最終更新日:2025年10月3日

PM・PL・PMOの違いは?プロジェクトを成功に導く管理体制の構築法

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「PMとPLの違いがよく分からない」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、PLとPMの違いや、両者と似た名称のPMOとは何かを解説します。各職種を配置する際の注意点や、プロジェクトを成功に導く管理体制の構築法も解説します。採用競争が激しい状況の中でも、即戦力となるPLやPMを確保する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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PM・PL・PMOの違い

PM(プロジェクトマネージャー)とPL(プロジェクトリーダー)、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)は混同されがちですが、それぞれ異なる役目を持っています。プロジェクトの管理体制を構築するには3者の連携が重要になるため、まずはそれぞれの役割を確認しましょう。

職種・組織名 役割
PM(プロジェクトマネージャー) プロジェクトの計画を策定し全体の進行を管理する
PL(プロジェクトリーダー) PMが策定した計画通りにプロジェクトが進むようにメンバーの指導・管理を行う
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス) 複数のプロジェクトを横断的に支援する

PMとは

PMは、プロジェクト全体を俯瞰し管理する役割を持っています。

役割

PMは主に以下のような仕事を担当します。

  • 納期の管理を含むスケジュールの確認/変更
  • 予算の管理
  • メンバー間の業務負担の調整
  • 顧客や社内外の関係者とのやり取り
  • 成果物の確認

PMは、常にプロジェクトの進行を確認し、スケジュールやコストの管理・調整を行います。メンバー間の業務負担に偏りがある場合は人員の調整を行うのもPMの仕事です。また、プロジェクトがスムーズに進むよう顧客や社内外の関係者とコミュニケーションをとり、各種調整を行うこともあります。さらに、各フェーズで成果物をレビューし、品質を担保するのもPMの役割です。

責任

プロジェクトにおける責任は、「プロジェクトの目的を達成する責任」と「目的達成に向けて計画を実行する責任」に二分されます。PMはこのうち、プロジェクトの目的を達成することへの責任を負います。

関わる範囲

PMは以下の関係者と連携を取りながらプロジェクトを進行します。

  • プロジェクトメンバー
  • 経営層
  • 顧客
  • 社内外の関係者

PMが管理する対象は、プロジェクトメンバーにとどまらず、自社の経営層や顧客など、社内外のステークホルダー全員におよぶのが特徴です。PMはこれらの関係者同士が協力関係を築けるように調整を行います。

求められるスキル

PMには、次のようなスキルが求められます。

  • マネジメントスキル
  • コミュニケーションスキル
  • テクニカルスキル

PMはプロジェクト全体を管理するため、マネジメントスキルは欠かせません。また、プロジェクトメンバーをまとめ、顧客と折衝するうえではコミュニケーションスキルも必要です。技術的な指導を行う場面はそれほど多くはないものの、使用する技術の選定や顧客への説明ができる程度の知見は求められます。

近年、プロジェクトマネジメントを外部のPMに依頼する企業も増えてきましたが、内製で行いたい企業も多いでしょう。以下の記事では、PMの育成方法を解説していますので、あわせてご覧ください。
PMの育成方法は?必要なスキルや人材不足の理由を解説

PLとは

PLは、PMが策定した計画通りにプロジェクトが進むように導く役割を持っています。

役割

PLは主に以下のような仕事を担当します。

  • プロジェクトメンバーの指導
  • プロジェクトメンバーの管理

PMが立てた計画が履行されるようメンバーの進捗状況を確認し、必要があれば指導やサポートを行います。メンバーが最大限力を発揮できる環境を整える役目があり、メンバーの体調面に気を配るといった細やかな配慮も求められます。

責任

PLは「目的達成に向けて計画を実行する責任」を負います。各メンバーが役割を果たし、PMが策定した計画通りにプロジェクトが進むように管理するのがPLの責任です。ただ、その結果プロジェクトが成功するか否かはPMの責任となります。

関わる範囲

PLが管理する対象は、プロジェクトに参画するメンバーに限られます。

求められるスキル

PLには、次のようなスキルが求められます。

  • リーダシップ
  • テクニカルスキル

プロジェクトメンバーのモチベーションを管理したり、それぞれの能力に合わせて適切な指示を出したりするリーダーシップが求められます。メンバー全体はもちろん、個々の状態を見て一人ひとりに合った対応を行うスキルが必要です。

また、PLは担当領域における技術的な責任も負うため、テクニカルスキルが重要です。現場の状況を見極めるために、幅広い技術面の知見が求められるでしょう。

PMOとは

PMOは、複数のプロジェクトを横断的に支援する部門やチームを指します。PMやPLのように個々のプロジェクトを担当するのではなく、会社全体のプロジェクトがスムーズに進むように部署の垣根を越えてサポートするのが特徴です。
PMOが各部署との調整やプロジェクトに必要な情報収集を行うことで、PMが業務に集中できる環境が整います。

役割

PMOは、主に次のような活動を通して各プロジェクトの支援を行います。

  • プロジェクト管理の標準化
  • ツールの導入支援
  • リスク管理
  • プロジェクトメンバーへのトレーニング

PMOは、社内のプロジェクトの管理手法やドキュメントなどの標準化を行います。また、プロジェクトで使用するタスク管理やナレッジ共有のためのツールの導入支援を行うこともあります。

ほかには、プロジェクトの進捗を監視して問題やリスクを早期に発見し、対処法を検討するのもPMOの役割です。PMやPLに対してプロジェクト管理に関するトレーニングを実施することもあります。

責任

PMOには、進捗管理やリスク管理といった仕組みをプロジェクトに導入する責任があります。プロジェクトによっては、PMOが成果物の作成を手伝うこともありますが、PMOには成果物を完成させる責任はありません。

関わる範囲

PMOは経営層や個々のプロジェクトを管理するPMなどと連携します。必要に応じて、外部のベンダーやパートナー企業とコミュニケーションをとり、プロジェクト管理の調整を行うこともあるでしょう。

求められるスキル

PMOには、次のようなスキルが求められます。

  • コミュニケーションスキル
  • 問題解決スキル
  • スケジュール管理スキル
  • 事務スキル

多様な立場の人と関わるPMOには、関係者の意見を聞いて調整を行うコミュニケーションスキルが必要です。プロジェクトの課題やリスクに対処するには、問題を発見して根本的な原因を突き止め対応策を考えるスキルも欠かせません。

複数のプロジェクトの進捗を同時に把握し、遅延が生じた場合にリソース調整を行うスケジュール管理スキルも大切です。PMOは各種資料や会議の議事録作成を担うことも多いので、事務スキルも必要になってくるでしょう。

PMとPMOの違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
PMとPMOの違いとは?導入のメリット・デメリットや採用すべきケース

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プロジェクトの管理体制について

プロジェクトを遂行するうえでは、適切な人材配置が鍵となります。PMやPLを配置するほかにも、必要に応じてPMOやSLといったポジションを用意しましょう。

基本的なプロジェクト管理はPMとPLのもとで行う

基本的に、プロジェクト管理はPMとPLの主導のもとで行います。プロジェクトの体制構築にあたっては、まず最初にPMとPLを任命しましょう。
PMの適任者は、責任感が強く、社内関係者とのコミュニケーションはもちろん、顧客対応を柔軟に行える人です。PLには、現場でのマネジメントに興味がある人や、プロジェクトに必要とされる技術的な知見を備えた人が適任といえます。

大規模プロジェクトではSLを配置することもある

SL(サブリーダー)は、PLをサポートするポジションです。大規模なプロジェクトで配置されることが多く、PLからの指示をメンバーに伝えたり、メンバーからの技術的な質問に対応したりします。PLよりもさらにメンバーに近い立場で、現場の声を拾い上げ、プロジェクトの円滑な進行に貢献するポジションといえるでしょう。

PMOを配置し客観的な評価を受ける

社内の状況に応じてPMOを配置することで、客観的な視点を取り入れプロジェクトを成功に導くことができます。

PMOは独立した組織として社内の力関係に左右されず、標準化されたプロセスでプロジェクトの評価・管理を行います。専門知識を有するPMOの導入により、PM一人の経験則や固定観念によって誤った判断を下すのを防ぐことができるでしょう。
特に、大規模なプロジェクトはPMだけで全体を管理するのが難しいため、PMOの支援によってPMが意思決定に集中できる環境をつくるのがおすすめです

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プロジェクトを成功させるためのポイント

プロジェクトを成功させるには、その規模に合わせてPMやPLを配置したり、メンバーの役割を可視化したりする必要があります。プロジェクトを進める際に知っておきたいポイントをまとめたので、確認していきましょう。

必要に応じてPM・PL・PMOを設置する

PM・PL・PMOは必ずしもすべてのプロジェクトで必要というわけではないので、状況に合わせて体制を決めましょう。

小規模なプロジェクトであれば、一人の人材にPM・PLを兼任してもらうこともできます。PM・PL両方を配置する場合は、上下関係をつけないことがポイントです。上下関係があると互いに遠慮が生まれ、業務が効率的に進みません。PM・PLが連携しながらそれぞれの役割をこなせるよう、風通しの良い関係を構築しましょう。

PMOは、大規模で複雑なプロジェクトを進める際や、社内で複数のプロジェクトを進行する場合に配置するのが一般的です。小規模なプロジェクトを進める場合や、PMの経験が豊富でPMOのサポートを必要としない場合は、配置しなくて良いケースもあるでしょう。
配置する場合は、PMOとPMの責任分担が曖昧だとトラブルの原因になるので、事前にPMOの役割を明確にしましょう。

社内に専門部署を置くのが難しい場合は、外部にPMO業務を依頼する方法もあります。以下の記事では、外部のPMOを導入するメリットを解説しています。
PMOを業務委託する際の費用相場は?コストの抑え方やメリットも紹介

PMやPL、PMOを外注する際は、フリーランスを視野に入れてはいかがでしょうか。最近では、DX推進のためにフリーランスを活用する企業も増えています。フリーランスの活用事例を知りたい方は、以下の資料をダウンロードしてください。

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体制図を作成する

プロジェクトが始動したら体制図を作成すると良いでしょう。体制図とは、プロジェクトに参加するメンバーの役割を記入した図のことです。一般的には、PMやプロジェクトオーナー(発注者)を最上部に記載し、その下に階層構造で各メンバーの役割を記入していきます。

体制図の例

体制図によってメンバーの所属や指揮系統を可視化することで、全員の役割分担が明確になり、各メンバーが自分が何をすべきかを確認しやすくなります。

全員のスキルを可視化する

適切な人材配置を行うために、プロジェクトを始動する前に全員のスキルを可視化しましょう。誰がどの分野に関してどの程度のスキルを持っているのか、ポートフォリオを用いて整理します。

スキルに応じた人員配置を行うことで、品質低下や納期遅延、コスト超過といった問題を回避しやすくなるでしょう。

リスクを減らすチーム編成を行う

チーム編成を行う際は、能力のあるメンバーに依存しないように注意しましょう。少数のメンバーに業務を集中させると、そのメンバーが欠勤した際に計画全体の停滞に繋がります。
余裕を持って補欠の人材を確保したり、新人メンバーにメンターをつけてサポートしたりし、プロジェクト進行上のリスクを低減しましょう。

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PMやPL、PMOを確保するにはフリーランスが有効

PMやPL、PMO人材が社内にいない場合は、フリーランスの活用がおすすめです。社内に人材がいない場合、一から育成するのは手間とコストがかかります。新しい人材を採用しようとしても、採用市場は競争が激しく優秀な人材を確保するハードルは高いでしょう。

レバテックの調査では、正社員PMの転職求人倍率は24.6倍となっており、採用競争難易度が高いことが分かります(2024年12月時点)。別の調査によると、正社員採用が難しい中でフリーランスのPMやPMOを活用する企業が増加傾向にあることも分かっています。

ITフリーランス案件発生数の推移

引用元:ITフリーランスの案件希望者数が前年比136%に、2024年11月の「フリーランス新法」施行後、約1.2倍に増加|レバテック

2025年6月時点のPM・PMO領域のフリーランス案件数は、前年同月比184.1%と大幅に増加しています。
この背景には、金融・不動産業界を中心にシステム刷新のニーズが高まっていることが挙げられます。加えて、最近はコンサルティングファームがシステム開発を担う動きが出ており、それに伴ってPMやPMOの需要が伸びています。

レバテックフリーランスにはPM・PMO人材が多数参画

企業向けにITフリーランスの紹介を行うレバテックフリーランスには、多数のPM・PMO人材が登録しています。

レバテックフリーランス経由で案件に参画した人材数のランキングにおいて、PMは20代~60代のいずれの年代でも上位5職種に入りました。PMOもすべての年代で上位10職種以内に入っています(データ:2024年8月〜2025年7月のレバテックフリーランス参画者)。
レバテックフリーランスでは、技術理解の深いコンサルタントが課題に合わせた人材提案を行っています。プロジェクトに必要な人材をお探しの場合はぜひお問い合わせページからご相談ください。

老舗機械メーカーのフリーランス活用事例

ミシンを中心とする老舗機械メーカー・JUKI株式会社は、社内にIT人材がいない状態からレバテックフリーランスを通してPMを起用し、開発プロジェクトを成功に導きました。同社の開発メンバーは、起用したフリーランス人材に関して次のように述べています。

大手メーカーご出身で、案件を同時並行で掛け持ちされている敏腕プロジェクトマネージャーでした。3カ月間という短い期間でしたが、予算管理やスケジュール管理、品質管理のポイントに加え、仕様をまとめるための現場ヒアリングのコツや各種デジタルツールの使い方など、かなり踏み込んだノウハウを共有いただきました。

同社がフリーランスの活用に至った経緯や、フリーランス人材がもたらした効果についてさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
老舗機械メーカーはなぜ、副業フリーランスを新規事業開発の推進役に選んだのか(JUKI株式会社)

スピーディーな人材確保を実現する「フリーランス活用」とは?
フリーランス活用を進めるための具体的なステップを紹介!
⇒ベンダー・SIerの変革とフリーランス活用事例

PMとPLに関するよくある質問

プロジェクト推進に欠かせないPMとPLですが、両者は混同しやすく、どうやって使い分けるのか分からない方もいるのではないでしょうか。ここでは、それぞれの役割や違い、さらにPMOとは何かについて説明していきます。

Q.PMとは?

PMは正式名称を「プロジェクトマネージャー」といい、プロジェクト全体を俯瞰して管理する役割を持っています。納期や予算、人員の管理を行うとともに、社内の経営層や顧客など、あらゆるステークホルダーと連携してプロジェクトを進行します。

Q.PLとは?

PLは正式名称を「プロジェクトリーダー」といい、PMの計画通りにプロジェクトが進むようチームメンバーを管理する役割を持っています。メンバーのモチベーションや体調など細かな点まで目を配り、各メンバーが能力を発揮できるように支援します。PMよりも現場に近いポジションです。

Q.PMとPLの違いは?

PMはプロジェクト全体を管理し、「プロジェクトの目的が達成されるか」という点に責任を持ちます。PLはプロジェクトメンバーの管理を行い、「PMが策定した計画の実行」に対して責任を持ちます。PMはプロジェクトの成功に責任を持ちますが、PLは計画実行のみ責任を負う立場と理解すると良いでしょう。

Q.PMとPLはどちらが上?

PMとPLはそれぞれ役割が異なり、上下関係はありません。指揮系統からPMが上に見えがちですが、実際の現場では両者は対等な立場で動くことが多いです。PMとPLに上下関係をつけると、意思疎通に支障が出てプロジェクトに良い影響を与えないため気をつけましょう。

Q.PMOとは?

PMOは正式名称を「プロジェクトマネジメントオフィス」といいます。PMやPLのように特定のプロジェクトを担当するのではなく、企業内で進行する複数のプロジェクトを横断的に支援する組織です。プロジェクト管理の標準化や各種ツールの導入支援、リスク管理などを通して、プロジェクトを円滑に進めるためのサポートを行います。

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