最終更新日:2025年8月22日

エンジニアの育成を成功させるには?自社で育てるメリットや具体的な方法

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「エンジニアの育成がうまくいかない…」「時間と費用をかけて育成するより、即戦力を採用した方が良いのでは?」と悩んでいませんか?

この記事では、自社でエンジニアを育成する重要性や難航する理由を解説した上で、効果的な育成ステップと成功のコツ、育成リソースが足りない場合の代替策を紹介します。

自社でのエンジニア育成に悩む担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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自社でのエンジニアの育成が重要な理由

ここでは、自社でのエンジニア育成が重要な理由について解説します。社内で人材を育成するか悩んでいる場合、その重要性を再確認してみてください。

エンジニアの採用が難しいため

IT人材の不足は年々深刻化しており、優秀なエンジニアの採用競争は激化の一途をたどっています。経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には最大で79万人ものIT人材が不足する見込みです。

人材需要供給の試算結果

引用:IT人材需給に関する調査|経済産業省

特に、大手企業は好条件を提示できるため採用競争で優位に立ちますが、中小企業には難しいのが現状です。
採用にかかる時間や費用、担当者の負担を考慮すると、既存社員の育成に注力する方が現実的な選択肢となり得ます。また、経験者と比較して採用競争率が低い未経験者を採用し、社内で育成していくことも有効な戦略です。

参考:IT人材需給に関する調査|経済産業省

育成ノウハウの蓄積による組織力強化が期待できるため

社内でエンジニアを育成する過程で得られるノウハウは、組織の貴重な財産となります。教育システムが整うことで、次世代の育成もスムーズになるという人材育成の好循環が生まれるのです。
たとえば、質の高い指導や相談しやすい環境があることで、業務習得が早まり人材の早期戦力化が期待できます。自社の企業文化や開発環境に適合した人材の確保にもつながるでしょう。

また、教育担当者自身の成長も促進されるというメリットも見逃せません。育成を通して、技術面の再確認やコミュニケーションスキルの向上といった成長機会を得られるためです。

さらに、育成の準備段階で業務プロセスを見直す機会もあるため、業務全体の効率化も期待できます。

エンジニアの育成が難しい背景

エンジニアの育成は重要ではありますが、簡単に即戦力となる人材を育てられるわけではありません。ここでは、エンジニアの育成が難しい理由について解説します。

育成を担える人材が足りない

人材育成の課題として、教育スキルを備えたエンジニアの不足が挙げられます。技術力と指導力は別個のスキルであり、両方を兼ね備えた人材は限られています。

特に中小企業では、現場で活躍中のエンジニアが兼任で育成を担当せざるを得ないケースが多く、負担増につながっていることも少なくありません。

また、育成に適任な人材がいない場合、教育担当となるエンジニアへのトレーニングが必要となります。小規模な開発チームでは、教育に十分な時間を割くことが難しく、教育体制の構築が進まないという悪循環に陥りがちです。

育成に時間がかかる

エンジニアとして一人前になるには長い時間を要します。

レバテックの「IT人材白書2025」によると、エンジニア未経験者の採用における課題として「教育・育成工数の多さ(33.2%)」「技術習得期間の長さ(29.7%)」が挙げられており、未経験者育成の難しさが課題となっていることが分かります。

エンジニア未経験者採用の課題

育成期間が長期に及ぶと教育担当者の負担は大きくなり、教育と本来の業務との両立が難しくなるため、育成に消極的な経営層も少なくありません。経営層からの投資による育成環境の整備といった支援がなければ人材育成体制を整えられず、さらに育成期間は長期化すると考えられます。このような悪循環が、エンジニア育成の停滞を招いてしまうのです。

成長度合いを測りにくいケースがある

エンジニアの職種によっては、スキルを客観的な指標で測ることが難しい場合があります。たとえば、開発系エンジニアの場合、成果物の品質やコードの完成度から客観的な評価が可能です。一方、運用・保守系を担当するエンジニアは、目に見える成果物が少ないため、こうした評価方法が適用しにくい傾向にあります。

明確な測定基準がないと育成計画が立てづらいうえ、育成対象者のスキルレベルのチェックや段階に合わせた教育は教育担当者の経験や感覚に頼らざるを得ません。フィードバックも抽象的になりがちで、育成対象者は改善行動や次のステップに向けた取り組みに悩み、成長しにくくなってしまうでしょう。

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エンジニアを自社で育成することで得られるメリット

社内でのエンジニア育成は、社員の定着率向上に効果がある可能性があります。充実した育成環境があると、エンジニアの就業意欲が高まりやすいと考えられるからです。

レバテックの「IT人材白書2025」によると、業務に対するモチベーションの源泉として「技術・スキル面の向上(11.8%)」が挙げられています。

また、「IT人材の採用・定着に関する実態調査」では、早期離職の理由として「技術的な成長が感じられない(22.7%)」が挙げられています。
さらに「ITエンジニアのキャリア形成と技術に関する意識調査」では、将来のキャリアに対する不安として「技術進化の速さに追いつけないこと(19.0%)」という回答が最多でした。

これらの結果から、多くのエンジニアが技術向上への強い関心を持っていることが分かります。育成環境が整っており、成長を実感できる環境であれば、定着率向上につながるといえるでしょう。

参考:
IT人材の早期離職が「増加した」と約4割の採用担当者が回答、 AI活用によるミスマッチ防止も|レバテック株式会社
約6割のITエンジニアが「急速な技術変化に脅威を感じる」と回答、将来のキャリアに対する不安も明らかに|レバテック株式会社

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【6ステップで解説】具体的なエンジニアの育成方法

エンジニアの育成を成功させるには、計画的なアプローチが欠かせません。以下の6ステップを順に実践することで、効果的に育成していけるでしょう。

1. 求める人物像を設計する

育成に着手する前に、どのような人材に成長してほしいかエンジニア像を明確に定義しましょう。業務遂行に必要な技術だけでなく、ビジネス理解力やコミュニケーション能力など、自社が求めるスキルセットを洗い出します。また、将来的に担ってほしい役割を具体的に想定することも重要です。

たとえば、「JavaScriptを使えるSE」のような大まかな像ではなく、「3年後には、JavaScriptを用いたフロントエンド開発のリーダーとしてチームを牽引し、顧客折衝から要件定義、設計、開発、テストまで一貫して担当できる人材」といった具体的な人物像を描きます。

この段階で経営層や現場のリーダーの意見を取り入れることで、より明確な人物像を設計でき、育成方針を策定しやすくなります。

2. 育成目標を段階ごとに設定する

理想の人物を育成するステップとして、段階的な育成目標を設定します。たとえば、「1年目は基本的なコーディングスキルの習得」「2年目は小規模プロジェクトのリード」といった具合に、明確な期限と達成目標を組み合わせるのが効果的です。

目標は具体的かつ測定しやすい内容にすることが重要です。「JavaScriptの基礎構文を理解し、簡単なWebアプリケーションを作成できる」といったように、成果が目に見える形で設定しましょう。
保守・運用のような成果が見えにくい業務が対象の場合には、「定常作業を〇時間以内に完了させる」「改善提案を〇件以上実施する」といった目標設定がおすすめです。

3. 教育担当者の育成スキルを高める

エンジニア育成の成功には、教育担当者のスキル向上が欠かせません。技術力が高いエンジニアであっても、教育スキルがなければ効果的な育成を行うことは困難です。

教育担当者に必要なスキルには、コミュニケーション能力やフィードバックスキル、個人の特性に応じた指導方法を選択できる能力などがあります。たとえば、育成対象者のレベルや性格に合わせてモチベーションを維持するための声がけを行う、適切なタイミングでフィードバックをする、説明方法を変えるといったスキルが求められます。

育成担当となるエンジニアのスキル向上には、コーチングやメンタリングに関する研修が有効です。外部研修の受講や外部の教育専門家を招いた社内勉強会の開催などを検討しましょう。

4. 対象者の現状スキルと課題を把握する

効果的に育成を進めるために、育成対象者の現在のスキルレベルと課題を正確に把握しましょう。技術的な知識だけでなく、学習スタイルや興味の方向性などの個人特性も含めて評価します。

スキル診断テストや実務課題を通じた評価、本人との面談などを組み合わせることで、多角的な現状把握が可能になり、より効果的な育成計画を立てられるのです。

5. 具体的な育成プログラムを設定する

1~4のステップが完了したら、育成対象者一人ひとりに合わせた育成プログラムを作成します。効果を最大化するため、育成対象者のレベルや性格に応じて、座学や実践課題、OJT、外部研修などの学習方法を組み合わせましょう。

プログラムの実施期間は、個々の習熟スピードに応じて柔軟に設定します。たとえば、プログラムの進捗が想定より早い場合は、次のステップの開始を早めるというようにスケジュールを調整し、早期のスキル定着を図ります。
一方で、現行ステップの習得が不十分な段階での移行は避けるべきです。基礎が身についていない状態で次のステップに進むと、学習内容の理解が不十分になり、結果として成長を阻害する可能性があります。

6. 定期的に定着したスキルと課題を確認する

教育計画に沿って育成を進めながら、定期的に進捗状況を確認します。定期的に面談の場を設け、習得したスキルを評価するとともに、新たな課題を特定していくのです。評価は客観的な基準に基づいて行い、具体的な事例を挙げながらフィードバックすることが重要です。

また、本人の自己評価と指導者の評価にギャップがある場合は、その原因を探り、認識を擦り合わせる機会を持ちましょう。

育成計画は固定的なものではなく、状況に応じて柔軟に調整していくことが成功への鍵となります。

エンジニアの育成方法についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
エンジニアの教育法と成功のコツは?研修やOJTなどの具体的な手法を解説

エンジニアの社内育成はもちろんですが、採用についても並行して検討していきたい場合には、以下のページからダウンロードできる資料が役立つでしょう。ぜひご活用ください。

エンジニア採用、なぜうまくいかない?激化する市場で”求める人材を確保するコツ”を紹介。
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エンジニアの育成を成功させる6つのコツ

ここでは、エンジニアの育成を効果的に進めるためのコツをご紹介します。すぐに実践できる内容もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 長期的な視点で取り組む

エンジニアを育成する際には、長期的な視点で取り組むと良いでしょう。実践的なスキルの習得には相応の時間がかかるためです。

特に、即戦力としての活躍を急ぐあまり過度なプレッシャーを与えることは避けるべきです。過剰な期待は育成対象者の心理的な負担へとつながる可能性があり、離職のリスクを高める要因となります。

2. 相談しやすい環境をつくる

エンジニアを育成する際には、相談しやすい環境づくりに配慮することも大切です。技術的な疑問や困難に直面したとき、気軽に質問できる環境があるかどうかが成長速度に影響するからです。

教育担当者からの声がけや定期的な1on1ミーティングの実施、チャットツールでの質問専用チャンネルの設置など、コミュニケーションを促進する仕組みを整えましょう。

3. OJT研修を盛り込む

実践的なスキルを養うには、実際の業務に取り組みながらスキルを習得するOJT研修が有効です。実務を通じて学習するため、理論だけでなく、ツールの使い方や問題解決力といった現場で必要とされる具体的なスキルを直接身につけることができます。
たとえば、システムの不具合対応では、ログ解析やデバッグツールの使用方法、メンバーとのコミュニケーションといった教科書では学べない実践的な知識を習得できます。さらに、不具合の原因を特定するために、現象から仮説を立て、検証を繰り返すというプロセスを通じて、論理的思考力を鍛えられるのです。

OJT研修では、実務プロジェクトへの参加を通じて、段階的に責任範囲を拡大していく手法が効果的です。まずは基礎的な業務からスタートし、習熟度に応じて難易度を調整することで、モチベーションを維持しながら着実なスキル向上を実現できるでしょう。

4. 社内勉強会を実施する

定期的な社内勉強会の実施も、エンジニアの育成に効果的です。社内勉強会は、チーム全体の知識共有を促進する手段であり、育成対象者に限らずメンバー一人ひとりが有益な情報を得られる機会となるためです。

たとえば、プロジェクトや個人の学習で得た知見や失敗事例を共有する場として活用すれば、育成対象者を含めチーム全員が同じレベルの理解を得られます。学習成果を発表する機会を設けることで、モチベーションの維持につながる場合もあるでしょう。

また、外部講師を招き、専門的な技術を学ぶ機会を設けることで、さらなるスキルアップも期待できます。

ただし、業務時間内に実施する場合は、参加者の負担にならないよう適切な頻度と時間設定を心がけることが重要です。

5. 自主的に学ぶための支援を行う

エンジニアの育成においては、自主的な学習を支援する体制の構築も重要です。優れたエンジニアは常に学び続ける意欲を持っており、自主学習を促す環境を提供することで、成長を加速させる効果が期待できます。

エンジニアの学習意欲を高めるため、書籍購入や資格取得のための費用補助、オンライン講座の受講費用の負担など、具体的な支援策を導入しましょう。

6. スキルマップを活用する

エンジニアの育成には、スキルマップの活用が不可欠です。スキルマップとは、業務に必要なスキルを一覧で示し、各項目について習熟度を評価できる表のことです。エンジニアに習得してほしい技術とそのレベルを一覧化することで、強化すべき分野を明確化できます。

スキルマップは定期的に更新し、成長の度合いを可視化することで、エンジニア自身の成長実感にもつながります。

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人材不足で育成が進まない場合はフリーランスの活用を

社内での育成リソースが足りない場合、フリーランスエンジニアの活用を検討するのも一つの選択肢です。フリーランスエンジニアには、開発や保守・運用といった業務だけでなく、社員教育も依頼できます。育成に加え、社内エンジニアとのペアプログラミングや定期的な勉強会の実施など、知識共有についても相談してみましょう。

エンジニアの育成でフリーランスを活用するメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
【中小企業向け】フリーランスを活用するメリットや成功事例を紹介

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エンジニアの育成に関するよくある質問

ここでは、エンジニアの育成に関するよくある質問に回答します。

Q. エンジニアの育成で特に力をいれるべき内容は?

エンジニアの育成においては、以下のスキルを重点的に強化しましょう。

  • 論理的思考力
  • コミュニケーションスキル

論理的思考力は、問題解決やシステム設計などにおいて複雑な事象を整理し、最適な解決策を導き出すために必要です。また、エンジニアはチームで働くケースが多く、クライアントと折衝をすることもあります。コミュニケーションスキルが低いと、うまく意思疎通ができず業務が滞りやすくなるでしょう。

Q.人材開発支援助成金はエンジニアの育成に活用できる?

人材開発支援助成金は、エンジニアの育成も対象です。
人材開発支援助成金は、社員に対して職務関連の専門的な知識と技能を習得させるための職業訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。エンジニアの育成に関連する職業訓練もあります。

参考:
人材開発支援助成金|厚生労働省
デジタル分野などの社員教育に人材開発支援助成金をご活用ください|厚生労働省

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