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最終更新日:2025年6月16日

2025年の崖とは?課題と対策、企業のDX推進を成功させる方法

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多くの企業が直面する「2025年の崖」への対策は、急を要する状況です。経済産業省は、デジタル化への対応が遅れた場合、最大で年間12兆円もの経済損失が発生する可能性があると警告しています。

本記事では、経営者やIT部門担当者へ向けて「2025年の崖」の概要、企業が直面する5つの課題、克服するための具体的な対策について詳しく解説します。DX推進に向けた道筋を示す羅針盤として、ぜひご活用ください。

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「2025年の崖」とは

「2025年の崖」は、経済産業省が発表した『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』で提唱された概念です。2025年以降、DX推進が間に合わず、日本企業がデジタル化に対応できないことにより、1年で最大12兆円もの経済損失が発生する可能性を警告しています。

この「2025年の崖」が生まれる背景には、多くの企業で既存システムの複雑化やブラックボックス化が進んでいることがあります。また、経営サイドが改善を望んでも現場からの反発で実行できない、あるいは現場が改善を訴えても経営側が必要性を理解していないといった状況が、問題をさらに深刻化させているのです。

DXの概要や推進すべき理由についての解説は、下記記事をご覧ください。
【簡単に解説】DXとは?企業が推進すべき理由と実際の進め方

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「2025年の崖」が突きつける5つの課題

2025年までに多くの企業が直面する課題について、具体的に見ていきましょう。経済産業省が警告する「2025年の崖」では、以下の5つの課題が指摘されています。

既存システムのレガシー化

「2025年の崖」の大きな課題として、既存システムのレガシー化があります。レガシーシステムとは、技術面での老朽化やシステムの複雑化、ブラックボックス化などの問題を抱え、経営戦略の足かせとなっているシステムのことです。IPAが発表している『DX動向2024』によると、62.8%もの企業がこうしたレガシーシステムを抱えているとされています。

レガシーシステムの状況

レガシーシステムが引き起こす問題は、主に以下の3つです。

  • 技術面の老朽化
  • システムの肥大化・複雑化
  • ブラックボックス化

これらの問題によって、ビッグデータの処理やシステムの維持・管理が難しくなるため、システムの刷新が必要となってきます。

ユーザー企業におけるIT人材不足

ユーザー企業において、IT人材が不足しているのがDX推進の大きな課題です。レバテックの調査によると、ユーザー企業の半数で、DX人材の割合が1割以下にとどまっています。そのため、多くの企業が既存システムの刷新をベンダー企業に依存せざるを得ない状況です。

ユーザー企業で働くDX人材の割合

また、レガシーシステムに詳しい人材が高齢化により退職していくことも考えられ、運用・保守を行う人材が不足する懸念もあります。

IT業界の人材不足の現状や理由について知りたい方は、下記記事もあわせてご覧ください。
IT業界の人材不足の現状と原因を解説!人材確保の方法も紹介

サイバーセキュリティリスクの高まり

「2025年の崖」では、サイバーセキュリティリスクの高まりも懸念されています。IT人材の不足やレガシーシステムの存在は、セキュリティリスクを高める大きな要因です。堅牢なサイバーセキュリティシステムが構築されていないと、システムトラブルやデータの紛失・流出といった深刻な問題が発生しやすくなります。

このような問題が発生すると、経済的損失や信用の失墜などの大きなデメリットをもたらすため、セキュリティ人材の確保やシステムの刷新など対策を講じることが重要です。

システム維持管理費の高騰

レガシーシステムの運用には、多額の維持管理コストがかかることも課題の1つです。

たとえば、システムのサポートが終了した場合、システム全体の見直しに膨大なリソースが必要です。また、レガシーシステムは複雑化・ブラックボックス化していることが多いため、システムの全体像を把握している人材が少なく、改修に伴うリスクも大きくなります。

さらに、システム全体の再構築には多額のコストがかかり、既存システムと比べてサービスの質が低下する可能性もあります。

デジタル活用に関する戦略不足

デジタル活用に関する戦略が不足していることも、「2025年の崖」で指摘されている課題です。

DXの実現には明確な経営戦略が不可欠です。しかし、多くの企業でDXに向けたビジョンや具体的な戦略が不足しています。経営者から「AIやIoTを使って何かできないか」と丸投げされるケースも少なくありません。

DXの必要性は認識されつつありますが、大多数の企業が具体的な推進方法を模索している段階であるというのが現状です。

DX推進を阻む具体的な課題についてさらに詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
DX推進の課題とは?人材不足を解消しありがちな失敗を避ける方法

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「2025年の崖」を乗り越えるための対策

2025年の崖を乗り越えるには、対策が必要です。ここでは主な5つの対策について詳しく解説していきます。

DX推進のためのガイドライン策定

2025年の崖を克服するには、DX推進のためのガイドラインの策定が必要です。なぜなら、DX推進の必要性や具体的な施策について、社内での認識共有がされていないことが多いためです。

『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』で紹介されているガイドラインの構成案には、以下の要素が含まれています。

  • 経営戦略におけるDXの位置づけ
  • DX実現に向けた新たなデジタル技術の活用やレガシーシステム刷新のための適切な体制・仕組み
  • DX実現に向けた新たなデジタル技術の活用やレガシーシステム刷新のための実行プロセス

引用元:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~

これらの要素を明確にしたガイドラインを作成することで、DXを実現する上で基盤となるシステム構築のポイントやステップについて認識を共有できます。また、業務提携などの際に、ガイドラインを提示することで業界や企業による認識の違いを埋め、スムーズな業務遂行を実現できるでしょう。

DX推進に成功した事例については下記記事で紹介しています。
【DX化事例】成功事例や実現のポイント、失敗するケースを紹介

システムの全体像を可視化

レガシーシステムの複雑化がDX推進の障壁となっているため、まずはシステムの全体像を「見える化」する必要があります。

システムを見える化するための評価指標としては以下が挙げられます。

既存システムを見える化するための指標

※経済産業省『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』を参考に当社で作成

これらの指標を分析することで、現状の課題を明確化し、DX推進に向けた具体的な対策を立案できます。また、可視化は現状把握だけでなく、今後のロードマップ策定にも役立ちます。

ITシステムの刷新

システム刷新は、多くのコストと時間、リスクを伴いますが、2025年の崖を克服するには避けて通れません。理由としては、前述したとおり、レガシーシステムがDX推進の足かせとなるためです。

最適なシステムを構築するためにやるべきこととして、以下が挙げられます。

  • 実現すべきゴールイメージの共有
  • 不要な機能の削除
  • マイクロサービスの活用
  • 共通プラットフォームの構築

ユーザー企業とベンダー企業の新たな関係構築

2025年の崖を克服するには、ユーザー企業とベンダー企業の関係性を見直す必要があります。DX推進に向けて、システム開発をベンダー企業へ「丸投げ」するのではなく、双方が目指す姿を共有する必要があります。

また、契約ガイドラインの見直しなど、新たな協力関係を築くための環境整備が重要です。DX推進に適した新しい契約形態を検討することで、より良好な協力体制が築けるでしょう。

DX人材の育成と確保

2025年の崖を克服するには、DXを推進できる人材の育成・確保が不可欠です。システムを刷新できる技術力を持つ人材が社内にいないと、企業のDX推進は困難です。

DX人材の育成・確保には、以下のようなアプローチがあります。

  • 既存システム担当者の育成
  • アジャイル開発の実践
  • DX関連の資格取得支援
  • 大学などの教育機関との連携

また、即戦力となる人材を確保するには、社外のパートナー企業やフリーランスエンジニアの活用も有効な選択肢となります。

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DX人材の採用のポイントについては下記記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
DX人材の採用が難しい理由|採用成功に必要な9つのポイントを解説

2025年の崖に関するよくある質問

「2025年の崖」について、よくある質問とその回答を紹介します。類似の疑問を持つ方は参考にしてみてください。

Q1. 2025年の崖とは何ですか?

経済産業省が発表した『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』で提唱されている概念です。企業のDXが実現できない場合、2025年以降に最大で年間12兆円もの経済損失が発生する可能性があるとされています。これは日本企業の競争力低下にもつながる重大な課題です。

Q2. 2025年の崖はなぜ2025年なのですか?

2025年には複数の課題が重なって顕在化するためです。主な要因として、基幹系システムを担う人材の大量退職や高齢化、IT人材不足が約43万人規模まで拡大すること、多くの企業が利用しているSAP製ERPのサポートが終了することなどが挙げられます。

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