最終更新日:2025年10月31日

RPAは自社開発できる?自社で開発を進める方法や成功のポイントを解説

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「定型業務の自動化で業務効率化を図りたい」「RPAを自社開発したいが、どうすれば良いか分からない」と悩んでいませんか?

近年、業務効率化の切り札として注目されているRPAは、自社開発を行うことも可能です。

この記事では、RPA開発に関する基礎知識から、自社開発のメリット・デメリット、具体的な開発ステップまで詳しく解説します。RPAの自社開発を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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RPAは自社開発できる?知っておくべき基礎知識

はじめに、RPA開発の基礎知識を解説します。

RPA開発とは?

RPA開発とは、人間が行う定型的なPC操作を自動化するためのソフトウェアロボットのプログラムを作成することです。このソフトウェアロボットの活用によって単純作業を自動化することで人的ミスを減らし、業務効率化を図ることができます。

RPAは、自社で開発することも可能ですし、開発の全部または一部を外部委託することもできます。自社で開発するかどうかについては、RPAを導入する目的や開発の規模などに合わせて検討すると良いでしょう。

RPAの開発手法

RPAの開発手法は難易度によって分かれており、「簡易型」と「開発型」の2種類があります。それぞれの特徴については、次のとおりです。

簡易型

簡易型のRPA開発は、PCの画面上の操作を記録し、その記録をソフトウェアロボットに実行させることで特定の業務を自動化する手法です。専門的なプログラミング知識がなくても、直感的な操作でソフトウェアロボットを作成できます。

たとえば、クリック操作やドラッグ&ドロップなどの単純な操作を記録できるため、プログラミングスキルを持たないスタッフでも開発が可能です。

ただし、条件分岐や例外処理などの複雑な処理については自動化が難しいため、比較的シンプルな業務の自動化に向いているといえるでしょう。

開発型

開発型のRPA開発は、簡易型よりも複雑な動作を実行するRPAを開発する手法で、「コーディング型」と呼ばれることもあります。

一般的にRPAツールには「ライブラリ」と呼ばれるさまざまな機能が標準装備されており、この機能を組み合わせることで、ロボットの動作をシナリオとして設定できます。しかし、複雑な条件分岐や例外処理など、ライブラリだけでは対応できない高度なシナリオを設定したい場合は、プログラミングにより機能を追加しなければなりません。

このことからプログラミングによる「開発型」は、複雑な業務を自動化させたい場合や、数百~数千人規模の企業で大規模なRPAを全社運用させたい場合に向いています。ただし、開発にはC言語やJava、Python、VBScriptなどのプログラミング知識が必要となる点には注意しましょう。

高度なRPA開発を行いたいのに社内にプログラミングスキルを持つ人材がいない場合は、フリーランスエンジニアを活用することもおすすめです。

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RPAを自社開発するメリット

次に、RPAを自社開発するメリットを3つ紹介します。自社開発か外部委託かで迷っている場合の参考にしてください。

コストを抑えられる

RPAを自社で開発するメリットは、外部委託と比べてコストを抑えられることです。外部委託の場合は、初期開発費用はもちろん、仕様の変更や追加開発のたびに費用が発生し、その規模によっても費用は変動します。

一方、自社開発であれば、RPAツールのライセンス料は発生しますが、その他の開発コストを最小限に抑えられるのです。

業務の効率化は継続して取り組むものであるため、RPA導入後も改善を繰り返す必要があるでしょう。そのため、長期的に見ると、自社の社員がRPAの開発知識を身につけることで、自社開発の方がコストを抑えられる場合があるのです。

社内に開発手法や業務改善のノウハウを蓄積できる

自社でRPAを開発することで、開発手法や業務改善の知見を社内に蓄積できます。これにより、新たなRPA開発や仕様変更を行いたい場合でも自社でスムーズに対応できます。

また、自社開発の際に業務フローを見直す過程で、これまで気づかなかった非効率な作業や改善点が明らかになることがあるかもしれません。こうした気づきは、企業全体の最適化につながる貴重な資産となるでしょう。

エラー発生時に迅速に対応できる

RPAを自社開発すれば、エラーや不具合が発生した際でも、社内で迅速な対応が可能となります。外部委託の場合は、問題発生時に連絡や調整を行うため、対応に時間がかかることがあります。しかし、自社開発であれば、社内に開発担当者がいるため、すぐに対応できるのです。

また、日々の業務の中で生じる小さな改善要望にもタイムリーに対応できるため、RPAの完成度を継続的に高めていくことができます。そのため、より現場に最適化された自動化の実現が可能になるでしょう。

RPAに限らず、システム開発の内製化のメリット・デメリットを下記の記事で解説しています。自社開発を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。
システム内製化のメリット・デメリットは?注目の理由や成功ポイント

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RPAを自社開発するデメリット

RPAの自社開発にはメリットがある一方で、いくつかの課題も存在します。導入を検討する際は、以下のデメリットも十分に理解しておきましょう。

開発担当者を確保・育成する必要がある

複雑な処理を行うRPAや大規模なRPAを自社で開発するには、プログラミングの知識を持つ開発担当者の確保と育成が必要です。人材確保のための採用コストや、教育にかかる費用と時間的コストも考慮しなければなりません。

また、担当者が退職する場合に備え、複数人で開発知識を共有できる体制づくりも重要となります。

新たにRPAの開発担当者を確保して育成する手間やコストを考えると、IT部門がない企業や中小企業などは、外部委託を行う方が効率が良いケースもあるでしょう。

開発できる範囲が社内の技術力に依存する

自社開発の場合、実現できるRPAの機能や複雑さは社内の技術力に左右されます。高度な処理や例外対応が必要なケースでは、技術力不足により十分な機能を実装できない場合があるのです。

複雑な機能を持つRPAを開発したいのに、社内の技術レベルでは対応が難しいという場合は、フリーランスエンジニアを活用するという方法もあります。自社の状況や開発したいRPAの規模に応じて、正社員エンジニアとフリーランスエンジニアを柔軟に使い分けることもおすすめです。

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RPAの自社開発を進める5つのステップ

RPAの自社開発を成功させるには、計画的に段階を踏んで進めることが大切です。ここでは、効率的にRPA開発を進めるための5つのステップを順番に解説します。

1. RPAで自動化する業務を洗い出す

まずは、業務改善のためにRPAで自動化させたい業務を洗い出しましょう。「効率化したい業務がRPAで実現可能かどうか」「どの範囲まで自動化できるかどうか」を把握する必要があるためです。

具体的には、社内の定型業務の中から、手作業で行っているために時間がかかっている作業や、繰り返しの作業をリストアップしましょう。例としては、データ入力やレポート作成、申請処理などの業務が自動化の候補となります。

業務の洗い出しの際は、各部門のメンバーから直接意見をヒアリングできる場を設けたり、メールやツールなどを活用したアンケート調査を行ったりすると良いでしょう。そこから「作業時間が長い」「業務の頻度が高い」「人的なケアレスミスが発生しやすい」といった観点で優先順位をつけることで、候補を絞りやすくなります。

2. 自動化したい業務の要件定義を行う

1で洗い出した業務について、「何を」「どのように」自動化するかを具体的に定義しましょう。RPA開発のシナリオを作成するためには、効率化したい業務フローを可視化して、自動化する業務の範囲を明確にする必要があるからです。

方法としては、自動化させたい業務内容や手順などをフローチャートにまとめます。可視化しておくと良い項目は以下のとおりです。

  • 業務名
  • 作業手順(おおまかな流れ)
  • 具体的な操作方法(クリックするボタンやコピー&ペーストの動作など)
  • 操作対象のシステムやサイト、ファイル名
  • 例外パターンやエラー時の対応策

また、自動化させたい業務を可視化していく中で、非効率な作業や手順が見つかった場合は、必要に応じてフロー自体を改善することをおすすめします。従来のやり方にこだわらず、最適な手順を選択することで、RPAによる業務効率化の成功につながるのです。

3. RPAシナリオを作成する

設定した要件定義に基づき、RPAのシナリオ(プログラム)を作成しましょう。2でまとめたフローチャートに沿ってソフトウェアロボットの動作を設計していくことで、動作の抜け漏れや作業の重複を避けられます。

途中で手戻りが発生すると修正に時間がかかる場合が多いため、シナリオ作成の際は、要件やフローチャートと相違がないよう、細部まで確認しながら進めることが大切です。

なお、利用するRPAツールによって、こまかな操作方法が異なるため、シナリオ作成前にはRPAツールのマニュアルを事前に確認しておきます。

4. 動作テストを行う

RPAシナリオを作成したら、正しく動作するかをテストします。動作テストには、「単体テスト」「結合テスト」「本番データテスト」「耐久テスト」の4種類があります。

  動作テストの種類と内容を示す表

上記のテストを実施し、動作に問題がないことを確認したら、現場への導入を行います。なお、テスト結果は文書化しておき、運用開始後の参考資料として活用できる状態にしておくと良いでしょう。

5. 定期的にメンテナンスを実施する

RPAの運用を開始したら、定期的にメンテナンスを実施しましょう。特にRPAの導入直後は、エラーの発生率が高まるため、こまめな調整や改善を行い、RPAの精度を高めていくことが大切です。

また、業務フローの変更や対象システムのアップデートなどがあった場合も、RPAシナリオの更新が必要になる場合が多いため、継続的な点検と必要に応じた修正を行いましょう。

メンテナンスの際は、必ず履歴を残しておくことも重要です。担当者が変わった場合や、新たなRPA開発の際の参考資料となるためです。

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RPAの自社開発を成功に導くポイント

RPAの自社開発を成功させるには、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが大切です。ここでは、主な3つのポイントを解説します。

開発の難易度や必要な工数を把握しておく

RPAの自社開発を始める前に、開発の難易度と必要な工数を明確にしておきましょう。これらを把握していないと、現実的なスケジュールを立てられず、計画的に開発が進まないおそれがあるためです。

特に複雑な条件分岐や例外処理が多い業務は、開発難易度が高くなり、シナリオはより複雑になります。高度なプログラミング知識や技術力が必要となるため、社内に対応できる人材がいるかどうかを確認しておく必要があるのです。

また、必要な工数を見積もる際は、開発時間だけでなく、要件定義やテストなどの時間も含めて算出しましょう。複雑な処理であればあるほどエラーが発生するリスクが高まるため、修正を行う時間も考慮してスケジュールを立てることをおすすめします。

達成可能な目標に基づいてシナリオを設計する

RPAの開発では、達成可能な目標を設定してシナリオを作成することが大切です。目標が現実的でなかったり、曖昧だったりすると、シナリオのゴールが見えず、具体的なフローが構築できないためです。

具体的には、業務の自動化により、どのような効果をもたらしたいのかを明確にした上でシナリオを設計しましょう。工数・人員の削減率やエラー発生率などの数値目標を設定すると、目標が可視化できます。

その上で、どの業務を自動化するのか、どのような順序でどういった処理を行うかを設計すると良いでしょう。

下記の記事では、業務全般における内製化の進め方や内製化の判断基準を解説しています。RPAの自社開発を検討する際の参考にしてください。
内製化のメリット・デメリット!失敗しない方法や外注と迷ったときの対処法

開発者のスキルレベルを把握しておく

開発を担当するメンバーのスキルレベルを把握しておくことも重要です。開発者のスキルと開発の難易度がマッチしていないと、完成の遅延やエラー発生率の増加などの問題が発生する可能性があるためです。

開発者のスキルが十分でない場合は、研修の機会を設けたり、徐々に複雑な業務の自動化にチャレンジしてもらいスキルアップできるようにしたりするのも良いでしょう。

また、一部の複雑な開発はフリーランスエンジニアに任せるという方法もあります。フリーランスであれば、必要なときだけ特定のスキルや知識を持つエンジニアに依頼できるのです。

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RPAの自社開発に関するよくある質問

最後に、RPAの自社開発に関してよく寄せられる質問にお答えします。

Q. RPAを導入するメリットは何ですか?

RPAを導入する主なメリットは、業務の効率化を図れることです。これまで手作業で行っていた業務を、ソフトウェアロボットが自動化してくれるため、人的コストやヒューマンエラーを軽減できるのです。

また、社内のDX推進の効果も期待できます。DXとは、「デジタルトランスフォーメーション」の略称で、デジタル技術により、企業のビジネスモデルや業務プロセスを変革し、競争力を強化する取り組みです。

RPAは、ソフトウェアロボットにより特定の業務を自動化する技術のため、多くの企業でDX推進の初期段階や業務改善の一環として導入されています。

社内DXの詳細については、下記の記事でも解説しています。RPAの導入以外にも、社内DXによるさまざまな業務効率化の実践例を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
社内DXとは?具体例や推進に向けた4ステップ

Q. RPAの自社開発は難しいですか?

RPAの開発手法には「簡易型」と「開発型」の2種類があり、難易度が異なります。

「簡易型」は、PCの画面上の操作をソフトウェアロボットに記録させることで、特定の作業を自動化させる手法です。ただし、条件分岐や例外処理などの複雑な処理を実行することが難しいため、シンプルな業務を自動化したい場合に向いています。

一方で「開発型」は、「簡易型」よりも複雑な業務を自動化させる手法で、難易度が高くなります。RPAツールには一般的に「ライブラリ」というさまざま機能があり、この機能を組み合わせることで、ロボットの一連の動作(シナリオ)を設定することが可能です。

ただし、より複雑な条件分岐や例外処理などの高度なシナリオの場合は、ライブラリだけでは対応できないため、プログラミングにより機能を追加する必要があります。そのため、高度な動作を行うRPAを開発する場合は、専門的なプログラミング知識やスキルが必要になるのです。

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