SNS採用とは？メリットや導入ステップ、成功させるポイントを紹介

採用担当者のなかには、「SNS採用とはどういうもの？」と疑問を抱いている人もいるでしょう。

本記事では、SNS採用の概要やメリット・デメリット、導入方法を紹介します。また、活用できる代表的なSNSの例や特徴についてもまとめました。

SNSを活用した採用活動に関心のある採用担当者様は、ぜひご一読ください。

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SNS採用とは

SNS採用とは、SNSを活用して採用活動を行う方法です。企業の公式アカウントを通じて求人情報を発信し、採用活動を進めます。

求職者からの応募を待つだけでなく、気になる人材がいれば企業側からダイレクトメッセージやコメント機能を使い連絡を取ることが可能です。

また、企業の魅力や社風、働く人の様子を日常的に発信することで、求職者に対して企業情報を伝えられることが特徴です。

たとえば、社員の1日の業務の様子を投稿したり、社内イベントの様子を共有したりすることで、企業の雰囲気をリアルに伝えられます。

SNS採用が注目される背景には、採用市場の激化があります。

人材不足が深刻化する中、従来の「求職者からの応募を待つ」という採用方法では人材の確保が難しくなり、新たなアプローチ方法が必要になってきました。こうした状況のなか、就職活動においてSNSで企業情報を収集する人が増えたことも、SNS採用が広がっている要因の1つです。

SNS採用以外の採用手法についても詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
【13選】中途採用の方法を紹介！トレンドや各手法のメリット・デメリットを解説

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SNS採用を行うメリットとデメリット

SNS採用には、さまざまなメリットがある一方で、注意すべき点もあります。ここでは主なメリットとデメリットを紹介します。

SNS採用を行うメリット

SNS採用を行うメリットには、以下が挙げられます。

拡散力が高く転職潜在層にもアプローチできる

SNSは、「いいね」や「シェア」機能による情報拡散力が高いため、転職潜在層を含む幅広いユーザーに企業の存在や魅力をアピールできます。

転職潜在層は、現時点では転職活動を積極的に行っていませんが、魅力的な情報に触れることで転職意欲が高まる可能性を秘めています。SNSを通じて企業文化や社員の声を発信し、企業に対する親近感や共感を育んでいければ、母集団形成をしやすくなるでしょう。

企業の特徴や魅力を伝えられミスマッチを防ぎやすい

SNS採用を行うメリットには、ミスマッチを防ぎやすいことが挙げられます。

まず、求職者は企業の情報発信を通して企業理解を深めた上で応募できるため、入社後にミスマッチを感じる可能性が低くなりやすいでしょう。

企業側は求職者のSNSアカウントを確認することで、履歴書や面接だけでは把握しきれないスキルや人柄をより深く理解できます。

さらに、面接前にメッセージ機能で双方向のコミュニケーションをとれるため、企業風土や求職者の人となりなどを相互に理解しやすく、ミスマッチの抑制が期待できます。

採用コストの削減効果が期待できる

SNS採用は、求人広告への掲載や転職イベントへの参加といった採用活動方法と比べ、採用コストを抑えやすい傾向にあります。多くのSNSは基本的に無料で利用でき、有料広告を出す場合でも比較的安価だからです。

また、求人広告や転職イベントでは、掲載記事や配布資料の作成が必要となる場合が多いのに対し、SNS採用では簡潔な短文投稿で済みます。記事や資料の作成にかかる人件費・リソースなどのコスト削減効果も見込めるでしょう。

SNS採用を行うデメリット

SNS採用には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。以下に主なデメリットを紹介します。

効果が出るには時間がかかる場合がある

SNS採用を行うデメリットとしては、実際に応募や採用に至るまでに時間がかかる可能性があることが挙げられます。SNS採用は即効性が低い傾向にあるといえるでしょう。

たとえば、SNSアカウントを新設した場合、フォロワー数が少ない状態から始まるため、投稿が多くの人の目に触れる機会は限られます。この間、採用に直結する成果が出にくい可能性があるでしょう。

投稿内容によっては企業イメージの低下リスクがある

SNS採用を行うデメリットとして、投稿内容によっては企業イメージが低下するリスクがあることも挙げられます。

たとえば、不適切な投稿は炎上するリスクが高く、企業イメージの低下につながるおそれがあります。さらに、炎上発生後の対応を誤ると、企業の評判を大きく下げる可能性も否めません。SNS採用を行う際には投稿内容や返信方法には十分に注意しましょう。

自社内での人的リソースが必要

SNS採用を効果的に行うには、専任担当者や専門チームの設置が理想的ですが、人手不足の企業では、その確保が難しいことも少なくありません。

社員に本来の業務と兼任してもらう選択肢もありますが、その場合は担当者の負担が増大し、いずれかの業務に支障をきたすおそれもあります。限られた時間で対応せざるを得ない状況では、質の高い運用は困難になり、効果的な採用活動につながらない可能性もあるでしょう。

採用活動に活用できるSNSの例

ここでは、採用活動に活用できるSNSの例を紹介します。各サービスの活用メリットを比較しやすいよう表にまとめたので、参考にしてください。

各サービスの詳細については以下で解説します。

X（旧Twitter）

X（旧Twitter）は、140文字（半角280文字）以内の短文を投稿できるサービスです（※）。手軽に情報発信できるため、企業は最新情報をスピーディーに伝えられます。

SNSのなかでも、より高い拡散力があることもXの特徴です。拡散機能により、フォロワー以外のユーザーにも情報が届きやすくなっています。ハッシュタグを活用すれば、関連情報に関心のあるユーザーへのリーチが可能となり、拡散力はさらに向上します。

また、ユーザー間の活発な交流もXの強みで、企業と求職者が気軽にコミュニケーションを取ることが可能です。

（※）サブスクリプションサービスX Premium（旧Twitter Blue）に加入すれば、最大10,000文字まで投稿可能です。

LinkedIn

LinkedInはビジネス特化型のSNSです。ユーザーは自身の詳細な職歴やスキルを公開して転職活動を行い、企業は自社ページで企業文化や仕事の魅力などの情報発信や採用活動を行います。

たとえば、企業は求人情報を発信したり、検索機能を使って候補者を探索して直接コンタクトを取ったりします。また、ターゲティング広告を活用して、特定のスキルや経験を持つ人材にアプローチすることも可能です。さらに、業界のトレンドや専門的な内容の記事を投稿することで、専門性の高い人材の関心を高めることもできます。

一方、ユーザーは、関心のある企業の求人情報を確認したり、企業担当者に直接メッセージを送信したり、企業ページをフォローして最新情報を入手したりすることができます。

Instagram

Instagramは、写真や動画を共有するSNSです。視覚的な訴求力が高い点が特徴で、企業文化や職場の雰囲気を効果的に伝えられます。ストーリー機能やライブ配信を活用すれば、リアルタイムな情報発信も可能です。

たとえば、企業の日常風景や社員インタビューなどを投稿することで企業の魅力を伝え、求職者へのエンゲージメントを高めることができます。

また、ストーリーズの質問機能を使って求職者からの質問を募集し、回答を公開すれば、企業への理解を深めてもらえるでしょう。

YouTube

YouTubeは、動画共有プラットフォームです。企業は自社のチャンネルを開設し、さまざまな動画コンテンツを配信できます。

企業文化や事業内容、社員インタビュー、採用イベントの様子などを動画発信することで、求職者への企業理解促進を図ることが可能です。また、動画の長さに制限が少ないため、より詳細な情報を伝えることができます。

Facebook

Facebookは実名登録制のSNSで、企業ページの作成もできます。企業は採用情報の発信や企業文化の紹介を通じて、求職者への認知度向上と企業の魅力向上を図ることが可能です。

Facebookの特徴として、ユーザー同士のつながりを重視している点が挙げられます。共通のテーマに基づいてメンバーが集まり、情報交換や交流を行うことができるグループ機能を活用することで、特定のターゲット層へのアプローチも可能です。

TikTok

TikTokは短い動画を共有するSNSです。企業文化や職場の雰囲気を伝える短い動画を投稿することで、求職者へ手軽に情報を届け、親近感を持ってもらいやすいのが特徴です。 音楽やエフェクトを活用した動画制作も簡単なため、企業イメージを印象的に演出できるでしょう。

短尺動画は、企業の魅力を凝縮して伝えられるため、情報過多な現代社会においては訴求力の高いツールとなっています。

LINE

LINEはメッセージアプリとして広く普及しており、企業は公式アカウントを開設することで、ユーザーと1対1のコミュニケーションや情報の一斉配信を行うことができます。

採用情報を配信したり、求職者からの質問に個別に対応したりすることで、応募の促進につなげることが可能です。また、LINEを採用活動に導入している場合「1分で応募完了」「3ステップで応募完了」と簡単に応募できる仕組みを築いている企業も少なくありません。求職者の応募ハードルを下げるメリットがあるでしょう。

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SNS採用の活用事例

国土交通省では、SNSを活用した採用活動を行っています。

具体的には、Facebookで「国土交通省（本省）新卒採用［MLIT recruiting］」というページを作成・運用し、総合職（事務系・技術系）および一般職（事務系）の採用情報を発信しています。

また、省内のイベントや施策、職員紹介なども掲載し、求職者が国土交通省の仕事内容や職場環境を具体的にイメージしやすいよう工夫しているのが特徴です。

SNS採用の導入手順

SNS採用で人材を採用するには、計画的なアプローチが必要です。以下に、SNS採用を導入する際の基本的な手順を説明します。

SNS採用を導入する目的を明確にする

まず、SNS採用を導入する目的を明確にすることが重要です。目的を明確にすることで、以降のチャネル選定や効果測定がしやすくなるからです。

単に「人材を採用したい」という漠然とした目的ではなく、具体的な目標を設定しましょう。

たとえば、「母集団を増やす」「専門スキルのある人材の採用を目指す」などが考えられます。

目的設定の際は、現在の採用状況や課題を分析し、SNS採用によって解決したい問題を具体化することが大切です。

ターゲットとペルソナ設定を設定する

次に、採用ターゲットを明確にし、ペルソナを設定します。ターゲットとペルソナを明確にすることで、どのSNSを使うべきか、どのような内容を発信すべきかの判断がしやすくなるからです。また、採用メッセージをより効果的に伝えることができるようになります。

ターゲットは、職種、経験年数、スキルレベルなどを大まかに定義したものです。具体例としては、「3年以上のWeb開発経験を持つフロントエンドエンジニア」や「海外勤務経験のある営業職」などです。

ペルソナは、ターゲットをより具体的に人物像として描いたものです。年齢、性別、経歴、興味関心、価値観などを設定し、架空の人物を作り上げます。たとえば、「28歳、男性、大手IT企業でのWeb開発経験3年、最新技術に関心が高く、ワークライフバランスを重視」といった具合です。

活用するSNSを決める

ターゲットとペルソナが決まったら、それに最適なSNSを選択します。各SNSにはそれぞれ特徴があり、利用者の傾向も異なるからです。

たとえば、若手人材の採用を目指すなら若年層の利用率が高いとされているInstagramやTikTokが効果的でしょう。経験者やグローバル人材の採用なら、ビジネスパーソンが多く利用するLinkedInが適しているといえます。

また、複数のSNSを組み合わせて活用するのもおすすめです。

発信するコンテンツの方針を決定する

SNSを活用した採用活動を始めるには、投稿するコンテンツの方針を明確にすることも重要です。これは、SNSでの情報発信が一貫性を欠くと、企業のブランドイメージが定まらず、求職者に混乱を与えてしまうためです。

決めておくべき代表的な内容は以下のとおりです。

• 発信する情報の種類
• 投稿の頻度
• トーン＆マナー

たとえば、若手エンジニアをターゲットにする場合は、社内の開発環境や技術スタックの紹介、若手社員の1日のスケジュールなど、具体的な情報を提供すると効果的です。

なお、方針は定期的に見直し、反応の良かった投稿の特徴を分析して改善していくことをおすすめします。

運用フローを定める

SNS採用をスムーズに進めるためには、明確な運用フローを定めることが重要です。以下に、基本的な運用フローの例を示します：

• コンテンツ企画：週次または月次で投稿内容を企画する
• コンテンツ作成：文章、画像、動画などのコンテンツを作成する
• 承認プロセス：必要に応じて、投稿内容の承認を得る
• 投稿スケジュール設定：投稿タイミングを設定する
• 投稿実行：予定通りに投稿を行う
• 求職者への対応：コメントやメッセージへの返信を行う

このフローを基本としつつ、自社の状況に合わせてカスタマイズしましょう。また、担当者や承認者を明確にし、スムーズな運用ができる体制を整えることが大切です。

定期的な分析と改善を行う

SNS採用の効果を最大化するためには、定期的な分析と改善が欠かせません。以下のステップで、PDCAサイクルを回していきましょう。

• データ収集：分析ツールを使用して、定期的にデータを収集する
• 分析：収集したデータを基に、効果を分析する
• 課題抽出：分析結果から、改善が必要な点を洗い出す
• 改善策の立案：抽出した課題に対する改善策を検討する
• 実行：立案した改善策を実施する
• 効果検証：改善策の効果を検証し、必要に応じてさらなる改善を行う

分析と改善のサイクルは、月次や四半期ごとなど、定期的に行うことが重要です。これは、SNSのトレンドや求職者の反応は時期によって大きく変化するため、データに基づいて柔軟に方針を見直す必要があるからです。

また、採用市場が変動したり新しいSNSの登場や機能追加があったりした場合にも変化しやすいため、臨時で分析と改善を行うことも検討しましょう。

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SNS採用を成功させるポイント

SNS採用を成功に導くためには、以下のポイントに注意を払うことが重要です。

全社員に周知し協力してもらえる体制をつくる

SNS採用を成功させるには、採用担当者だけでなく、現場社員の協力が欠かせません。SNS採用では、経営陣や社員の声、職場環境を紹介する投稿などを通して、企業のリアルな姿を発信することが多く、こうした情報発信には社員の協力が不可欠だからです。

SNS採用の目的と重要性について、全社員向けの研修を実施し、協力を促すと効果的です。

採用強化期間以外でも情報発信をする

SNS採用の効果を最大化するためには、採用強化期間に限らず、継続的な情報発信が重要です。継続的な情報発信により、企業ブランドの認知度が高まり、潜在的な求職者との接点を増やすことができるからです。

これまでに紹介したような求人や職場環境、社内イベントなどに関する内容以外にも、新製品や新サービスの情報、企業の成長に関するニュースを定期的に発信すると良いでしょう。CSR活動や地域貢献の取り組みの紹介も、転職潜在層の関心を集める可能性があります。

SNS採用代行サービスを利用する

SNS運用にリソースを割くことが難しい場合や、専門的なノウハウが不足している場合は、SNS採用代行サービスの利用を検討するのも選択肢の一つです。

SNS採用代行サービスとは、専門スタッフが企業に代わって情報発信から求職者対応といったSNSでの求人活動全般を行うサービスです。

利用の主なメリットとして、採用担当者の負担軽減が挙げられます。投稿の企画・作成や求職者対応といったSNS運用業務から解放されることで、面接や内定者フォローといったコア業務に集中できます。また、SNS採用のプロが投稿時間やハッシュタグ、表現方法などを最適化することで、ターゲット層への効果的なリーチと母集団形成を期待できます。

一方で、費用が発生することや、代行業者に自社の魅力が十分に伝わらないと期待通りの効果を得られない可能性があることは、デメリットといえるでしょう。

代行サービスを選ぶ際には、実績や料金プランだけでなく、自社の採用方針や企業文化への理解度も重視することが大切です。担当者との円滑なコミュニケーションや効果測定レポートの充実度といったサービス面も重要な選定基準となります。

ミスマッチを防ぐならほかの手法の検討も

採用ミスマッチを防ぐなら、SNS採用と他の採用手法を併用することも検討しましょう。SNS採用は、ターゲット層への訴求や費用対効果の高さといったメリットがある一方、リーチできる層がSNS利用者に限定されるというデメリットも抱えています。

たとえば、経験豊富なミドル・シニア層や専門スキルを持つ人材は、SNSより業界特化型のエージェントやダイレクトリクルーティングを利用している可能性があります。こうしたSNSをあまり利用しない層の母集団形成においては、多様な採用チャネルを活用することが有効と考えられるでしょう。

特に、ダイレクトリクルーティングはミスマッチのリスクを大幅に軽減できる採用手法です。登録者のスキルや経験、希望条件などを事前に確認した上でオファーを出せるためです。

なお、ダイレクトリクルーティングサービスの中でも、レバテックダイレクトは、IT・Web業界に特化した人材データベースを保有しています。IT・Web業界で人材を探している方は、ぜひご活用ください。

ダイレクトリクルーティングのメリットや活用方法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
 ダイレクトリクルーティングの手法と成功のポイントを解説
【例文あり】スカウトメールの開封・返信率を上げる書き方のコツを解説

レバテックダイレクトは、ITエンジニア・クリエイター特化型のダイレクトリクルーティングサービスです。
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SNS採用に関するよくある質問

ここでは、SNS採用におけるよくある質問に回答します。

Q1. SNS採用を行うメリットを教えてください。

SNS採用を行うメリットには、積極的に転職活動を行っていない人材にアプローチできることが挙げられます。また、企業文化や仕事の雰囲気などをSNSを通して発信することで、求職者の企業理解を深め、入社後のミスマッチを減らすことができます。求人広告掲載料といった費用を抑えられるのも利点です。

Q2. SNS採用に活用できるサービス例を教えてください。

SNS採用に活用できる主なサービスには、以下のようなものがあります。

• X（旧Twitter）：ハッシュタグを活用することで、ターゲットを絞った情報発信ができる
• LinkedIn：ビジネス特化型のSNSで、詳細な職歴やスキルを確認できる
• Instagram：視覚的なコンテンツを中心に、企業の雰囲気や文化を効果的に伝えられる

これらはあくまで代表例です。詳しくは「採用活動に活用できるSNSの例」を参考にしてください。