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エンジニアの採用やプロジェクト予算の策定において、人月単価の把握は欠かせません。しかし、「相場が分からない」「適正な単価設定に悩む」という声も多く聞かれます。
この記事では、職種別・開発言語別の人月単価相場や、単価を最適化するための具体的な方法を詳しく解説します。エンジニアを活用する際のコスト感を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
「人月単価」とは、エンジニア1人が1か月間プロジェクトに従事する際にかかる費用のことです。
人月単価は、エンジニアのスキルや経験年数によって大きく変動します。たとえば、高度な技術を持つエンジニアや、プロジェクトマネジメントができる人材は、人月単価が高くなる傾向にあります。
なお、より詳細な見積もりが必要な場合には、「人日」という単位が使われることもあります。人日は、エンジニア1人が1日あたりにこなす作業量を指す言葉です。
ここでは人月単価の計算方法や、月給との違いについて解説するので参考にしてみてください。
人月単価を求める計算方法は、以下のとおりです。
| 1人あたりの人月単価が50万円で、3人のエンジニアを3か月間雇う場合 【人月の計算】3人×3か月=9人月 【総額の計算】50万円×9人月=450万円 |
ただし、これはあくまで単純計算の例です。実務では、個々のエンジニアのスキルレベルや、企業ごとの単価設定が異なるため、このように単純な計算にはならないことがほとんどです。
人月単価は、エンジニアに支払われる月給とは異なる概念です。それぞれの概要としては以下のとおりです。
つまり、人月単価にはエンジニアの給与(人件費)だけでなく、利益や経費なども含まれます。そのため、人月単価は月給よりも必然的に高額になります。たとえば、月給40万円のエンジニアの人月単価は、80万円程度になることもあります。
このように人月単価と月給は全く異なる概念なので、エンジニアの採用や外注を検討する際は、区別して理解することが重要です。
エンジニアの人月単価は市場動向にも左右されます。エンジニア採用の市場動向については、以下のページからダウンロードできる資料で詳細を確認してください。
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ここでは、フリーランスの人月単価の相場をレバテックのデータを参考に紹介します。
レバテックの2024年1月時点のデータによると、職種別の人月単価相場は以下のとおりです(週5日フルタイムで稼働した場合)。なお、単価はフリーランスのスキルや経験によっても変動します。
| 職種 | 人月単価相場 |
| ネットワークエンジニア | 65万円~75万円 |
| クラウドエンジニア | 80万円~90万円 |
| プロジェクトマネージャー(PM) | 85万円~95万円 |
| データサイエンティスト | 75万円~85万円 |
| コンサルタント | 90万円~100万円 |
この単価相場から、希少性が高い職種ほど単価が高くなる傾向が見えてきます。たとえば、プロジェクトマネージャーやコンサルタントは90万円前後と比較的高額です。
レバテックの2024年1月時点のデータによると、バックエンドエンジニアの開発言語別の人月単価相場は以下のとおりです(週5日フルタイムで稼働した場合)。なお、単価はフリーランスのスキルや経験によっても変動します。
| 言語 | 人月単価相場 |
| Java | 70万円~80万円 |
| PHP | 70万円~80万円 |
| C/C.NET | 65万円~75万円 |
| Python | 75万円~85万円 |
| Ruby | 75万円~85万円 |
| COBOL | 55万円~65万円 |
| Go | 80万円~90万円 |
| Swift/Android | 80万円~90万円 |
比較的新しい言語であるGoやSwift、そして機械学習でも使用されるPythonは単価が高めです。
SESを利用した場合の単価やシステム開発の外注費の相場を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【最新】SESの単価相場は?スキル別の相場やSES利用の流れを解説
人月単価は、いくつかの要素によって変動します。ここでは、人月単価に影響を与える主な要素について解説します。
人月単価を決める最も大きな要素は、エンジニアのスキルと経験年数です。経験豊富でスキルが高いエンジニアほど単価は高くなる傾向にあります。たとえば、要件定義や基本設計などの上流工程を担える業務知識や設計スキルを持ったエンジニアは、比較的単価が高いでしょう。
開発会社の規模によっても、人月単価の相場が変わります。一般的に、大手開発会社に依頼すると人月単価が高くなる傾向にあります。その理由は主に以下の3つです。
そのため、依頼する場合は予算や品質などを複数社で比較し、より最適な選択がないか検討しましょう。
地域による物価や賃金水準の違いも、人月単価に大きく影響を与える要素の1つです。たとえば、首都圏や大都市では物価が高く、エンジニアの給与水準も高いため、必然的に人月単価は高くなる傾向にあります。
一方、地方は首都圏と比べて物価が低いため、人月単価も比較的低い傾向です。さらに、オフショア開発でアジアの新興国のエンジニアに依頼する場合は、日本国内の1/3~1/2程度の単価で開発を進められる可能性があります。
オフショア開発の詳細については、後述の「ニアショア・オフショア開発の活用を検討する」を参考にしてください。
エンジニアの需給バランスや、特定の技術に対する市場ニーズによっても単価は変動します。人手不足が深刻な技術分野や、急速に需要が伸びている開発言語は、単価が上がりやすい傾向にあります。
たとえば、AI開発やクラウドインフラ、ブロックチェーンなど、最新技術を扱えるエンジニアの単価は比較的高めです。一方、従来型の技術については、市場価格が安定している傾向にあります。
システム開発のコストを適切に管理するため、人月単価の最適化は重要な課題です。ここでは、人月単価を最適化するための主な戦略を解説します。
中間コストを削減することで、人月単価を抑えられる可能性があります。
大手ベンダーを利用する場合、中間マージンや間接部門のコストが上乗せされていることが少なくありません。もちろん、大手ベンダーの間接部門は、品質保証や大規模プロジェクトの安定的な推進のために重要な役割を担っており、「無駄なコスト」とはいえないでしょう。
ただ、コスト効率を重視する場合やプロジェクト規模が比較的コンパクトな場合は、小規模なベンダーを活用することで中間コストを削減できる可能性があります。。小規模なベンダーは大手と比較して間接部門が少なく、同じスキルレベルのエンジニアであっても人月単価を抑えられるケースがあります。
人月単価を抑えるための選択肢として、ニアショア開発やオフショア開発の活用もあります。それぞれの概要やメリット・デメリットは以下のとおりです。

ニアショア開発は、地方の企業に業務を委託する手法です。国内企業との取引なのでコミュニケーションが円滑に進められる特徴があります。ただし、優秀な人材の確保には相応のコストがかかるため、大幅なコスト削減は期待できない場合もあります。
オフショア開発は海外の企業や現地法人に業務を委託する手法です。国内と比べて人件費が安い国を選ぶことで、大幅なコスト削減が期待できます。
オフショアの相場は地域によって大きく異なります。初級プログラマーの場合、日本では60~70万円、ベトナムでは30~40万円、インドでは50~60万円、フィリピンでは40~50万円程度が目安です。国によっては、国内の約半分のコストで同等の人材を確保できる可能性もあるでしょう。
ニアショア・オフショア開発の詳しい内容について知りたい方は、下記記事をご覧ください。
ニアショア開発とは?オフショア開発との違いやメリットやデメリットを解説
人月単価の相場を把握した上で、開発会社との価格交渉を行うのも有効な戦略です。ただし、市場動向やエンジニアのスキルレベルを十分に考慮し、適切な交渉を行うことが大切です。大幅な値下げ交渉は開発品質の低下につながる可能性があります。長期的な取引を前提とした win-win の関係を築くことを意識した交渉を心がけましょう。
以下の記事では、フリーランスエンジニアと単価交渉する場合の注意点を紹介しています。
フリーランスエンジニアと単価交渉するには?タイミングや気をつけたい点
フリーランスエンジニアの活用も、人月単価の最適化に効果的です。特に、プロジェクトの特定フェーズでのみ必要な人材は、フリーランスの活用が有効です。必要なタイミングで求めるスキルを持つフリーランスを確保できれば、開発の効率化とコスト最適化の両立が可能になります。
スピーディーな人材確保を実現する「フリーランス活用」とは?
フリーランス活用を進めるための具体的なステップを紹介!
⇒ベンダー・SIerの変革とフリーランス活用事例
ここでは人月単価に関するよくある質問に回答していきます。
人月単価とは、エンジニア1人が1か月間プロジェクトに従事する際にかかる費用のことです。単なる給与だけでなく、諸経費や会社の利益などを含んだ総額を指します。
レバテックフリーランスの保有データによると、ネットワークエンジニアの単価相場は65~75万円、PMは85~95万円程度となっています(2024年1月時点、週5日フルタイムで稼働した場合)。実際の単価は担当する業務内容やスキルレベル、経験年数によって大きく変動するため、あくまで一例として参考にしてみてください。
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