2024年12月20日
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スペインのカスティーリャ=ラ・マンチャ大学(UCLM)などに所属する研究者らが発表した論文「Daily Step Count and Depression in Adults A Systematic Review and Meta-Analysis」は、一般成人における客観的に測定された1日の歩数とうつ病との関連性を分析した研究報告である。
この研究は、33件の研究データを統合して分析したメタ分析である。研究の内訳は横断研究が27件、縦断研究が6件(パネル調査3件、前向きコホート研究3件)。
対象となった成人は9万6173人で、18歳から90歳以上まで、幅広い年齢層を含んでいる。研究では、歩数計やスマートフォンなどで客観的に測定された歩数データを用いて分析を行った。
横断研究の結果、1日の歩数が多い人ほど抑うつ症状が少ない傾向が確認された。具体的には、1日5,000歩未満の人と比べて、10,000歩以上歩く人は抑うつ症状のスコアが統計的に有意に低く(標準化平均差-0.26)、7,500〜9,999歩の人でも同様に低い傾向(-0.27)がみられた。5,000〜7,499歩の人ではやや小さいものの、統計的に有意な低下(-0.17)が認められた。
さらに、前向きコホート研究の結果、1日7,000歩以上歩く人は、7,000歩未満の人と比べてうつ病を発症するリスクが31%低いことが判明した。
また、1日の歩数を1,000歩増やすごとに、うつ病発症のリスクが9%低下することも分かった。これは、わずかな歩数の増加でも、メンタルヘルスの改善に寄与する可能性があることを示している。
Source and Image Credits: Bizzozero-Peroni B, Díaz-Goñi V, Jiménez-López E, et al. Daily Step Count and Depression in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. JAMA Netw Open. 2024;7(12):e2451208. doi:10.1001/jamanetworkopen.2024.51208
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