最終更新日:2025年11月14日

採用コストの削減方法は?手法別の相場や見直しのポイントを解説

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「採用コストを削減したいけど、何を見直せば良いのか分からない…」という人がいるのではないでしょうか。

この記事では、採用コストの種類や相場を解説するとともに、具体的な削減方法を紹介します。費用を抑えられる採用手法や選考中のポイントを説明するので、コスト削減と優秀な人材の獲得を両立させたい方はぜひ参考にしてください。

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採用コストは大きく分けて2種類

採用コストは大きく分けて「内部コスト」と「外部コスト」の2種類があります。

内部コストと外部コストの例

内部コスト

内部コストとは、企業内部で発生する採用に関わる費用を指します。主に社員の人件費や社内の採用イベントに関わる費用などが該当します。内部コストは直接的な支出として見えにくいため見落とされがちですが、実際には大きな割合を占めていることがあるので注意が必要です。

外部コスト

外部コストは、外部に支払う採用に関連する費用のことです。主に求人広告費や人材紹介会社への手数料などが該当します。外部コストは明確な支出として把握しやすいため、多くの企業が注視しています。

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 採用コストの相場

採用コストは企業の規模や業種、採用手法によって大きく異なります。ここでは、採用手法別に正社員・非正規社員それぞれの採用コストの相場を紹介します。

なお、一人あたりの採用コストを把握するには、以下の計算式を用います。

一人あたりの採用コスト = 総採用コスト ÷ 採用人数

自社の計算結果をこれから紹介するコストの平均値と比較し、採用コストがかかり過ぎていないか評価していきましょう。計算方法の詳細は以下の記事も参考にしてください。
採用コストの計算方法とは?平均コストや削減のポイントも紹介

正社員の採用コスト

厚生労働省の資料によると、正社員一人あたりの平均採用コストは採用手法別に以下の通りです。

採用手法 1件あたりの平均採用コスト
民間職業紹介事業者(人材紹介) 85.1万
求人情報誌・チラシ 11.3万
インターネットの求人情報サイト 28.5万
インターネットの求人情報まとめサイト 6.4万
スカウトサービス 91.4万
新聞広告・屋外広告 7.1万
SNS 0.9万
知り合い・社員等からの紹介(縁故) 4.4万
自社HP等からの直接応募 2.8万
インターンからの就職 12.4万

非正規社員の採用コスト

同じ資料によると、非正規社員一人あたりの平均採用コストは採用手法別に以下の通りです。

採用手法 1件あたりの平均採用コスト
民間職業紹介事業者(人材紹介) 19.2万
求人情報誌・チラシ 7.7万
インターネットの求人情報サイト 10.8万
インターネットの求人情報まとめサイト 3.2万
スカウトサービス 44.0万
新聞広告・屋外広告 4.5万
SNS 0.2万
知り合い・社員等からの紹介(縁故) 3.4万
自社HP等からの直接応募 2.7万
インターンからの就職 2.7万

以下の記事では、新卒・中途それぞれの採用コストを紹介しています。採用コストの相場をさらに詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
一人当たりの採用コストの相場は?費用の内訳や削減のコツ

採用コストを削減する7つの方法

採用コストを削減するには、採用プロセスや利用している採用サービスなど、今までのやり方を見直す必要があります。ここでは、採用コストを抑えつつ、マッチ度の高い人材を確保する方法を紹介するので、参考にしてください。

1.現状の採用コストの無駄をカットする

まず、現在の採用コストを分析し、無駄がある箇所を洗い出しましょう。日頃から採用にかかった費用を内部コスト・外部コストに分けて分類・把握しておくと、無駄を見直すのに役立ちます。

内部コストがかかりすぎている場合は、マニュアルを整備して業務の無駄をなくすなどの取り組みを行うことが大切です。
外部コストを見直す際は、予算を削りすぎて採用担当者の負担が増えすぎないよう注意しましょう。単に費用を削るのではなく、応募率・採用率の低い求人媒体の利用を停止するというように、費用対効果を意識するのがおすすめです。

2.選考プロセスを整理し内部コストを抑える

選考プロセスの効率化は、内部コストの削減に直結します。たとえば、面接回数を必要最小限に抑えることで、面接官の時間的コストを削減できます。

また、オンライン面接の導入も効果的です。移動時間や会議室の確保にかかるコストを削減できるだけでなく、遠方の候補者とも容易に面接ができるようになります。ただし、オンラインには候補者の雰囲気を判断しづらいというデメリットもあります。最終面接は対面で行うなど、オンラインと対面のバランスを意識すると良いでしょう。

3.内定者フォローを行い辞退を防ぐ

内定者の辞退は、それまでの採用コストが無駄になるだけでなく、再度採用活動を行う必要が生じるため、コストが倍増してしまいます。

内定通知後も、内定者とこまめにコミュニケーションを取り、不安や疑問に丁寧に対応することで、辞退を防ぎましょう。また、内定者同士の交流会を開催したり、配属部署の情報を提供したりして、入社への期待感を高めるのもポイントです。

4.利用する採用サービスを見直す

現在利用している採用サービスが本当に効果的かどうか、定期的に見直しを行いましょう。採用サービスの利用料は外部コストの大きな部分を占めており、見直しによって大幅にコスト削減できる可能性が出てきます。

以下では、採用コストを抑えられる採用サービスを紹介するので、コストを見直す際は参考にしてください。

ダイレクトリクルーティング 

ダイレクトリクルーティングは、企業が直接求職者にアプローチする採用手法です。SNSを使って候補者と接触を図るやり方であれば、採用サービスの利用料はかかりません。ダイレクトリクルーティングサービスを使う場合でも、人材紹介に比べると利用料を抑えられるでしょう。

レバテックダイレクトは、ITエンジニア・デザイナー特化型のダイレクトリクルーティングサービスです。自社の希望条件で登録者を検索してアプローチできるので、コストを削減しつつマッチ度の高い採用を実現したい場合はぜひご利用ください。

以下の記事では、レバテックダイレクトの詳しいサービス内容を解説しています。
レバテックのスカウトサービスとは?サービスの特徴や企業の活用事例

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アルムナイ採用

アルムナイ採用とは、過去に自社で働いていた元社員を再雇用する採用方法です。元社員とのつながりがあれば採用サービスを利用する必要がないため、採用コストを抑えられます。自社をよく知る人材を迎え入れるため、即戦力としての活躍を期待でき、入社後の研修費用を削減できるのもメリットです。

リファラル採用

リファラル採用は、自社の従業員からの紹介で人材を採用する方法です。一般的には、紹介してくれた社員に対してインセンティブを支給しますが、その場合も採用サービスを使うのと比べてコストを抑えられるでしょう。自社をよく知る社員の紹介なのでミスマッチが少なく、入社後の定着率が高いと期待できます。

自社サイトを使った採用

自社のWebサイトに求人情報を掲載すれば、外部の求人サービスを使うコストを削減できます。
自社サイトであれば、字数などの制限がないため、社員インタビューや職場の雰囲気が伝わる動画を掲載するなど、各種のコンテンツを充実させることが可能です。事前に自社の事業内容や社内の様子を詳しく伝えることで、ミスマッチの防止にもつながるでしょう。

ハローワーク

ハローワークには無料で求人を掲載できるため、費用を抑えたい企業におすすめです。特に、地元の求職層が利用するため、地域に密着した採用に強いというメリットがあります。さらに、条件を満たせば雇用関連の助成金の受給も可能です。

ただ、民間の媒体と異なり、求人票の表現に制限があるため、自社の魅力を伝えにくい側面がある点には注意が必要です。

5.求人を見直しターゲット外からの応募を防ぐ

応募が集まらない場合、もしくは欲しい人材からの応募がない場合は求人原稿を見直しましょう。ターゲットではない層から応募がくると採用コストが無駄になる可能性があります。求人を作成する際は、求める像や応募条件を具体的に記載することで応募の質を高められます。

また、ターゲットが魅力に感じる要素を盛り込むことも大切です。たとえば、成長意欲が高い人材が欲しいのであれば、研修制度やキャリアアップ支援についての詳細を記載するのが効果的でしょう。

6.採用マーケティングに注力する

高額な外部媒体に依存するのではなく、企業が自ら情報発信する採用マーケティングを行うことでコストを削減できます。

具体的な取り組みとしては、自社の採用ページ(オウンドメディア)やブログ、SNSでの情報発信が挙げられます。
媒体によっては初期の制作費がかかりますが、長期的には外部の求人サイトを使うよりもコストを抑えた情報発信が可能です。社員の日常や仕事のやりがいなどの具体的な情報を発信することで、自社に興味を持った求職者からの応募を増やせるでしょう。

7.早期離職を防ぐ

せっかく人材を採用しても、早期に離職すると採用や教育に費やしたコストが無駄になってしまうため、退職を防ぐ取り組みは不可欠です。

中途採用に感じている課題

引用元:2024年版 中小企業白書|中小企業庁

中小企業白書によると、中途採用に感じている課題として、17.1%の企業が「早期離職が多い」を挙げています。この結果を見ると、多くの企業で早期離職が起こっており、採用コストの削減には、ミスマッチの防止や人材の定着が鍵になることが分かるでしょう。

ミスマッチを防ぐには、以下のような対策が有効です。

  • 求める人物像を明確にする
  • 適性検査を実施する
  • 社内見学会を実施する
  • 会社の課題について伝える

選考で自社と相性の良い候補者を見極められるように、事前に希望する経歴や保有スキル、人柄などの条件を明確にしておきましょう。候補者の適性を判断するには、適性検査を行うのも有効です。

また、入社後のギャップを防ぐには、入社前に社内の様子を知ってもらい、相性を確かめる社内見学の機会を設けると良いでしょう。面談や選考では、自社の魅力だけではなく課題も伝え、納得したうえで入社してもらうことが大切です。

8.助成金を活用する

採用活動に関連する助成金を活用することで、採用コストを削減できる可能性があります。以下のような助成金制度を上手に利用しましょう。

助成金の種類と支給の条件

9.フリーランスを活用する

フリーランスを活用すれば、正社員採用と比べてコストを抑えつつ、必要な人材を柔軟に確保できます。特に、短期プロジェクトや専門性の高い業務で人手が欲しい場合、正社員だけではなくフリーランスを視野に入れると良いでしょう。

実際に、BtoB領域でDX支援を行う株式会社クラブネッツは、事業拡大による人手不足をフリーランスの活用によって解消しています。同社では、プロジェクトが増加する中、社員育成が追いつかない状態が続いていました。そこで外部から人材を確保しようとPMの中途採用を試みますが、PMは企業の需要が高く採用はうまくいきません。

そこで、同社はレバテックフリーランスを利用し、3名のPMの確保に成功します。豊富な知識を持つフリーランスを迎えたことで社内の技術レベルが向上し、若手社員のレベルアップにもつながったといいます。
同社の成功事例の詳細は、以下の記事をご覧ください。
事業拡大により人材不足に。フリーランスのPMの活用により課題を解決|株式会社クラブネッツ

また、以下の記事ではフリーランスを活用する企業の割合を説明しています。フリーランスに興味がある方はこちらも参考にしてください。
採用単価の相場は?コスト削減方法やフリーランス活用の実態

レバテックフリーランスのサービス内容については、以下のページから資料をダウンロードできます。

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採用コストが上昇する理由

採用コストが上昇している主な要因は、市場における人材不足と企業間の採用競争の激化です。新卒採用においては、採用活動の長期化がコスト増に影響しているというデータもあります。それぞれ詳しく確認していきましょう。

人材が不足している

日本全体で人材不足が深刻化しており、有効求人倍率は高い水準で推移しています。企業は人材を集めるために上位の求人広告プランを選んだり、給与や待遇を改善したりする必要に迫られ、採用コストは増加傾向にあります。
求人広告以外に採用イベントやリファラル採用などの多様な採用手法を並行して実施する必要があることも、採用コストを押し上げる要因となっているでしょう。

特に、IT業界では人材獲得競争が激しさを増しており、レバテックの調査によると、IT人材の転職求人倍率(※)は11.6倍となっています(2024年12月時点)。
IT人材の中でもエンジニアの採用単価について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
エンジニア採用単価の相場は?上昇の理由とコスト削減できる採用手法を解説

※求人倍率の定義
【算出式】求人倍率=求人数÷転職希望者数
【求人数】レバテックのエージェントサービスで募集中の中途採用求人数
【転職希望者数】レバテックのエージェントサービスで正社員転職を希望している利用者数

参考:「セキュリティ」が転職求人倍率1位に、50倍超えの高需要|レバテック

採用活動が長期化している

コスト増の背景には、採用活動期間の長期化もあります。レバテックの調査によると、2026年3月卒の新卒エンジニア採用を行う企業の約3割が、「昨年度より採用開始時期が早くなった」と回答しました(回答数:新卒エンジニアの採用担当者241人)。採用開始時期を早期化した理由としては、優秀な人材に出会うためという動機が半数以上を占めています。

以下は、採用活動の長期化によって増えた負担の上位3つです。

  • 内定者向けの現場社員の面談の増加(56.0%)
  • 内定者向けイベント・研修の増加(39.6%)
  • 求人媒体(ナビサイト)の費用が増加(38.5%)

内定者向けの面談やイベント、研修が増加すると、その準備や実施に社員の労力を割くことになり、内部コストが増加します。求人媒体の費用増は外部コストの増加に直結するでしょう。
採用コストの推移に関してさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
採用コストの推移は?費用削減や人材を獲得する方法も紹介

採用コストに関するよくある質問

採用コストに関するよくある質問に回答します。

Q.一人あたりの採用コストはどれくらい?

一人あたりの採用コストは、利用する採用サービスに左右されることが特徴です。厚生労働省の資料によると、「民間職業紹介事業者(人材紹介)」で85.1万円、「求人情報誌・チラシ」で11.3万円、「インターネットの求人情報サイト」で28.5万円でした。ほかの手法だと、「スカウトサービス」で44.0万、「知り合い・社員等からの紹介」で3.4万円などとなっています。

Q.採用コストが上昇している理由は?

主な理由は、国内全体での人材不足が深刻化していることです。近年は少子高齢化の影響で労働人口が減少し、企業間の獲得競争が激しくなっています。採用難の中で採用活動が長期化したり、多様な採用チャネルを利用したりすることも、コスト増の要因となっているでしょう。

Q.採用コストを削減するには?

SNSを使ったダイレクトリクルーティングや社員の紹介によるリファラル採用であれば、比較的低コストで人材を採用できます。また、自社の採用ページを充実させることで、外部の求人サイトに依存せずに応募を集めることが可能です。

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