

しんざき
システムエンジニア、PM、ケーナ奏者、三児の父。南米民族音楽の演奏が趣味。仕事・育児・演奏活動の傍ら、レトロゲーム雑記ブログ「不倒城」を20年程運営している。
どうもこんにちは、しんざきです。
昨今物価高について議論される機会は多いですが、しんざき家で一番影響が可視化されているのは「おやつの価格」かもしれません。この記事で書きたいことは、大体以下のようなことです。

以上です。よろしくお願いします。
さて、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、あとはざっくばらんにいきましょう。
しんざき家のおやつ事情とお菓子の価格高騰の話
しんざき家では、決まったタイミングで、家族そろっておやつを食べる習慣があります。私の実家ではそもそもおやつの習慣がなかったので、これは明確に妻の実家の影響です。忙しい時期になると、なかなか家族一緒に夕飯を食べながら団らんが難しい場合がありますので、何かしら同席してみんなで会話をするタイミングがあるのは良いことだと思っています。
子どもたちは、「共有場所に置いてあるお菓子はお互いに食べても良い」という盟約を結んでいるらしく、おやつスペースにはちょくちょく、子どもたちのお小遣いでお菓子が補給されます。もちろん、私や妻がお菓子を買ってくることもあります。
ちなみに長男は時々関西へ旅行するのですが、その度に脱法カール(※カールが現在東日本では販売されていないことから発生した俗語。もちろん、本当に法に反しているわけではない)を買ってきては、「良いブツがありますぜ」となぜかアニメ『ギャラリーフェイク』の主人公藤田玲司みたいな口調で私に教えてくれます。一時期は「新幹線の手荷物検査でカールが見つかると捕まる」などと、長女次女にデタラメを吹き込んでいました。
で、先日次女が言っていたのが、「チョコレート効果が高くなった!」という文句でした。
皆さん、明治から発売されている『チョコレート効果』というお菓子をご存知でしょうか? ちょっと苦味がある高カカオのチョコレート菓子で、カカオの比率によって商品名が分かれているのが特徴です。私も次女もチョコレートは好きなのですが甘過ぎるお菓子は苦手で、チョコレート効果は昔から偏愛しています。
で、次女によると「前は250円で買えたから、ちょっとお小遣い貯めたら食べられたのに、今は400円出さないと買えない」とのことです。以前の価格というのがちょっと正確には分からないのですが、直近(2026年5月下旬時点)イオン系ネットショップのグリーンビーンズで確認すると確かに税込み398円なので、400円というのは概ね正確な認識のようです。
次女「チョコレート効果好きなのに、もう今の値段じゃ買えない……」
次女は小さな頃から、不満な時、右足で床をタンタンと叩く癖があります。今回もだいぶ不満な様子で良い感じにタンタンしていたので、「良いタイミングかなー」と思い、ちょっとお金と経済の話をしてみることにしました。
私「いきなり150円も値上がりすると買いにくいよなー」
次女「いきなりじゃないと思う、2回くらい値段変わったかも。250円の時もがんばって貯めて買ってたんだよ」
私「なんでそんなに値段が変わるんだろうな? 学校で習った?」
次女「ええと。値段が決まるのって、需要と供給でしょ? 欲しい人が多いと値段が上がる」
次女は最近公民(政治経済、社会全般の科目)を習っていて、先生の教え方が好きらしく、公民の用語は結構覚えてきますし、私がその話を振ると、ちゃんと公民で覚えた用語を使ってくれます。物事を自分の知っている概念で説明できるのって、楽しいですよね。
私「じゃあ需要が増えたのかな? でもチョコレートを食べたい人が急に増えたりするかな」
次女「しないかも……んー、じゃあ、供給が少なくなった?」
私「供給が少なくなった、ってのは間違いじゃないけど、お菓子の値段が決まる要素ってほかにもいろいろあるかも。調べてみよっか」
ということで、一緒に調べてみることにしました。
いろいろ見たんですが、チョコレート菓子の価格の推移については、時事ドットコムさんが分かりやすい記事を書いてくださっています。ちょっと参照記事をリンクします。
『「ご褒美にチョコ」、価格高騰で意識変化?◇スイーツ市場で地殻変動、伸びるプレミアムアイス』(時事ドットコム )
これによると、近年、チョコレート市場では、「カカオ・ショック」と呼ばれる大きな環境変化に直面しており、その背景に、原材料であるカカオ豆の価格高騰に加え、ロシア・ウクライナ情勢によるエネルギー・コストの上昇、さらに円安の影響があるそうです。
つまり、
・カカオ豆不作による原材料の高騰
・エネルギーコストの高騰
・円安
の、大きく三つの原因がある、ということですよね。カカオの品薄については直近改善されつつあるという話も聞きましたが、まあすぐに製品価格に反映されるものでもないですし、一旦置いておきましょう。
次女「エネルギー・コストってなんで? お菓子をつくるのに使うエネルギー?」
私「それもあるけど、まずカカオを運んだり、チョコレート運ぶのに輸送もしないといけないでしょ。その時にかかる燃料費もあるし、あと運ぶ人たちや作る人たちの人件費もあるでしょ、お給料」
次女「あー、そういうのも全部値段に入ってくるんだ……」
その他、円安/円高の仕組みについても説明して、次女の中でも「チョコレート菓子の高騰」という現象が一応腹落ちしたようでした。まあ、値段が上がって手が出なくなった状況は変わらないわけですが、その後に誕生日でチョコレート効果を買ってあげたら喜んでました。
身近な“お菓子の値段”を入口にお金や経済の話をする
この時に、私が大事だと思ったことは3つあります。
まず1つ目が、「お金や経済の知識につながる入り口をつくること」。
子どもにお金の話をするのを嫌がる親御さんって結構いますけど、お金の話は社会に出る際には絶対必要になりますし、可能な限り伝えていくべきだと思うんですよね。とはいえ、改まって「今からお金の話をします」なんて言っても仰々しいですし、頭にするするっと入ってこない。そういう時、例えば身近のお菓子の値段とか、知識を得るための「入り口」があると、スムーズに「お金の話」をする土台になりやすいと思うんですよ。
近年、「お金の教育」ってちょくちょく口にされますが、そこで第一に教えるのが「投資」だったり「株取引」だったりして、それはそれで「なんかおかしいな?」と思う部分もあるんですよね。まず何より大事なのは、「価値や価格の裏には人の労働そのほか、いろんな過程が隠れている」ということ。店員さんの対応だって、自分が就職した後の労働だって、大事な価値なんだということ。製品一つ作るにも、さまざまな人が絡んでいて、その結果その製品の価格があるということ。
これが分かっていれば、例えば手製のアクセサリーを見て「原価は〇〇円なのに高過ぎる」と文句を付けたりとか、あるいはブラック企業で人的搾取をされたりとか、そういった「労働価値の認識齟齬」から来るさまざまな悪習からも距離を取れる可能性がある、と思っているんです。「価格とは、原材料だけでなく、そこに関わるすべての人の知恵と労働の結晶である」と知ること。それこそマネー・リテラシーの教育であって、そういった「お金の話」は、チャンスがあればいつでも伝えていきたいなと思います。
2つ目に大事なことは、教えられるだけではなく、自分でも疑問に思って、調べること。
今回は正直ちょっと誘導しちゃいましたが、中学生にもなれば、既にいろんなルートで調べることができます。もちろんインターネットも重要な要素ですが、一人で図書館に行くことだって、学校で先生に聞くことだってできます。問題は、そもそも疑問に思えないと「調べる」ということにもたどり着けない、ということで、「気になったら調べる」というのは習慣化してほしいと思っています。そのための題材としても、チョコレート効果は良いテーマだったなーと。
不快な出来事や不満を疑問に変える“認知的再評価”で乗り切る
そして3つ目として、「不満を不満で終わらせず、疑問に変える習慣」というものがある、と思っています。
これは以前から思っているんですが、何か不快や不満を感じた時に、それを上手いこと言語化して、「なんでこうなってるんだろう?」という疑問に変換するのが得意な人と、そうでない人がいるなあと。そしておそらく、これは練習や習慣付けによって改善できるんじゃないかな、と。
ただ不満を不満のまま抱き続けていると、単純にストレスになってしまったり、あるいは周囲に当たってしまったりします。ただ、不満を「何故そうなっているのか?」という疑問に変換できると、そこから改善方法や回避方法を考えることもできるし、不満自体のストレスも和らぎます。
多分これ、何かしら心理学用語であるのではないかと思い調べてみたところ、「認知的再評価」というらしいです。以下は日本認知・行動療法学会の資料からの引用です。
認知的再評価とは,ネガティブな感情や思考が生じたときに,その思考や状況について別の観点からポジティブに捉えなおすことであり,認知的再評価を行うことで,ネガティブ感情の緩和や精神的健康の向上がなされる (Gross, 2013)
『認知的再評価は脱中心化を促進するか:交差遅延モデルを用いた検証』(小林亮太、重松潤、宮谷真人、中尾敬)
今回で言えば、ただ「高い、買えない」と悔しがるのではなく、「なんで高いんだろう?」と一歩引いて眺めてみること。それだけでも、不満は少し「整理できる問題」に変わります。たぶんこれが、認知的再評価の入り口なんじゃないかなと思っています。
もちろんこんなことを一朝一夕でできるようになるわけではないですし、親が簡単に教えられるようなことでもないとは思いますが、不満を感じている時になるべく「なぜ?」という方向に持っていって、一緒に理由や改善策を整理してあげることで、将来「不満を疑問に変える力」を身に付けることもできるようになるんじゃないかな、と。
今回のように、分かりやすく「不満」と「その原因」がある時には、今後も一緒に中身を整理していきたいと、そんな風に考えているわけなのです。
ビジネスの上での愚痴も疑問に変えて改善提案につなげることが重要
ちなみにこの「不満を疑問に変える力」って、たぶんビジネスの現場でもかなり大事な感覚なんですよね。
仕事をしていると、「なんかこの作業やたら面倒だな」とか、「この会議、なんのためにあるんだろう」とか、「あいつ、こんな作業に時間をかけ過ぎだろ」とか、いろんな不満が出てきます。その不満をただ「めんどくさい」、「非効率だ」、「あいつ、仕事できない」と吐き出して終わるのではなく、「何がそう感じさせているんだろう?」、「何にコストがかかっているんだろう?」といった形で、疑問に変えて整理してみる。
情報が足りないのか、役割分担が曖昧なのか、そもそも目的が共有されていないのか、認識されていなかった作業があるのか。そうやって原因を言語化できると、単なる愚痴が改善提案に変わります。
不満を疑問に変える、というのは、建設的に仕事を進めるためのかなり重要な技術なんじゃないか、と思うわけです。
それはそうと、お菓子の価格高騰は頭が痛い
以上のような議論は議論として、お菓子の価格高騰はやはり親として頭が痛いところではあります。近年、価格は据え置きでもいつの間にか量が減っている、というケースも時折見受けられるような気がしており、5人家族の父としてはなかなか対応に苦慮するところです。ポテトチップスが一瞬でなくなり過ぎるんですが……。
もちろんお菓子会社の皆々様の必死の企業努力はよく分かるところでして、できる範囲で頑張ってくださっていることは重々承知しているものの、家計と折り合いがつくバランスについては今後も希求し続けていってくださればな、と考えるところ大です。我が家でも、上手いこと家計を圧迫しない程度のおやつの時間確保に努めてまいります。
あと、私が一番偏愛しているお菓子はやおきん『キャベツ太郎』なんですが、近所のコンビニがいつまで経っても入荷してくれず、価格云々以前にそもそも入手が困難です。全国のセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンなどのコンビニチェーンの皆様には、「キャベツ太郎」の標準入荷をぜひご検討いただきたい次第です。よろしくお願いいたします。
今日書きたいことはこれくらいです。


