サイバーエージェントが求める、企業の高速成長を後押しする「個」の強みを持つエンジニアとは

2022年8月8日

メディア事業部 エンジニア中途採用担当

木下 莉那

2017年に人事としてサイバーエージェントへ中途入社。入社当初は「ABEMA」のビジネス職中途採用を担当。2018年からはメディア管轄のエンジニア職中途採用や、新卒の育成に従事。

AI事業本部 エンジニア中途採用担当

定近 美玖

2018年にサイバーエージェントへ中途入社。AI事業本部にて、技術職・ビジネス職のリクルーターに就任。またHRビジネスパートナーとして研修企画から実行までの育成、組織活性化施策に幅広く携わっている。

エンジニアの採用担当者に選考のポイントや求める人物像について尋ね、現場のリアルな声を届ける「採用担当者の本音」シリーズ。第6回は、株式会社サイバーエージェントでエンジニアの中途採用を担当する、メディア事業部の木下莉那さんとAI事業本部の定近美玖さんに登場していただきます。

2022年11月には「FIFA ワールドカップ カタール 2022」の予選を含む全64試合の無料生中継が決まっている新しい未来のテレビ「ABEMA(アベマ)」をはじめ、さまざまなメディアサービスを展開するサイバーエージェント。さらに近年は、AIやCG技術を活用したデジタル広告事業の開発強化や、小売・行政・医療領域のDX推進事業などにも注力しています。メディア事業に加え、インターネット広告事業、ゲーム事業を3本柱に掲げる同社では、どんなエンジニアが活躍できるのでしょうか。

技術の力で組織をスケールアップさせる

Q1. サイバーエージェントのエンジニア組織について教えてください。

木下:サイバーエージェントは100社以上の子会社を抱えており、1つの会社というより、「ベンチャー企業の集合体」といったほうがイメージがつきやすいかもしれません。 今の規模感でもフル内製でプロダクトづくりを行っているので、グループ全体でいうと約1,000人の正社員エンジニアが在籍しています。

サイバーエージェントの事業を支える3本柱は、メディア事業・インターネット広告事業・ゲーム事業で、中途採用は事業部単位で行っています。私が担当しているメディア事業部は、新しい未来のテレビ「ABEMA」や「Ameba」をはじめ、toCを中心に20ほどのサービスを手がけており、事業部全体で約400名のエンジニアが在籍しています。最も規模が大きい「ABEMA」の開発組織には、約100名のエンジニアがコミットしています。ただ、日常の仕事はサービス全体で動くより、施策ごとに10名前後の小規模なチームを組んでPDCAを回しています。

定近:AI事業本部は、AIを用いたデジタルマーケティング分野のサービス開発を行う組織で、人員の半数にあたる約250名が技術者です。組織構成としては、プロダクト開発をする「AI tech studio」とAI活用を支援するデータサイエンス組織「Data Science Center」、AI技術の研究・開発組織の「AI Lab」がシームレスに連携できる体制をとっています。AI・DXに関連する約30近くの自社プロダクトを開発しており、メディア事業部同様、プロダクトやPJTごとに少数精鋭体制なのも特徴です。

Q2. サイバーエージェントにいるエンジニアはどんな人が多いですか?

木下:技術に対して好奇心旺盛な人が多いですね。しかも単に技術が好きというだけでなく、その技術をサービスの成長にどう活かせるかまで考えられています。

サイバーエージェントではエンジニアの裁量は非常に大きいです。普段から技術選定や仕様策定に深く関わるため、技術への強い探究心はサービスの成長に直接つながりますね。

定近:「個の強み」を持ったメンバーが多く活躍していると思います。技術的にギークな人もいれば、チーム間の調整やコミュニケーションに優れた人もいる。それぞれの個がシナジーを生んで、当社の技術力の強みになっています。

実際に中途採用で入社をされている方々のバックグラウンドは様々で、業界はWeb系だけでなくメーカーやSIなど異業界から入社されている人もいます。また会社規模もベンチャー企業から大手企業までと幅広く、それぞれの経験と強みが掛け合わさっていると思います。

また、AI事業本部にいるメンバーの特徴としては、社会実装を見据えた最先端技術の研究開発に取り組んでいるため、技術を社会へ還元することを強く意識している人も多いと感じます。

Q3. 今求めているエンジニアはどんな方でしょうか?

定近:現在サイバーエージェントは技術者の採用を強化しています。グループ全体で数百名規模のエンジニア採用プロジェクトが進められていて、様々な職種・プロジェクトで仲間を求めています。当社は、これまでよりさらに各事業の成長を加速させていくフェーズです。スケールアップを後押しするために、ほぼ全事業において技術者の力が必要になります。

木下:メディア事業部では、サーバーサイド、ネイティブアプリ、フロントエンド、データ系などあらゆるジャンルのエンジニアを広く募集しています。

定近:AI事業本部でも同様にAndroid・iOSエンジニアやフロントエンドエンジニア、サーバサイドエンジニア、機械学習エンジニア、データサイエンティストに加え、研究開発組織「AI Lab」に所属する研究職まで、幅広く募集しています。

向上心・技術探究心を重要視

Q4. 採用はどういうふうに行われていますか?そのプロセスを教えてください。

木下:メディア事業部では、カジュアル面談、スキル面接、人事面接、役員面接の4ステップに分けています。スキル面接をエンジニア4名、人事面接と役員面接をそれぞれ人事と役員が担当し、全員がOKを出せば内定です。早い方なら3週間程度で選考プロセスが終わりますね。

定近:AI事業本部もほぼ同じプロセスで進めています。カジュアル面談を経て、1次は現場のエンジニア社員によるスキル面接、2次は人事と技術責任者の面接、3次が最終の役員面接ですね。

木下:最近は、社外のエンジニアを対象に、プロダクト開発に使用する言語を無料で教える技術アカデミーを不定期で開催しており、成績優秀者には選考過程をスキップし最終面接を受けることができる「最終選考PASS」を付与しています。アカデミー経由で採用することも増えてきて、定員20名のところ、いつも定員を超える応募をいただいています。
参考:サイバーエージェントがエンジニア向けの「Flutter Academy」を開催

Q5:エンジニアのスキルチェックはどのように行われていますか

木下:メディア事業部ではコーディングテストは実施せず、スキル面接の場で技術レベルを確認しています。

具体的には、過去の開発経験やそのときのチーム構成、開発中に起きた問題にどのように対処したかなどを伺います。経歴や扱える言語そのものより、技術を使ってどう動いたかという、いわばエンジニアとしてのセンスを見ています。

定近:AI事業本部も同様で、スキル面接で確認しています。もちろん「Gitを使える」など最低限の技術基準はあるものの、技術面に足りない部分があっても、エンジニアとしてのポテンシャルを評価して採用につながるケースも少なくありません。技術そのものより、技術に対する好奇心や向学心のほうを大事にしています。 

Q6:では、高く評価するエンジニアの条件はなんでしょうか?

定近:AI事業本部では、大きく3つのポイントで評価しています1つ目は「個」をしっかり持っているかどうか。自分の強みを理解して、それをチームにおいて上手く活かして成果を出している人を高く評価しています。 2つ目は、やりたいことや将来像がある人。面接では候補者のやりたいことや将来像がサイバーエージェントで叶えられるかどうかも選考ポイントとして大切にしています。

そして3つ目は、自発的に動ける人。エンジニアの裁量が大きい分、「これがやりたい!」という明確な意思があったほうが、自在に活躍ができると思います。

木下:サイバーエージェントは社員の皆さんが自由に働けることを大事にしているカルチャーです。やりたいことが明確な人、自分の軸がある人は、入社してからも主体的に動ける。そういう方のほうが、当社のカルチャーとのマッチ度は高いと思います。 

またメディア事業部の場合、「ABEMA」のような大きなユーザー基盤を抱えているプロダクトを扱っているため、大規模データを扱った経験やtoCサービスの開発経験はプラス評価になります。

定近:あとは、事業成長に伴いエンジニア組織もこれからどんどん大きくなっていくことを考えると、マネジメント経験や人材育成の経験がある方はプラスの評価になりますね。

Q7. 「いいエンジニア」をどうやって面接で見極めていますか?面接で必ずする質問はありますか?

木下:先ほどもお伝えしたように「自分の軸があるか」を重視しているので、それを見極めるために、やりたいことや描いている将来像は必ず面接で伺います。

定近:例えばレジュメに技術選定のご経験があると書いてあるとして、なぜ技術選定を任されたのか、その技術を選んだ背景は何なのかなど、必ずエピソードを深掘りして聞きます。会社とプロジェクトの目的を理解し、自分の強みを活かせるようなポジションを常に意識して取り組んでいるかどうかは大事です。しっかり自分の軸を持っている方だったら、どこのチームでも活躍できると思います。

もちろん意思決定に関わった経験がなくても、「上司に言われたからやった」のではなく、チームが意思決定に至った目的や背景を自分の言葉でちゃんと説明ができるという点が大切だと考えています。

Q8. 採用プロセスのなかで気をつけているポイントは何ですか?

木下:メディア事業部はプロダクトの数も多く、組織の規模も大きいので、応募者の適性を判断し、希望とマッチする配属先がどこかは熟考します。1つの領域に拘らず幅広くやりたいのか、専門の領域を極めたいのか、それ以外にもどんな人・どんな組織、どのくらいの規模感で働きたいかなど、決めていく中で複数人のエンジニアに会っていただいたりもします。

定近:個人的に大事にしている採用のスタンスが2つあります。1つは、人事の肩書きを捨てること。チームの一員として現場の状況を理解し、最適な人材を採用することを心がけています。

もう1つは、応募者の幸せを常に考えること。本人がやりたいことが当社で実現できるかはとても大切で、それがマッチするとお互い幸せになると思います。それを正しく判断するためにも、現場の近くにいることは大事だと考え意識しています。

変化する組織で社会にインパクトを与える

Q9. オンボーディングではどんなことをしていますか?

定近:AI事業本部では体系的なオンボーディングを用意しています。現場に配属され、最初の半年のオンボーディングを通して、配属先のポジションは本人の適性にマッチしているかを確認し、人間関係の構築、期待値に合わせたミッションの設定、自己評価と他己評価のすり合わせを進めるようにしています。定期的な面談やミーティングを行い、チームでのウェルカムランチも不定期に実施しています。さらに、社内には所属部署以外の先輩社員がつくメンター制度「ナナメン」もあり、何でも相談しやすい環境です。
参考:内定者時代から「斜め上」の繋がりを作る「ナナメン」制度

木下:メディア事業部もすぐに現場に入っていただきますが、トレーナーがつき、自走できるようになるまでサポートします。サポート期間は人それぞれですが、ある程度経験を積んできた方なら3ヵ月前後、ポテンシャル採用の方なら1年前後しっかりサポートする場合もありますね。それに加え、人事や事業責任者、評価責任者との1on1もこまめに実施しています。

Q10. エンジニアの方に「サイバーエージェントに来るべき」とおすすめする理由は?

定近:サイバーエージェントは新規事業に繰り返し挑戦をしています。いい意味でまだ発展途上な部分が多く、これからさらに組織作りに注力しながら事業を伸ばしていくフェーズにいます事業やサービスを一緒に考え、しっかりユーザーに使われるものをつくっていきながら、組織づくりもしていけるので、事業の急拡大フェーズを楽しみたい人には非常に良いタイミングだと思います。

さらにAI事業本部は、小売や金融、航空など多様な業種のDX事業にも力をいれており、行政や医療など社会課題解決のために行っている取り組みも多いので、「技術の力で世の中をより良くしていきたい!」という思いを持つ方にもぜひ来ていただきたいです。

木下:メディア事業部では、ABEMAやAmebaをはじめ、膨大なユーザー数を抱えるサービスを多く抱えています。大規模な開発を経験できますし、社会インパクトの大きいサービスに携われるのも醍醐味だと思います。 

一方で、ベンチャー企業の集合体のような会社なので、想像以上にカオスなところもあり、それもまた面白いのではないかと。どのプロダクトも少数精鋭のチームで、ビジネス担当者との距離が近く、ビジネスの視点から技術を考えていくスキルも身につきます。求められるレベルは高いので、いろいろな挑戦ができると思いますよ。

Q11. サイバーエージェントを希望するエンジニアに、今からしてほしい準備は何ですか。

定近:ぜひ当社が手がける広告ビジネスの技術を意識してみていただければ幸いです。面接の際には、例えば「インターネット広告のレコメンド機能はもっとこうやって改善できると思う」と提案するくらいの気持ちで来ていただけたらとても嬉しいです。第三者目線の意見は我々にとっても非常に貴重ですし、面接の時間を有意義にディスカッションに使えると思います。

木下:メディア事業部なら、実際にサービスを使っていただき、「ABEMAにこういう機能があったらもっと便利になる」と言えるくらいまで準備してもらえたら嬉しいですね。

個人としては、ぜひエンジニアの皆さんになぜサイバーエージェントにくるのか、自分のキャリアの軸を定めていただきたいです。自分の将来の姿、やりたいことを改めて考えてみて、それが当社で叶えられそうだと思ったら、ぜひご応募いただきたいです。

取材・執筆:古屋江美子

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