWeChatの健闘ぶりを紐解く。

【前編】模倣と洗練の天才。「WeChatの父」アレン・ジャンが成し遂げた中国最大のメッセンジャーアプリの躍進

テンセント初期メンバーであり「WeChat」生みの親、アレン・ジャン。模倣から始まり、徹底的な観察と改善で中国一のアプリへ育て上げた「正攻法」の開発哲学とは。巨大テック企業の成長を支えた天才エンジニアの思考と、プロダクトを洗練させる手腕に注目する。

メガネ、メイク、豆電球!? AIを幻惑する敵対的サンプルの歴史を振り返ってみた

AIによる顔・人体検出は普及したが、特定のパターンで誤認識する「敵対的サンプル」が課題だ。人間が錯視に騙されるようにAIも惑わされる。セキュリティリスクとなるこの現象の研究は、AIの安全性向上やブラックボックス化した学習プロセスの解明にどう繋がるのか。

画像の畳み込み演算に3D顔メッシュモデル。中国版TikTok「ドウイン」のクリエイティブを支える顔検出技術を解説

Z世代に支持される『TikTok』の人気の裏には、撮影を楽しくする高度な技術がある。顔に正確にフィルターを被せる顔検出技術や3D顔メッシュモデルとは。クリエイティブな表現を支え、ユーザー体験を向上させる画像処理技術の仕組みを解説する。

機械学習により交通信号の明滅サイクルを最適化。交通渋滞ランキング3位から57位に改善した「アリババ都市」の取り組み

「渋滞の都」の交通を劇的に改善したアリババの「城市大脳(シティブレイン)」。交差点の信号制御を機械学習で最適化し、エリア全体の車両速度を向上させた仕組みとは。都市データを解析し公共サービスを進化させる、スマートシティ技術の裏側を紐解く。

バグ見つけて賞金を稼ぐ「バグバウンティ」。数字から読み解く「バグハンター」の世界

近年ますます注目を集めるバグ報告報奨金制度「バグバウンティ」。2021年には総額で40億円以上の報奨金が支払われ、専業のバグハンターも登場している。バグバウンティについて年次レポートを発表しているプラットフォーム「HackerOne」の統計データからその実態を読み解く。

TikTokの爆発的な拡散力はどこから?AIアルゴリズムと「階層型ユーザープール」で生み出した大ヒットの裏側

TikTokの中国版「抖音(ドウイン)」2021年の最大日間アクティブユーザー数は5億を超えたという。昨日までまったく無名だった人が一本の動画で国民的なスターになったりもする。この爆発的な拡散力はどこからなのか?独自のレコメンドアルゴリズム「階層型ユーザープール」の裏側を解説。

28位と中位グループに下げ止まった日本。IMD国際デジタル競争力ランキングから見えてくる日本ITの弱みと希望は?

スイスIMD「世界デジタル競争力ランキング2021」で日本は過去最低の28位に後退した。この結果をどう読み解くべきか。ランキングの詳細データから日本のデジタル競争力における強みと弱みを分析。DX推進や人材育成など、競争力回復に向けた課題と展望を考察する。

中国ライドシェア最大手DiDiが採用するマッチングアルゴリズム。利用者全員の平均待ち時間最小化を考える「ダイナミックVRP」とは?

コラム「海外最新IT事情」は、各国のIT情報に詳しいコラムリストの方々が、海の向こうで起きているIT業界の動向を解説します。今回は、中国ライドシェア最大手がより効率的な配車を実現するための取り組みを届けします。

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