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「エンジニア採用に課題を感じる」と悩む企業は多いのではないでしょうか。近年はIT需要に対してエンジニアが不足し、「スキルがある人材に出会えない」「応募が集まらない」といった悩みが増えています。
この記事では、採用難の背景を分析したうえで、採用を成功させるコツをお伝えします。選考前の段階で行うべきことや選考中の注意点、内定辞退や入社後の離職を防ぐ方法を説明するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
エンジニアを採用するには、まずは採用がうまくいかない理由を探ることが重要です。採用が難しい代表的な理由を紹介します。
エンジニア採用が難しい第一の理由は、国内のIT人材が不足してることです。経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年にIT人材は需要に対して最大約79万人の不足が生じることになっています。
また、厚生労働省の「一般職業紹介状況(参考統計表)」によると、エンジニアが属する「情報処理・通信技術者」の有効求人倍率(パート除く常用)は1.62でした。この数値は、全職業の平均である1.16を上回っており、IT系人材の採用が他の職種と比べて難しいことが分かります。
さらに、レバテックの調査によると、ITエンジニア・クリエイターの正社員求人倍率は2024年6月時点で10.2倍と高水準が続いています。
参考元:フリーランス案件発生数が前年同月比146%で過去最高 「セキュリティ」人材需要高まる|レバテック
エンジニア採用が難航する背景には、優秀なエンジニアが転職市場に現れないという事情もあります。
IT人材が不足する中、企業が優秀なエンジニアを囲い込むことで、転職市場にエンジニアが現れにくくなっています。近年はIT人材不足を背景に、各企業が待遇改善をはじめとする取り組みでエンジニアの定着をはかっています。
その結果、人材の流動性が低下し、採用市場で優秀なエンジニアを見つける難易度が高まっているといえるでしょう。
採用サービスや採用媒体の多様化も、エンジニア採用が難しい理由の一つです。近年は採用媒体の種類が大幅に増加し、エンジニアが多数の媒体に分散するようになりました。企業にとっては、エンジニアが各媒体にばらけてしまい、応募を集めにくい状況といえるでしょう。
エンジニア採用が難しい理由の一つには、時代の変化とともにエンジニアの働き方が多様化し、フリーランスや副業エンジニアが増えていることも挙げられます。最近はフリーランス向けのエージェントが増え、エンジニアが個人で案件を探すハードルが下がっています。
エンジニアにとっては、企業に所属したり、転職したりしなくても稼げる環境が整ってきた一方、企業にとっては正社員エンジニアの採用が難しい状況になっているといえるでしょう。
IT人材不足に加えて、エンジニアの採用単価が高騰していることも企業にとっての採用課題です。最近は、エージェントやダイレクトリクルーティングをはじめ、採用チャネルが多様化しています。人材を確保するには複数のサービスを活用する必要がありますが、その分のコスト増加に悩む企業は少なくありません。
また、年収が高い経験豊富なエンジニアほど採用単価が高くなるという問題もあります。人材紹介(転職エージェント)では採用した人材の年収に応じて料金が決定するため、スキルが高い人材を採用するほど採用コストがかさみます。
エンジニア採用が難しいと感じる企業は次のような課題を抱えていることが多いです。採用を成功させるためにも、まずは自社が抱える課題を把握していきましょう。
求める人物像が不明瞭だとエンジニアの採用はうまくいきません。エンジニアのスキルは細分化しており、自社が求める要件を細かく定めておかないと、自社に合う人材を見つけづらくなります。
また、細かな条件を定めずに求人を出すと、求職者が業務をイメージしづらく応募につながりにくくなってしまいます。「エンジニアに理解がない職場かもしれない」と思われる可能性もあるため、求める人物像や必須スキルは求人を出す前に定めておきましょう。
そもそも採用担当者の技術的な知識が不足していることも、エンジニア採用がうまくいかない企業の特徴です。
ITの発達とともに、エンジニアのスキルは高度化・細分化しており、技術面の知識がないと人材を正しく評価できません。採用後に現場とのミスマッチが生じ、採用に費やしたコストが無駄になるおそれがあります。
また、スキルの希少性を理解しなければ、適切な報酬を提示するのも難しいでしょう。
技術への理解が浅い採用担当者が、応募書類や短時間の面接で得られる情報だけでスキルを判断するのは困難です。現場のエンジニアの協力を得るといった工夫をしなければ、自社に合った人材を採用するのは難しいでしょう。
売り手市場の中で優秀なエンジニアを獲得するには、高い給与や働きやすい環境を提供する必要があります。しかし、求職者側の希望をどこまで満たせるかは企業によって差があります。資金力のない中小企業が好条件を提示するのは難しく、エンジニアは他社に流れてしまいがちです。
関連記事 : 中小企業がエンジニアを採用するためには?7つのポイントや事例を解説
エンジニアにとって魅力的な環境が社内にあるにもかかわらず、そのことを十分に伝えられていないために採用が難航しているパターンもあります。
採用担当者がエンジニアの業務に詳しくない場合、エンジニアにとって何が魅力になるのかが分からず、求人票やスカウトメールでうまくアピールできません。
特に、「母集団形成ができない」「カジュアル面談から先に進んでもらえない」といった企業は、自社の魅力を訴求できていない可能性があるため、改めてエンジニア目線で自社の魅力は何かを考えてみましょう。
エンジニアを採用できても、内定辞退される、入社後に早期離職される、という課題を抱える企業もあります。採用後に人材が定着しない原因の多くは、求める人物像が明確でなかったり、自社に合う人材を見極められなかったりして、ミスマッチが生じることです。
また、入社後のフォロー不足で人材が離れているケースもあります。新入社員が業務や会社の環境に馴染めるよう、研修を充実させたり、メンター制度を整えたりしてフォローを行うことを検討しましょう。
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エンジニア採用の課題を解消するには、採用を行う前に自社の課題を把握し、そのうえで求める人物像を設定したり、自社の魅力づくりを行ったりすることが鍵になります。本格的な選考の前にやるべきことをまとめたので、確認していきましょう。
まずはエンジニア採用の全体の流れを俯瞰し、それぞれのフェーズで想定される課題を洗い出しましょう。
採用課題というと、応募や面接段階に注目しがちですが、求人を出す前の工程にも目を向けましょう。
特に、初めてエンジニア採用を行う場合は、まず採用に必要な知識を身につけることが大切です。採用市場やエンジニアの業務・技術について理解したうえで、求める人物像を明確にし、採用手法や予算を決めていきましょう。詳しくは以降の項目をご覧ください。
採用したエンジニアと現場のミスマッチが起きる原因は、人事と現場間における人材要件の認識のズレが大きいと考えられます。
エンジニアを採用するのは人事ですが、採用したエンジニアと共に働くのは現場の社員です。現場感覚のある社員と協力してエンジニアの人材要件を決めていくことで、現場でのミスマッチを防ぎましょう。
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人材要件を決めるとともに、採用市場に条件を満たすエンジニアがどれくらいいるのか調査しましょう。ターゲットがいた場合も、自社が提示できる待遇で採用できそうか検討が必要です。
もし、採用が難しそうであれば、以下のように人材要件を緩めることも視野に入れましょう。
たとえば、経験年数の条件を緩め、自社での育成を前提に採用するといった方針があります。社内で教育体制を構築できるなら、未経験者の募集も検討しましょう。
また、正社員にこだわらず、副業エンジニアやフリーランスを募集することで採用がうまくいくことがあります。特に、個人で活動するフリーランスの中には実績のあるエンジニアも多いので、即戦力を求める場合に有効です。
エンジニア採用を成功させる条件として、母集団の形成は欠かせません。母集団を形成するには、自社のブランディングを行い、会社の魅力を外部に発信する必要があります。
仕事内容や独自の社内ルール、福利厚生といった要素を洗い出し、SNSやテックブログなどで紹介しましょう。特に、他社と差別化できる自社ならではの特色があれば、積極的に押し出していきます。
打ち出せる魅力が少ない場合、今からエンジニアが働きやすい環境づくりを進める必要があります。次のような取り組みで魅力を高められないか検討しましょう。
最近は働き方を重視する人が増えているため、多様な働き方を認める制度は魅力となり得ます。未経験者を採用する場合は、教育体制の整備も重要です。
また、レバテックの調査によると、エンジニアが転職した際の一番の決め手は以下の通りです。
参考元:エンジニアの企業・案件選びにおいて「働く場所」がより重要に
調査によると、年収や働く場所・時間、自分のスキルを活かせるかどうかを重視する人が多いことが分かります。給与を改善したり、リモートワークやフレックスタイム制度を導入したりすることで、エンジニアが働きやすい環境をつくりましょう。
求人を作成する際は、エンジニアの目線に立って求職者が魅力を感じる内容を盛り込む必要があります。多くのエンジニアは、業務内容や職場の雰囲気を知りたいと考えます。そのため、求人には以下のような項目を記載しましょう。
採用がうまくいかないときは、採用媒体の見直しも行いましょう。たとえば、求人サイトで応募が集まらない場合、ダイレクトリクルーティングで直接候補者にアプローチするのが効果的な可能性があります。
ダイレクトリクルーティングは、企業がターゲットとなる人材に直接メッセージを送る採用手法です。求職者からの応募を待つ採用手法と違って、「攻め」の採用活動が行え、母集団形成に有効です。
売り手市場でエンジニアを採用するには、採用手法を限定せず多様な手段でターゲットとの接触をはかることが重要です。社員の人脈を活用するリファラル採用やSNS・採用サイトを使った情報発信など、多方面でエンジニアと出会う機会をつくりましょう。
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ここからは、選考に入ってからやるべきことを紹介します。面接前に行うカジュアル面談や選考中・内定後の対応について確認しましょう。
カジュアル面談は、企業と候補者が対等な立場でお互いを理解するために行う面談です。選考とは別に実施し、リラックスできる雰囲気の中で進めます。
面談では、条件面や働き方について候補者に説明し、面接前に不安を解消できるようにしましょう。カジュアル面談で互いの本音を交換することで、後々のミスマッチを防げます。
関連記事:カジュアル面談と面接の違い|事前の準備や当日の流れも解説
多くの場合、候補者は複数社に並行して応募しています。そのため、選考結果や面接案内の連絡が遅れると、他社が先に内定を出し、人材が他社に流れるリスクがあります。
一次面接から内定通知までの期間が2週間を超える場合は、採用フローを見直し、選考期間を短縮できないか検討しましょう。
内定から実際の入社につなげるためには、内定通知後のフォローが欠かせません。
たとえば、社員との交流会といったイベントを開催し、職場の雰囲気や業務内容が理解できるようにしましょう。手厚いフォローを行うことで、内定辞退を予防できます。
エンジニア採用の具体的な方法を整理しました。それぞれの特徴や費用についてまとめているので参考にしてください。
リファラル採用とは、社員に候補者を紹介してもらう採用方法です。企業の風土や採用ニーズをよく理解した社員からの推薦であるため、一定の人材の質を担保できるメリットがあります。
また、採用サイトへの掲載や、転職エージェントを介さずエンジニア人材を募ることができ、採用コストの削減も叶うでしょう。
アルムナイ採用は、一度退職した元社員を再度雇用する手法です。「カムバック採用」とも呼ばれ、過去に培った業務経験を活かして働いてもらえるのがメリットです。採用後の教育コストを抑えられるうえ、元社員と直接連絡がとれる場合は、人材紹介などの外部サービスを使う費用もかかりません。
ダイレクトリクルーティングでは、スカウト型サービスやSNS、イベントなどで自社情報を発信し、集まった人材の中から自社の人材要件に合ったエンジニアを直接スカウトします。
スカウト型サービスは、従来の人材紹介サイトや採用サイトよりも費用を安価に抑えられる可能性があります。
ただし、担当者が人材を選定してくれる人材紹介サービスとは異なり、自発的に動くことで成果が得られるのがダイレクトリクルーティングの特徴です。スカウトメールを作成する工数もかかるので、利用する際は専任の担当者を立てるといった準備をしましょう。
レバテックダイレクトは、ITエンジニア・クリエイター特化型のダイレクトリクルーティングサービスです。レバテックダイレクトの費用については、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:【企業向け】レバテックダイレクトの費用とは?特徴や成功事例も紹介
多くの求職者が利用する求人サイトへの掲載は、一定のエントリーが見込めます。特にエンジニアに特化したサイトを利用すれば、効率的に応募者を集められます。採用サイトを利用する際は、採用条件や求めるスキルを明確に記載し、ミスマッチを防ぎましょう。
関連記事:転職サイトを利用する際にかかる費用は?料金の相場を比較表で紹介
人材紹介サービスとは、求職者と企業を仲介し、企業が求める人材を紹介してくれるサービスです。エンジニアやデザイナーなど、特定の職種に特化したエージェントを使えば、よりスムーズな採用活動が期待できるでしょう。
採用が成立した場合のみ手数料を払う「成功報酬型」が一般的であるため、採用に至るまでのコストを抑えられます。
ただし、転職エージェントは採用が決まった際の料金がほかの採用サービスと比べて高い傾向があります。採用決定した人材の年収の30~40%が相場なので、年収600万円の人材を採用するとおよそ180~240万円の費用がかかる計算になります。
関連記事:転職エージェントの成功報酬の仕組み
エンジニア採用に課題を感じるときは、今までのやり方にとらわれない方法を試すことも必要です。エンジニア確保のために新たに取り入れられる方法を紹介します。
ハイスキルなエンジニアの採用が難しいときは、未経験者を採用し、社内で育成する方法があります。 入社時点でスキル・経験がなくても、「プログラミング経験がある」「基礎は理解している」という人材をポテンシャル採用の候補にしましょう。
レバテックの調査によると、2024年6月時点の未経験エンジニアの求人数は、前年同月比208%になっています。
参考元:フリーランス案件発生数が前年同月比146%で過去最高 「セキュリティ」人材需要高まる|レバテック
この結果からは、人材獲得競争が激化しているIT転職市場において、経験者採用だけでは人材を確保しきれず、未経験者採用に取り組む企業が増えていることが分かります。
エンジニア未経験の転職希望者も前年同月比221%となっているため、未経験者を対象とすることで母集団を増やせるでしょう。
関連記事:エンジニア教育における3つの課題と6つのポイント|効果的な育成方法とは
週5日勤務の正社員採用にこだわらず、多様な形態で人員を確保しましょう。フルタイム社員と比較して所定労働時間が短い短時間正社員やパートのほか、派遣エンジニアを活用する道もあります。
また、エンジニアの中には、会社員をやめてフリーランスになる人も多いです。こうした層を活用するには、フリーランスエンジニアへの業務委託も視野に入れましょう。
フリーランスは正社員と比べて福利厚生費や教育コストがかからないのがメリットです。会社で経験を積んでから独立している人が大半なので、契約後はすぐに専門性の高い業務を依頼できます。
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レバテックを活用して採用課題を解消した企業の事例を紹介します。
株式会社SocialDogは、SNSアカウントマネジメントに特化したSaaS型のプラットフォームを提供するスタートアップです。同社は、採用に割ける人員や工数が限られ、エンジニア採用が難航していました。エンジニアの間で認知度が低かったことも採用に苦戦する原因の一つだったといいます。
そんな中で、同社はレバテックダイレクトを活用し、採用したい候補者に効率よくアプローチすることで、エンジニアの採用に成功。入社したエンジニアは入社後半年で早くもチームリーダーとなって活躍しています。
採用までの詳しい経緯は以下の記事をご覧ください。
ダイレクトリクルーティングは、スタートアップが自社の魅力を候補者に伝える最良の手段
株式会社ワンキャリアは、学生向け就活サイトや人事向けサービスを展開する企業です。同社は、リソースが不足する時期や想定外の事態が起こったときにフリーランスを活用しています。
就活サイト「ONE CAREER」の開発現場には、レバテック経由でフロントエンドエンジニア3名(2022年8月時点)が参画。中には3年半以上稼働しているフリーランスエンジニアもいて、長期稼働を実現しています。フリーランスの参画により、開発チームのレベルが底上げされたり、社外の客観的な視点を取り入れられたりする効果があったといいます。
同社のフリーランスの導入について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスのデザイナーやフロントエンドエンジニアが事業成長をリード。サービス立ち上げやユーザー獲得率の拡大に貢献した事例
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エンジニアの採用に課題を感じる企業に向けて、採用が難しい理由や採用市場の現状をお伝えします。採用を成功させるコツも提案するので参考にしてください。
A.IT需要の高まりに対してIT人材が不足しているため、企業間の採用競争が激化していると考えられます。さらに、ITの発展に伴い技術が高度化・複雑化し、自社のニーズに合ったエンジニアの見極めが難しくなっている問題もあります。
A.IT人材が不足する中、各企業は自社のエンジニアが離職しないよう高待遇を提示しエンジニアの囲い込みを図っています。そのために転職市場に優秀なエンジニアが現れにくく、採用がますます難しくなっているのが現状です。
A.社内のエンジニアに協力を依頼し、エンジニア目線で魅力的な求人をつくりましょう。リモートワークやフレックス制度の導入など、エンジニアが求める環境の整備も必要です。母集団形成のために、複数の採用サービスを使うことも検討しましょう。
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