【採用担当者の本音】DMMの新任VPoE大久保氏が語る、業界No.1を目指す事業に必要な「自分を変えられるエンジニア」とは

2021年12月15日

合同会社DMM.com VPoE

大久保 寛

新卒でSIerに6年勤務。その後、2005年に株式会社カカクコムへ入社し、約12年の在籍期間でエンジニアとして同社が運営するサービスをほぼ経験、事業責任者や子会社CTOを歴任。その後、メディア系ベンチャーにてCTOとCFOを兼務。2019年より合同会社DMM.comに参画。

エンジニアの採用担当者に選考のポイントや求める人物像について尋ね、現場のリアルな声を届ける「採用担当者の本音」シリーズ。第1回目は、合同会社DMM.comのVPoE、大久保寛さんに登場していただきます。

「領域とわず、なんでもやる」の言葉どおり、多岐にわたって事業を展開するDMM。ゲーム、動画配信、電子書籍、英会話、FXといった馴染みのあるサービスのほか、最近では水族館事業に参入するなど、ますますその幅を広げている。

そんなDMMが求めるエンジニアとは、一体どのような人なのか。2021年3月よりVPoEを務める大久保さんに聞いた。

事業をスケールさせる技術を考え続ける

Q1. 大久保さんの現在のミッションは何でしょうか?

「技術的ではない課題」を全部解決することです。エンジニア部門の「何でも屋」ですね。松本(勇気氏)がCTOを退任したタイミングでCTOとVPoEに役割を分けたので、技術的な課題解決はCTOにお任せしています。

僕自身、過去にCTOの経験がありますが、どうしてもCTOという肩書きが邪魔になるタイミングがあったんです。人と一緒にものづくりをする以上は、組織での戦い方を考える必要がある。もっと人にフォーカスする必要があると思っていました。

そんなときに「VPoEをやらないか」と声を掛けてもらい、2019年にDMMへ転職しています。

Q2. 今求めているエンジニアはどんな方でしょうか?

全てのポジションで募集していますね。ただ、強いていうなら、EC&デジタルコンテンツ事業本部のメンバーがメインで関わっている新規プロジェクトのエンジニアでしょうか。職種としては、フロントエンドとサーバーサイドのアプリケーション側の方が、インフラエンジニアよりややニーズが高めです。

なお、中途採用の選考は、基本的には事業本部で完結しています。僕は最初のカジュアル面談でお話させてもらうことが多いですね。

DMMって正直何をしている会社なのか、よくわからないじゃないですか(笑)。思いのほか事業領域が手広くて。募集中のポジションは事業部と職種の掛け合わせで70以上あって、選ぶのもひと苦労だと思います。僕自身も入社前はよくわからなかったので、カジュアル面談では幅広い事業の中から相手にマッチしそうな事業部を勧める役割を担っています。

Q3. DMMに応募するエンジニアはどんな人が多いですか?

事業の面白さに惹かれる人もいれば、扱えるトラフィックの大きさを気にするインフラエンジニアを中心に規模感を魅力に感じる方もいて、さまざまですね。

以前からSIerに勤めていた方が「受託ではなく自社サービスを経験したい」と当社を志望することが多かったのですが、最近それに近いパターンがセキュリティ関連のエンジニアにも起きている印象です。事業会社でセキュリティの仕事をやってみたいエンジニアが増えている感覚がありますね。

ただ、SIerやセキュリティベンダーにいらっしゃる方は、事業会社に夢を持っているようにも感じていて。楽しさはもちろんありますけど、つらいことも当然ある。採用に携わっていると、そのギャップは時々気になります。

Q4. DMMが高く評価するエンジニアの条件は何でしょうか?

大前提として、事業への貢献意識がある方です。事業会社ですから、売り上げを伸ばすことは至上命題です。

その中で重要なのは「事業を拡大するにはどういう技術が必要なのか」を考えること。それから、柔軟に変化し、新しいことに対応し続けられる力。言語やフレームワークは3〜5年周期で変わっていきますし、業界トレンドも目まぐるしく変わる。新しいものに対応し続け、吸収し、自分のものにできるかどうか。そういった力を最も重視しています。

ですから、面接の場で技術面だけをアピールしていただいても、通過はしないでしょうね。もちろん、DMMには技術が大好きなエンジニアがたくさんいますけど、技術だけを極めて事業貢献を考慮できなかったら片手落ちになってしまうと考える方も多いと思います。

これからサービスを拡大できるエンジニアになりたいという方も歓迎です。例えばこれまでSIerで働いてきた方がいきなり事業会社でビジネスへの貢献を考えるのは、どうしても難しいですよね。「言われた通りにつくればいいという仕事のスタンスに違和感を持って、DMMで働きたいと思った」みたいな方は魅力的だなと思います。

「変われる人」が多様な解決策を導き出せる

Q5. エンジニアのスキルチェックはどういうふうに行われていますか?

基本的には面接官に任せていて、面接の中での口頭のやりとりで確認しています。

過去にはコードチェックやコーディングテストを取り入れたこともありますが、選考がどうしても長くなってしまう。スピード感を優先して、今は職務経歴書に「Git」などのURLが貼ってあれば見ています。

Q6. 面接で必ずする質問はありますか?

40代以上の方には、「僕はキャリアに困っているのですが、あなたはどうですか?」と必ず聞いています。国内のインターネット企業が最初に設立されたのは、だいたい1998年前後。そのときの若手エンジニアは、今僕とほぼ同年代です。皆さん一定のマネジメント経験はあるものの、先のキャリアパスがわかっていないことが多いんです。そういう話をすると「実は僕も悩んでいます」とおっしゃる方は多いですね。なので、そこから一緒に考えていたりもしています。

一方で20〜30代のエンジニアには、「どういうキャリアを歩んでいきたいか」を必ず聞いています。その際に重視して見ているのは、そのキャリアを実現するために今何をしているか。

実際イメージどおりにキャリアを歩めるほうが稀です。ただ、きちんとゴールを決め、今の自分との差分を理解し分析した結果として、自分に足りない能力を身に付けるための行動に着手できているかが重要です。

「こうなりたいから、そのために今こういうことをしている」が言えれば、僕個人としては大体合格ですよ。今やっていることがゴールとずれていたら軌道修正すればいいだけですから。

Q7. 採用プロセスの中で気をつけているポイントは何ですか?

面接官になったばかりの社員には、よほどのことがないかぎりとりあえず一旦通過させるように伝えています。そのうえでどういう人が欲しいのか、現場と僕とで目線合わせをしていくと、なんとなく選考基準ができてくる。その後は各面接官の判断に任せていますね。

あとは、僕のなんとなく怖そうな見た目が相手を緊張させてしまうみたいで……。新卒採用では、ヒゲがあるときとないときで学生の反応が全然違うんですよ。ちょっと見直さなきゃいけないかなと思っているところです(笑)。

Q8. 面接で「いいエンジニア」をどう見極めていますか?

大切にしているのは「変われるか」です。自分を変えられる人は、より早く技術の限界を見極められます。「技術で解決できるのはここまでで、この先はビジネス自体を改善しなくてはいけない」と、技術とビジネスの視点のバランスを変え、多様な角度から解決手段を考えられる人がいいですね。

とはいえ、年齢を加味して判断する部分もあります。新しいことに対して、一般的には若い人のほうが関心が強いもの。一定の年齢を越えれば自然と事業にも興味が湧いていくはずです。若い人にいたずらに「技術的好奇心よりもビジネス拡大が重要だ」と言っても、ピントこない人も多いと思います。そういう意味では、若い人は技術的好奇心が強くてかまわない。

なお、「変われる人か」どうかの判断は、過去の経験を確認して考えます。複数社の経験がある方であれば、言語やフレームワークが変わったり、web開発からアプリ開発に転向したりといった変化は何かしらあるもの。そういった過去の変化のタイミングで「どう思い、どう対応したのか」という、思考の部分を確認させてもらうことが多いです。

また、技術選定に直接携わっていなくても、「なぜその技術に変えたのか」「新しい技術を実際に使ってみてどうだったのか」といった質問をぶつけてみて、当事者意識を見ることもありますね。

DMMだからできる仕事の広さと深さ

Q9. オンボーディングではどういうことをしていますか?

コロナ禍でほとんどのエンジニアがリモートに切り替わったこともあり、今はこれまで以上にオンボーディングに力を入れようと、各事業部で良いやり方を模索しているところです。

入社後に携わる業務自体は事業部によってさまざまですが、横の連携が希薄になってしまうのは共通の課題。それに対する取り組みとして、事業本部の部長が各部門やチームに向けて、新入社員を紹介したり、取り組みを共有したりといったことは毎月やっています。

コロナ収束後の働き方は、まさに現在検討中です。エンジニアは出社せずとも仕事ができるとわかった一方で、直接会って話す重要性も再認識しました。リモートの普及によって働き方の可能性は広がりましたが、それと同時に社員の会社への帰属意識はどうしても薄くなってしまったように感じています。他社の採用担当者からは、転職してきた中途社員から「会社が変わっただけで、やっていることは変わらない」という声があがっていると耳にしました。

サービスや環境は違うにしても、コードを改修して、新しいものをつくり、プルリクを出してデプロイをする工程自体は同じ。だからこそ「なぜDMMで働くのか」をより強く見せていかなければいけないと思っています。

Q10.エンジニアの方に「DMMに来るべき」とおすすめする理由は?

DMMには多数の事業があって、ゼロから立ち上げようとしているサービスもあれば、10から100、1000を目指しているサービスもある。あらゆるフェーズを経験できる環境があるのは、大きな魅力だと思います。

基本的に、インターネットの世界は先行有利なところがあって、トップ5の下位からトップまで追い上げるのはなかなか難しいことです。でも、これまで幅広い業界で数多くの事業を運営してきたDMMなら、その追い上げの体験を用意する土壌があるんです。実際に4〜5位からブーストして、今まさに業界トップを目指そうとしている事業が複数あります。

これは過去の話ですが、カカクコムで運営している『食べログ』も、入社当時は全然知られていないサービスでした。でも、気づけばみんなが使うサービスになっていて。そういう後方からまくり上げる過程は、純粋に楽しいですよ。

0を1にする経験ももちろん素晴らしいですが、まだ勝ちきれていないサービスをみんなで勝たせようとする経験も同じく貴重なんです。DMMではその熱量を体験できると思います。

必ずしも希望のサービスに携われるわけではないですが、DMMは手を上げた人に任せるカルチャーのある会社です。規模はそれなりに大きいですが、ベンチャー感はある。やりたいことがある人にとって、チャンスの多い環境だと思いますね。

また、各事業部に散らばっているエンジニアが、フロントエンド、サーバーサイドなどの職種別に集まって勉強会を開き、知見を共有する機会は結構設けていると思います。今後はよりエンジニア間の横のつながりを強めて、同じゴールに向けて活発にコミュニケーションしていく予定です。

Q11.DMMを希望するエンジニアに、今からしてほしい準備は何ですか?

「何をしているかよく分からない会社」とみずから申し上げておきながら恐縮ですが、コーポレートサイトやテックブログ(「DMM Inside Technology」)などでは積極的に情報発信しているので、見ておいていただきたいですね。

ざっと目を通してもらえると「こういう感じの人がいるんだ」というのがある程度わかると思います。特に当社のTech Valueである「Agility、Attractive、Scientific、Motivative(敏捷的、魅力的、科学的、意欲的)」はエンジニアの選考基準にもなっているので、ぜひチェックしてみてください。実際、選考時もこのTech Valueに照らし合わせて、面接官同士で会話していますし、テックチームでもこの言葉が飛び交っています。

あとは、人に興味を持ってもらえるといいなと思います。「評価してほしい」という人は多いですが、そのまえにまず自分から相手に興味を持って、いろいろな質問をすることからはじめてほしい。そうすれば、相手もあなたに興味を持つものです。

お互いの関係性ができていけば、普段一緒に仕事をしない人とも、何かあったときに、頼り、頼られの関係ができるはず。最近は些細な言動から行き違いが生じたりすることもあります。そういうときに「何かあったのかな」という方向に想像力を膨らませるような思考は鍛えていただけるといいなと思います。

取材・執筆:天野夏海
撮影:若子jet

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