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最終更新日:2024年11月8日

従業員一人当たりの人件費はいくら?

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従業員一人当たりにかかる人件費は、基本給だけでなく、賞与や各種手当、社会保険料などを含めて考える必要があります。新たに従業員を雇う場合は、初期費用として採用費や教育費なども必要です。人件費を削減したい、会社の人件費が適切かどうか知りたいときは、従業員にかかる費用を多角的に検討する必要があるでしょう。

本記事では、人件費の内訳や労働分配率・人件費率の計算方法、人件費を削減するヒントをご紹介しています。人件費を適正化を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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人件費の内訳

人件費とは従業員を雇用するために必要な費用のことですが、大きく分けて「初期費用」と「維持費用」に分けられます。「初期費用」と「維持費用」の意味と具体例は以下のとおりです。

初期費用

人件費における初期費用とは、人材の採用から業務を行えるようにするまでのイニシャルコストのこと。人材募集を行う際の求人サイト掲載費、採用した従業員が使用するデスクやパソコン、制服などにかかる準備費、研修を行うための場所や講師、資料といった教育費などが初期費用に当たります。

維持費用

維持費用は、従業員の雇用を継続するために必要なランニングコストのことです。維持費用には、毎月の基本給をはじめ、残業手当や職務手当といった各種手当、交通費や住居手当といった福利厚生費、健康保険や雇用保険といった社会保険料などが含まれます。

正社員一人当たりにかかる年間の人件費

従業員一人当たりの人件費は、基本給だけでなく社会保険料や退職金の積立金といったさまざまな要素を考慮しなければなりません。正社員を例に挙げると、従業員一人当たりにかかる年間の人件費は、以下のような項目を含めたものになります。

  • 基本給×12ヶ月分
  • ・賞与
  • ・健康保険料
  • ・厚生年金保険料
  • ・雇用保険料
  • ・労災保険料
  • ・残業代
  • ・交通費
  • ・退職金の積立金
  • ・各種手当
  • ・業務に必要な備品代

月収20万円の正社員で賞与が年2回(1回の賞与は月収の2ヶ月分)とすると、年間の総支給額は320万円です。社会保険料の支払いがある場合は、さらに30~40万円程度かかることが予想されます。賞与や退職金制度の有無によって、必要な人件費は会社毎に異なるため、実際の会社の制度と照らし合わせて人件費を計算する必要があるでしょう。

関連記事 : 人件費率の適正は?計算方法や改善策もわかりやすく解説

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適切な人件費かどうかを判断する方法

会社の人件費が適切かどうかを判断する際は、「労働分配率」と「人件費率」を参考にすると良いでしょう。ここでは、それぞれの意味や計算方法をご紹介するので、人件費の見直しを検討している人事担当者の方はぜひご覧ください。

人件費比率

人件費率とは、売上に対する人件費の割合のことです。人件費率は、以下の計算方法で求められます。

人件費率=人件費÷売上×100

人件費率が高いほど、会社の人件費負担が大きいことを示しています。人件費率が高すぎると会社の経営を圧迫していると判断でき、人件費の見直しを検討する必要があるでしょう。

人件費を見直す際は、単純に人件費率を下げれば良いというものではありません。従業員の解雇や減給といった無理な人件費の削減は、労働環境の悪化やモチベーションの低下につながる恐れもあるため、慎重な判断が必要です。

労働分配率

労働分配率とは、一般的に粗利(売上総利益)※に対する人件費の割合のことです。労働分配率は、以下の計算方法で求められます。

労働分配率=人件費÷粗利×100

経済産業省が2019年に実施した調査によると、2018年の国内の労働分配率は48.7%。業種別に見ると、小売業は49.9%、卸売業は48.6%、製造業は47.8%です。業種によって労働分配率の値に違いはありますが、40~60%が適性の目安といわれているようです。会社の労働分配率を求めたうえで、目安から大きく外れていないかどうかを確認しましょう。

(※)粗利ではなく、会社が新たに生み出した価値である「付加価値額」に対する割合で計算することもあります。付加価値額=営業利益+給与総額+減価償却費+福利厚生費+動産・不動産賃借料+租税公課で求められます。

参照:経済産業省「2019年経済産業省企業活動基本調査(2018年度実績)の結果(速報)を取りまとめました」
関連記事 : 人件費高騰の理由は?労働人口や最低賃金の状況とコスト削減方法も紹介

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人件費を抑えるために見直すべきポイント

人件費を削減するために見直すべきポイントはいくつかあります。ここでは、人件費削減のヒントを4つご紹介しますので、参考にしてみてください。

従業員数を減らす

従業員数を減らした分、人件費を削減することが可能です。人件費削減という意味では即効性がありますが、ほかの従業員の負担が増えるといったデメリットも考慮する必要があります。先述したように、無理な人件費の削減は、従業員の労働環境悪化やモチベーションの低下のリスクを伴っています。実施する際は慎重に行いましょう。

従業員一人当たりの生産性を高める

従業員それぞれの生産性を高め、売上をアップさせれば人件費率が下がるという考え方です。生産性を高めるには、人材の配置や人事評価が適切に行われているかなど、現状を分析・改善していく必要があります。生産性を向上させるのは簡単なことではありませんが、実現すれば人件費削減だけでなく、会社の継続的な収益アップにもつながるでしょう。

残業時間を見直す

無駄な残業時間が発生している場合、改善すれば人件費の削減につながります。従業員のコスト意識を高めるために「ノー残業デー」を設けるのも一つの手です。無理なく実現するには、「残業は絶対しない」というよりは、「必要な残業は認める」というやり方が効果的なようです。

正社員以外の雇用を検討する

派遣社員やフリーランスといった非正規社員の雇用を検討してみるのも良いでしょう。たとえば派遣社員の場合、社会保険料などは派遣元会社が支払うため、その分人件費を削減できます。また、IT業界のエンジニアといった一定のスキルを要する職種の場合、正社員として雇用する際は、採用コストのほか教育コストといった人件費がかかることがありますが、非正規雇用のエンジニアであれば、必要なときに必要なスキルを持った人材を確保できるのがメリットです。非正規雇用のエンジニアの確保に興味がある企業の方は、「エンジニア派遣のメリット・デメリット」も参考にしてみてください。

関連記事 : エンジニア採用のコツとは?エージェントが教える成功の条件

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