パーパスとカルチャーへの共感を重視。サイボウズが求める「自立×チームワーク」を体現するエンジニアとは

2022年8月9日

サイボウズ株式会社 開発本部 People Experience 副部長

大岡 純

楽天やYahooでエンジニアやエンジニアリングマネージャーを経験したのち、カルチャーをつくり、浸透させる人事の仕事に魅力を感じキャリアチェンジ。前職のヤフーで年間200人規模のキャリア採用のエンジニア採用をリード。2021年5月にリクルーターとしてサイボウズに入社し、2022年5月からはPeople Experienceの副部長を兼任。エンジニア採用を中心に、技術広報や技術カンファレンス、オンボーディングのサポートなど、従業員体験(People Experience)の向上を目指している。

エンジニアの採用担当者に選考のポイントや求める人物像について尋ね、現場のリアルな声を届ける「採用担当者の本音」シリーズ。第7回は、サイボウズ株式会社でエンジニアの中途採用に携わっているPeople Experienceの副部長・大岡純さんにお話を伺います。

サイボウズは「チームワークあふれる社会を創る」というパーパスのもと、業務改善プラットフォーム「kintone」やグループウェア「Garoon」などを開発・提供する企業です。働き方の多様性を尊重する同社が、今まさに求めているエンジニア像に迫ります。

予算策定も開発も異業種協業のチーム単位で遂行

Q1.サイボウズのエンジニア組織について教えてください。

サイボウズのエンジニアは開発本部と運用本部に分かれており、両方を合わせると300名のメンバーがプロダクトの開発・運用を担当しています。各本部はいくつものチームで成り立っており、開発本部で約40チームがあります。

チームにはエンジニアだけなくプロダクトマネージャーやテクニカルライターなども所属しています。各チームが独立した裁量権を持っていることが最大の特徴です。チーム単位で開発の進め方を自分達で考え、予算の策定や技術研鑽に割く時間など、日々の業務の進め方を決めています。

例えば、「午前中は技術研鑽の時間に充て、業務を始めるのは午後からにする」のようなルールで動くチームもあります。自発的な技術研鑽は会社としても大歓迎ですから、きちんと就業時間として認められます。

エンジニア組織は各製品にコミットしたチームと、ドメインに特化したエキスパートチームに分かれていて、マトリックス型の組織体制になっています。組織内はヒエラルキーが全くなく、非常にフラットです。

Q2.今求めているエンジニアはどんな方でしょうか?

kintoneに携わるエンジニアを求めています。サイボウズはここ数年ずっとkintoneに最も注力しており、ポジションとしてはWebエンジニア、海外版kintoneの開発に携わるAWS基盤のバックエンドエンジニア、そしてフロントエンドエンジニアです。

kintoneは私が入社した2021年の5月時点では、東証一部上場企業の5社に1社が導入している状況でした。そこから一年が経った現在は、東証プライム上場企業の3社に1社が導入しているところまで広がり、約500社が毎月新規で導入していただいている状況となります。そのためkintoneのWebエンジニアが最も求めているポジションになります。

また、株式会社リコー様と共同で進めている「リコーブランド版kintone(仮称)」の開発を通じて、リコー様の国内外の販売網と連携し、さらに多くの企業にkintoneの導入を広げていく予定です。そういった背景からも、中長期で継続してkintoneのWebエンジニアとして、即戦力になってくださる方を求めています。

参考:リコーとサイボウズ、デジタルサービス事業に関する業務提携に合意

Q3.応募するエンジニアはどんな方が多いですか?

サイボウズのサービスは民間企業から官公庁まで、規模や業界を問わず幅広く利用されているため、社会のインフラを支える仕事にやりがいを感じて応募してくださる方が多いですね。

さらに、kintoneを中心としたSaaSプロダクトは開発サイクルも早く、常にユーザーの声を吸い上げて、PDCAを回しながら開発するため、前職でtoCプロダクトに携わっていたエンジニアも多く在籍しています。

とくに最近ですと、コロナ禍において仕事に対する意識や考え方が変化するなかで、当社の自由度の高い働き方を知り、理想のワークライフバランスを実現するために入社を希望される方も増え、ありがたく思っています。

主体的に行動し、未来を見据えて学べるか

Q4. 採用はどのように行われていますか? そのプロセスを教えてください。

書類選考を経て、基本的に3回の面接を実施します。書類選考は入社した場合に配属されるチームが行い、1次面接も配属予定のチームが担当し、ここでチームとのカルチャーフィットを確認します。2次面接ではエンジニア部門の人材マネージャーとシアエンジニア、最終面接では開発本部の本部長とお話しいただき、最終的な合否を判断していく流れです。

ちなみに、人材マネージャーとは2022年5月に設置された新しい役職で、選考基準の精査や人材の育成、評価を担当する立場です。エンジニアやプロダクトマネージャーなど、業務内容によって異なるスキルを正しく評価するために、担当する部門の経験者から選出されます。実際の給与評価も人材マネージャーと相談しながら決めていきます

Q5.スキルチェックはどのように行われていますか?

現状は書類選考と面接でスキルを確認しております。コーディング試験や筆記試験は取り入れていません。これらのテストは再現性のあるスキルチェックができる一方で、結果の正誤だけで合否判断をしてしまうと、優秀な人を見極められないリスクもあるためです。しっかり解題の過程も確認し、より全面的に判断できるように体制を整えてから、ポジションによっては、近いうちの導入を検討しています。

Q6.サイボウズが採用の際に高く評価するエンジニアの条件はなんでしょうか?

個人個人の裁量が大きく、自分自身で働き方も含めて宣言し、決める環境だからこそ、自分の軸を持って主体的に動ける方を高く評価しています。具体的には、「自分の技術でユーザー価値を最大化させるために何をすべきか」を考え、未来を見据えた学びができているかどうかです。近視眼的に新しい技術に飛びつくのではなく、その技術が本当にユーザーのためになるのかを深く思考できる方と働きたいですね。

そのうえでサイボウズのパーパスに共感し、チームメンバーと連携して業務を遂行できるエンジニアであれば、サイボウズの環境を最大限に活用し、活躍していただけるのではないかと考えています。

Q7.「いいエンジニア」をどうやって面接で見極めていますか?

面接の中で、これまでのエンジニア経験の中で工夫してきたことや、課題を解決するために深く探究した経験があるかを尋ねています。例えば、開発が滞った際に、苦境打開のために違う技術を提案したり、新たなライブラリの導入を推進したりしたことはあるか。既存の枠にとらわれずに、より良い開発環境の構築に向けてどのように動いてきたかを聞いています。

また、個人として・チームとしてできることを増やすために、積極的に技術や知識を学んでいるかどうかも確認しています。仕事中のエピソードだけでなく、個人の活動で開発したコードをGitHubで公開したり、積極的にOSS貢献をしたりするなど、スキルアップを目的とした主体的な行動をされている方は高く評価いたします。

面接を通して技術的なスキル以上に、サイボウズのパーパスやカルチャーに共感しているか、サイボウズでその人らしく働けるかを一番重視しています。

自由度の高い環境で、社会貢献度の高い開発ができる

Q8.オンボーディングはどういうふうに行われていますか?

エンジニアチームのオンボーディングは3段階に分かれています。第1段階では、サイボウズのパーパスやカルチャーへの理解を深めるための全社研修や、PCセットアップなどの設定作業を2日ほど実施します。第2段階では、これまで社内・社外で開催した技術イベントや、エンジニア組織のキックオフなどの重要なミーティングのアーカイブコンテンツを共有し、会社への理解を深めていただきます。

また、1〜2ヶ月ほどかけて配属される部署の社員たちと1on1を組んでいきます。ここで会う人数は、だいたい20〜40名ほどです。リモートワークが主流の今、新しくジョインしたメンバーから声をかけたり、相談したりするのはかなりハードルが高いものです。このハードルを下げるには、「一度でも話したことがある」メンバーを増やすことが一番ですので、このような機会を設けています。

こうして会社理解と心理的安全性を高めた上で、第3段階として所属するチームでのオンボーディングになります。チームメンバーによるOJTなどを行いながら、少しずつ実務に移っていきます。

Q9.エンジニアの方に「なぜサイボウズに来るべきか」を訴求する決め手はどこですか?

どのように働きたいかを自分で決められて、共に学びあえるところですね。働き方も、働く場所も自由ですし、申請すれば就業時間中に会社の端末や業務時間のリソースを使って副業をしてもOKです。副業の内容に関しても比較的自由で、チームでの合意がとれるのであれば、大きな制約事項はありません。

私自身もサイボウズには週3日勤務で、副業で他社のエンジニア採用のお手伝いをするなど、自分らしい働き方を実現しています。

もちろん、自分で決めて自立するだけでなく、チームワークを意識することも重要です。サイボウズの考えるチームワークとは、チームのメンバーが共通の理想に向かって役割分担しながら協働し、チームの生産性と働く人の幸福度が高い状態にあること。それを叶えるためには、チーム内での情報共有が欠かせません。自分で決めた働き方や、チーム独自のルールや考え方を積極的に周りに共有することで、チームワークあふれる体制をつくっています。

そんなサイボウズには、自分のキャリアを自分で設計していける良さもあります。前述の通り、サイボウズのエンジニアチームはプロダクトにコミットするチームと技術特化するエキスパートチームに分かれていて、エンジニアは自分の特性やビジョンに合わせて選ぶことができます。進む方向に悩んだ場合は、「大人の体験入部」という社内制度を利用すれば、他チームの業務も体験できます。

柔軟度の高い働き方の中で高い主体性を発揮できる方や、社会貢献度が高いプロダクトの開発にやりがいを感じられる方であれば、きっとサイボウズで活躍していただけると考えています。

Q10.サイボウズを希望するエンジニアに、いまからしてほしい準備はなんですか?

サイボウズでは日頃からさまざまな情報をオープンにしています。パーパスやカルチャーはもちろんのこと、プロダクトに関する情報も公開されていますので、面接に臨まれる前にしっかりとキャッチアップしていただければと思います。

また、面接では、「応募者の方がサイボウズで、その人らしく楽しく働けるかどうか」も確認しています。サイボウズでどうやって働きたいか、どんな仕事がしたいかを言語化し、明確に伝えていただくことで、入社後のギャップも少なくなるはずです。無理に飾った内容ではなく、ご自身が本当に大切にしていることや、ユーザーに届けたい価値を率直に伝えていただければと思います。

執筆:成澤綾子
撮影:若子jet

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