エンジニアキャリア採用離職率1.42%! SESでエンジニアがより良いキャリアを築くための営業とのチームワークのあり方とは

2021年8月17日

株式会社ウィルオブ・ワーク システムインテグレーション事業部

営業グループマネージャー 相原 雅史

大手総合人材サービス会社に11年勤務。在職中はゼネコン、設計会社向けプロポーザル受託サービスの立ち上げなど、技術系エンジニアに特化したサービス領域を経験し、2020年1月から現職。

株式会社ウィルオブ・ワーク システムインテグレーション事業部 

サーバーグループマネージャー 中島 真

大学卒業後、中堅のシステム開発会社にて13年勤務後、半年間の個人事業主を経て、事業立ち上げメンバーとしてウィルオブ・ワークに入社。入社以来、大手SIerのプロジェクトにサーバエンジニアとして参画し、Linux、Windows、仮想、クラウド環境下で様々なミドルウェアの設計構築に携わる。2021年4月に現職に就き、SIerに常駐し現場で活躍しながら部下の指導も行う。

株式会社ウィルオブ・ワーク システムインテグレーション事業部

ネットワークグループマネージャー 岡田 健太朗

大学中退後、飲食店でのアルバイトを経て、中堅SES企業に入社しシステムエンジニアに。2018年8月にウィルオブ・ワークへ入社後、大手SIerにて複数プロジェクトのマネジメント業務を経験。ネットワークエンジニア向けの研修プログラムを作成し、メンバーのネットワーク技術の向上にも努める。

「アサインされた現場が合わない」「キャリアアップの道が見えない」など、SES業界に対してネガティブな印象を持つエンジニアもいるかもしれない。その中でキャリア採用の離職率1.42%(2020年実績)を実現したチームが、株式会社ウィルオブ・ワークのシステムインテグレーション事業部だ。

働きやすい環境を作るため、またSESでキャリアを形成するために何が必要なのか。ウィルオブ・ワークで働く現場エンジニアと営業責任者のリアルな声を通じて、そのヒントを紐解いた。

多様な現場でスキルが身につく。見えてきたSESの魅力

——みなさん、そもそもSESに対してどのようなイメージを持っていましたか?

サーバーエンジニア・中島(以下、サーバー・中島):私はウィルオブ・ワークに入る前から長年SES業界で働いてきて当社で3社目です。その経験から、SESに対して「いろんな職場や環境で仕事ができる」、「自分でスキルを高められる」というポジティブなイメージを持っていました。「厳しい」「残業が多い」というネガティブな声も聞いていましたが、自分はこの環境で修行するんだという前向きなマインドが強かったので、むしろ好都合でした。

営業・相原:私も正直悪いイメージはありませんでした。ただ、私はずっと人材業界にいて、前職までは登録型派遣事業を担当することが多かったんですが、それだとどうしてもスタッフさんとともにキャリアを設計していくことが難しいとは感じていました。ウィルオブ・ワークのシステムインテグレーション事業部は全員が正社員雇用だったので、「一緒に悩みながらキャリアを積んでいけそう」と、魅力的に感じました。

ネットワークエンジニア・岡田(以下、ネットワーク・岡田):私はSES に対して正直それほど良いイメージはなかったです。実はこの業界に入るまで飲食店で働いていて、手に職をつけたいとネットワークエンジニアを志しました。IT業界未経験だったので最初はSESのことをよく知らなかったのですが、ネット上の記事や口コミを見ると「下請け仕事ばかり」「業務が単調」「あまり経験が積めない」などと書かれていて、次第にネガティブなイメージを抱くようになったんです。未経験からエンジニアを目指す上で、確かにちょっと不安はありました。

——実際、入社してそのイメージは変わりましたか?

サーバー・中島:それほどギャップはありませんでしたが、新しく学んだことは多かったですね。私はもともとシャイなタイプで、人と話すのもそれほど得意じゃないんです。でも、いろんな案件にアサインされるうち、技術的な部分でも周りにどんどん聞かないとキャッチアップできないですし、案件についていくためにも自分がオーナーシップをもって会議を開く場面もある。コミュニケーションについて少しずつ磨くことができたと思います。

ネットワーク・岡田:入社前に抱いていたイメージはほぼなくなりました。実際に働いてみると、上流工程の仕事もできますし、責任あるポジションも任せてもらえました。SESに入っていなかったら、きっとここまで早く成長できなかった。入社してSESに抱いていたイメージは真逆のものになりました。

営業・相原:私もいい意味でのギャップはありましたね。一般的に、こういうSESの場合って、なかなかエンジニアが希望を言ってくれないんですよ。でもウィルオブ・ワークではエンジニアの方から積極的に「こういう現場で働きたい」、「こういう技術を身につけたい」と言ってくれるので、その気持ちに応えることにベクトルを向けていればいい。エンジニアとのコミュニケーションが取りやすい環境だと思いました。

——「SESのエンジニアと営業はコミュニケーションがすれ違いやすい」という話も聞きます。今回はエンジニアと営業、双方のみなさんに集まっていただいたのですが、それぞれの立場でなぜこのような状況が起こると思いますか?

営業・相原:営業からすると、エンジニアのことを考えてアサインしていないから、というのが一番の原因だと思います。いくらクライアントが「BIG-IPの経験がある人をアサインしてほしい」と望んでも、社内にいるBIG-IP経験者が他のスキルを身につけたいと望んでいるとしたら、そこはいいアサイン先ではないんです。アサインされた結果、本人はその業務で「できることをやるだけ」になり、エンジニアの満足度は下がります。

これは営業サイドの評価の仕組みに要因があると思います。多くの場合、エンジニアの稼働率や稼働開始数が営業の目標になっていて、自分の数字を達成するためだけにエンジニアをアサインしてしまったり、クライアントを満足させることだけを考えてしまったり。エンジニアの立場で案件をアサインしていないから、営業の思惑とエンジニアの希望にミスマッチが起こり、結果的に仲が悪くなってしまうんだと思います。

ネットワーク・岡田:エンジニア側からすると、「コミュニケーション不足」の一言に尽きますね。SESのエンジニアは、客先常駐することが多く、本社とは必要最低限のコミュニケーションになりがちなんです。そもそもコミュニケーションが少ないから、互いが仕事をする上で何を大切にし、何を望んでいるのか相互理解できていない。だからやりとりもギスギスしたものになるんだと思います。

サーバー・中島:営業とエンジニアは会社から求められるものや実現したいことが違うんです。営業は売り上げなどの成績が求められる。一方、エンジニアはやりがいやスキルアップを実現したいと考えています。意見が違って当然なんですよね。それで双方のコミュニケーションが希薄になってしまい、険悪になりやすいのではないでしょうか。

エンジニア×営業の密なコミュニケーションで離職率1.42%を実現

——一方で、エンジニアと営業の関係が良好だと、どんな働き方や仕事のしかたが実現しますか?

サーバー・中島エンジニアとしてスキルアップが望めない、ある意味ブラックな案件にはアサインされなくなると思います。営業側が事前に十分なヒアリングをしてくれますし、配属先企業や案件を厳選してアサインしてくれるので、必然的にトラブルも少なくなるはずです。

前職では、最初に聞いていたのと異なる条件で契約が進んでいたため、希望していなかったのに結局その現場に入らざるを得なくなったことがありました。事前に営業の方とどういう案件で、自分の希望とマッチしているのかについて細かく意思疎通できていれば、このようなトラブルは防げたと思います。

ネットワーク・岡田:営業の方とこまめにコミュニケーションがとれて、現場で困ったことがあったらすぐに相談できるのはありがたいですよね。エンジニアとしては、とても心強いです。

あと、私はいま現場にいながらマネージャーをしているのですが、営業の方と一緒に商談に同席することがあります。エンジニアの立場から案件の詳細や現場の環境について直接クライアントに詳しく聞くことで、後から起きるミスマッチを事前に防ぐことができます。これも営業側との協力関係ができているからこそできる取り組みです。

エンジニア側の要望を営業やクライアントに直接伝えることができ、困ったことがあっても営業の方々がエンジニアを守ってくれる環境があれば、安心して案件に集中することができます。その結果、高い生産性を実現できますし、エンジニアのスキルアップにもつながると思います。

▲営業側と密に連携することで、クライアントから案件詳細をヒアリングできるという

——ウィルオブ・ワークでは、エンジニアと営業の関係構築のために、どのような取り組みをしているのですか?

営業・相原:エンジニアの要望を叶えられそうなプロジェクトを探し、できるだけそれに沿ってアサインするよう意識しています。正確に要望を汲み取れるように、技術に関する勉強会を営業の間で開催し知識を身につけたり、アサインできる案件の選択肢を増やせるよう新規顧客の開拓にも力を入れたりしているんです。営業側から積極的に関係構築すべきだと考え、エンジニアに働きかけることを心掛けています。

当社では、クライアント側が求めるスキルレベルに多少届かなくても、エンジニアが望めばその現場に入れるようクライアントに提案するようにしています。これは、クライアントの要望を聞くことを第一に動くSESの場合、とうてい実現できないことです。クライアントの求める条件を完璧に満たすエンジニアは「適材」ですが、エンジニアにとってそのような現場は「適所」ではないこともあります。私たちはエンジニアがより成長できる環境を用意し、居心地良く働いてもらいたい。エンジニアの要望を叶えるべくエンジニアに「全振り」できる営業組織やクライアントとの関係性を構築し、提案力を磨いています。

もちろんコミュニケーションも大切なので、エンジニアのみなさんとはこまめに連絡をとるよう心掛けています。営業側から2週間に1回ほどの頻度で今の状況を確認するようにしています。あとはエンジニアの方が出す週報を見て、稼働状況の変化があれば確認のために連絡をとるんです。話を聞くことで、「プロジェクトが炎上して大変だ」、「アサイン前に聞いていた条件と違う」など現場の状況がわかれば、タイムリーに解決方法を見つけてすぐ動くことができます。

サーバー・中島:エンジニア側として意識しているのは、営業と認識のずれが生まれないよう、自分の要望や許容範囲をあらかじめ明確に伝えてすり合わせることです。

営業の方々がエンジニアのことを第一に考えてくれていることが伝わってくるので、エンジニア側も「応えたい」という気持ちが芽生えて、要望をはっきり伝えるよう心掛ける。双方の努力が相互作用して、いい関係が築けているのだと思います。「同じ会社のメンバーとして会社を良くすること」がお互いの目標だと認識できているので、最終的に実現したいことも自然と揃ってくるんです。エンジニアにとっても営業にとっても働きやすい環境があるからか、昨年度はキャリア採用の離職率1.42%を実現しています。

▲エンジニアに「全振り」できる営業組織をつくることについて語っている相原さん

景色の違う両者が歩み寄れば、より良い働き方をつくっていける

——エンジニアの2人は、今後どのようなキャリアプランを描いているんでしょうか?

ネットワーク・岡田:まずはより多くの現場へ出向き、多様な経験を積むこと。これまでは設計のフェーズを担当することが多かったのですが、今後は要件定義のフェーズまで踏み込んで、プロジェクトマネージャーとして全体を管理できるようになりたいです。ゆくゆくはクライアントへの要件ヒアリングから、構築、リリースまで全工程に携われるエンジニアになるのがゴールです。そのために、SESの案件でより高いスキルを身につけていくつもりです。

マネージャーとしてチームメンバーのキャリアアップも図っていきたいと考えています。今は若手メンバーが運用フェーズ中心になりがちなので、構築や詳細設計のフェーズを経験できる現場を用意してあげたいです。

サーバー・中島:私もマネージャーとして若手エンジニアに技術や仕事のやり方、仕事先の選び方を教えていきたいと考えています。特に若手には「壁を乗り越えることで成長できる」という経験を積んでほしいですね。

——エンジニアとして望むキャリアプランを実現するために、SESだからこそできることは何だと思いますか?

サーバー・中島:SESでいろんな現場を経験すれば、望む技術を身につけられるようにもなりますし、よりステップアップした案件に関わったり新しい技術が身についたりすることで成長を実感できるはずです。私はいまの配属先でセキュリティ分野の新しい技術を扱っていて、この難しい技術の開発をチームメンバーにもぜひ経験してほしいのと、どうしたらそれを実現できるか営業側と相談しているところです。このようにいろんな現場を経験して望む技術を身につけられるのもSESエンジニアの醍醐味だと思います。

ネットワーク・岡田:短いスパンで新しいスキルを次々に習得できるのは魅力的ですね。縦割りで同じ仕事を長く担当するSIerなどと違い、SESは2〜3年で現場が変わります。ひとつの現場でスキルを身につけたら、また次の現場で新しいスキルを身につけることができる。いろいろな現場を経験できるSESの強みを活かせば、望んだキャリアプランを実現できると思います。

営業・相原待ちの姿勢ではなく、与えられたプロジェクトの範疇を超えて、能動的に技術を身につけていくことも大切ではないでしょうか。「スキルを身につけるためにこの現場で何ができるか?」と考えて業務を行うことで、次のキャリアを掴めるはずです。

▲マネージャーとしてチームメンバーのスキルアップを手助けするのも重要な役割だと話す中島さん

——エンジニアと営業が協力してより良いプロジェクトを実現するために、いまからできる第一歩はなんですか?

営業・相原:営業としては、できるだけエンジニアの立場に立って考えることからまずはじめたらいいのではないかと思います。SESエンジニアは、客先常駐で一人だけクライアント企業に配属されるという特殊な環境下で働くことが多いですよね。

エンジニアと営業で立場が違うため、全く同じ気持ちにはなれないのは当然です。ただ、エンジニアの方とより多くの会話を交わしてその人を知ることで、相手を思いやれたり尊敬できたりする。それがエンジニアとの協力関係に大きく影響するはずです。

サーバー・中島:エンジニアとしては自分のやりたいことや、自分のできる範囲はここまでといった要件の部分をしっかり営業側に伝えることが第一歩です。「営業はエンジニアのことなんて理解してくれない」とコミュニケーションを避けていると、回避できたはずのミスマッチも起こってしまいます。そもそも私たちは対立するために仕事をしているわけではありません。お互い幸せになること、そして会社を良くすることが共通の目標です。その目標を達成するために、お互いが大変な思いをしているのだと認め合って、足りない部分を補い合う気持ちが大事ではないでしょうか。

ネットワーク・岡田:そうですね、お互いを知ることが第一歩だと私も思います。エンジニアとしては、より営業側に自分たちの仕事をイメージしてもらえるように2、3枚のスライドを用意したり、共有会を開催したりすることはすぐにできるでしょう。仕事内容を知ることで苦労を知り、お互いを気遣えるようになり、エンジニアと営業の協力関係が生まれるんだと思います。

執筆:矢野由起
取材・編集:王雨舟、石川香苗子

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