最終更新日:2025年10月10日

早期離職の損失コストはどれくらい?損失額の内訳と原因・対策を解説

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早期離職によるコスト損失は多くの企業が直面する深刻な課題です。たとえば、入社から3ヶ月で退職した場合、新卒社員では200万円、中途採用者では250万円もの損失になるとされています。

この記事では、早期離職によるコスト損失の内訳や、早期離職の原因と防止策を解説していきます。課題の解決に向けた第一歩として、ぜひご一読ください。

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早期離職による損失は200~250万円

早期離職は多くの企業が抱える深刻な課題です。たとえば、入社から3ヶ月で退職した場合、新卒採用では200万円程度、中途採用では250万円程度の損失が発生すると考えられます。

この金額は、採用活動にかかる費用や給与などの人件費、教育研修費に加え、組織の生産性低下による損失を合計したものです。内訳については次の章で詳しく解説します。

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早期離職のコスト損失の内訳

早期離職により損失するコストの内訳は、主に「採用コスト」「育成コスト」「組織としての士気・生産性の低下による損失」です。それぞれについて以下で解説します。

採用コスト

採用コストとは、採用活動にかかる費用のことです。具体的には求人広告費や採用選考の実施費用、人事担当者の人件費などが含まれます。

一般的な採用コストは、新卒採用で約90万円程度、中途採用では約100万円程度です。新卒採用よりも中途採用のコストが高い理由としては、中途採用では即戦力を求める傾向にあるためです。即戦力となるスキルや経験を持つ人材は多くの企業が求めているため、採用コストが上がります。

採用コストは人材が定着して活躍すれば投資として回収できますが、早期離職が発生した場合は無駄な費用となってしまいます。さらに、早期離職で空いた穴を埋めるため、再度採用活動を行う必要があり、追加でコストが発生します。

採用コストの相場や計算方法については、下記の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
一人当たりの採用コストの相場は?費用の内訳や削減のコツ

育成コスト

早期離職の損失として、育成コストも含まれます。育成コストとは、主に人件費と教育コストの2つに分けられ、入社後に発生する費用です。以下で詳しく解説します。

人件費

人件費は、従業員に支払う給与に加えて、賞与や福利厚生費などを含めた総額を指します。計算方法は以下のとおりです。

人件費 =(給与+賞与+福利厚生費)×在籍月数

※役職手当や退職金は除外しています

厚生労働省が発表している「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、ひと月当たりの給与の平均は、新卒で約24.8万円(大学卒)、中途採用で約33万円となっています。また、「毎月勤労統計調査令和7年6月分結果確報」によると賞与の平均は約22.4万円です。

さらに、日本経済団体連合会の「2019 年度福利厚生費調査結果の概要」によれば、福利厚生費の平均は月額約10.8万円となっています。

これらを踏まえると、3ヶ月で退職した場合の人件費の相場は以下のように計算できます。

新卒の場合:(24.8万円×3ヶ月)+(22.4万円÷12×3ヶ月)+(10.8万円×3ヶ月)= 約112万円
中途採用の場合:(33万円×3ヶ月)+(22.4万円÷12×3ヶ月)+(10.8万円×3ヶ月) = 約137万円

人件費の計算方法や業界ごとの目安などは、下記の記事で紹介しています。気になる方は参考にしてみてください。
人件費の計算方法は?適正値の算出方法や業界ごとの目安も紹介

教育コスト

育成コストには、人件費だけでなく、採用した人材に対して行う研修の費用といった教育コストが含まれます。

産労総合研究所が発表している「2024年度 教育研修費用の実態調査」によると、2023年度の従業員一人あたりの教育研修費用は34,606円です。しかし、この金額は直接的な研修費用のみであり、実際にかかるコストはこれだけではありません。たとえば、以下のようなコストも発生しています。

  • 先輩社員が新入社員に教える人件費
  • 研修のための会議室や設備の準備コスト

そのため、実際は上記の研修費用以上にコストがかかっている場合が多いのです。一般的には、研修期間は1~3ヶ月程度とされており、この期間の人的コストも含めると、一人あたり10万円以上の教育コストがかかると考えられます。

組織としての士気・生産性の低下による損失

入社したばかりの社員がすぐに離職することで、組織の士気や生産性が下がり、損失を生む場合があります。士気や生産性を低下させる要因としては、以下が挙げられます。

  • 残された社員の業務負担が増加する
  • 採用・教育を担当した社員のモチベーションが低下する

これらの要因により、生産性や売上に影響を与えたり、連鎖退職が発生したりする可能性があります。こうした見えにくい部分も、早期離職による損失といえます。

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早期離職が起こる原因

レバテックが実施した調査によると、早期離職が起こる主な原因として「成長が感じられない(22.7%)」「案件・領域が希望と異なる(17.6%)」「企業文化や価値観のミスマッチ(10.9%)」「人間関係(7.6%)」という回答が挙げられています。こちらはIT人材を対象に行った調査ですが、業種を問わず多くの企業で共通する課題といえるでしょう。

IT人材における早期離職の理由に関する調査結果

出典:IT人材の早期離職が「増加した」と約4割の採用担当者が回答、 AI活用によるミスマッチ防止も|レバテック株式会社

以下で、早期離職の代表的な原因について解説していきます。

従業員のスキル(キャリア)アップを支援できていない

スキルやキャリア形成の機会が少ないと、従業員は自分の成長を感じられず、早期離職につながりやすくなります。たとえば、「ここにいても成長できない」「何もやらせてもらえない」といった不満が蓄積すると、より良い成長機会を求めて転職を考えてしまいます。

特に成長意欲が高い社員は、自身のキャリア形成を重視する傾向があるため、スキルアップやキャリアアップ支援がないと離職につながりやすいです。

採用時にミスマッチがある

採用時にミスマッチに気づかないと、採用者が入社後に大きなギャップを感じ、早期離職につながるケースがあります。たとえば、以下のような場合が挙げられます。

  • 希望していた業務と実際の割り振りが異なる
  • 企業文化や価値観、働き方が想定と違う
  • 描いていたキャリアプランと提示されるキャリアパスの方向性が違う

特に、業務に対して理解の浅い新卒や未経験者で、このようなミスマッチが起こりやすいです。応募者が抱く企業イメージと実態のギャップを小さくすることが、早期離職防止につながります。

採用時のミスマッチの原因や防止する方法については、下記の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。
採用ミスマッチを防ぐには?原因やデメリット、具体的な対策を解説

適切な労働環境が整備されていない

適切な労働環境が整備されていないと、早期離職につながりやすいです。具体的な例としては、給与が業界水準と比較して低かったり、残業が多すぎたりすることが挙げられます。「同業他社で働く友人と比べて給与が低い」「プライベートの時間が確保できない」などの不満が募ると、離職を考えてしまいがちです。

働き方改革が進む現代では、労働環境の良し悪しが従業員の定着率に大きく影響するため、業界の水準を把握し適切な労働環境を整えましょう。

社内の人間関係が合わない

コミュニケーション不足や人間関係が合わないことも早期離職の原因です。新入社員にとって職場の人間関係は、業務の進行に直結する重要な要素であるため、上手くいかないと大きな負担となります。

たとえば、「先輩が不愛想で質問しづらい」「上司が忙しすぎて、あまり話す機会がない」などの環境だと、困ったときに頼れず、大きな失敗につながってしまうこともあるでしょう。そうなると、さらにコミュニケーションがとりづらくなってしまいます。入社した段階から孤独感を感じさせない環境を作ることが大切です。

下記はエンジニア採用に関する資料ですが、どの業界にも共通する内容であるため、早期離職を防ぐヒントとしてぜひご覧ください。

エンジニア採用担当者必見!「エンジニア採用要件のNGパターン」とは?
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早期離職を防ぎコスト損失を避ける具体的な対策

先述したレバテックの調査によると、IT業界では早期離職対策として、「入社後のサポート強化」「採用段階でのミスマッチ防止」「労働環境の整備」「密なコミュニケーション」などを実施しているようです。ここでは、これらの対策について解説します。

IT業界における定着率向上のための施策内容に関する調査結果

出典:IT人材の早期離職が「増加した」と約4割の採用担当者が回答、 AI活用によるミスマッチ防止も|レバテック株式会社

入社後の成長支援を徹底する

スキルアップやキャリアアップの機会が少ないことが早期離職の原因となり得るため、防止するには入社後に成長支援を徹底することが効果的です。具体的には以下のような取り組みが考えられます。

  • メンター制度
  • オンボーディング強化
  • 社内勉強会
  • キャリア面談

これらの施策を通じて、社員が成長でき、望むキャリアを実現できる環境を整えることが重要です。

採用段階でのミスマッチを防止する

採用プロセスの中で、企業理念や社風、業務内容などを明確に伝えることで、入社後のギャップを小さくすることができます。また、応募者の志望理由を深掘りすることも大切です。候補者の志向や価値観を確認することで、組織との相性を見極めることができます。

新卒の場合は、インターンシップを実施するのも有効な手段です。実際の業務や職場の雰囲気を体験してもらうことで、入社後のミスマッチを減らし、早期離職を防げます。

労働環境を整える

労働環境の改善も早期離職対策として効果的です。給与や残業の量、休暇の取りやすさ、評価制度が適切であるか見直しましょう。

レバテックの調査によると、新卒エンジニアの採用市場では、新卒の早期離職を防ぐ取り組みとして、「初任給の引き上げを実施する」が1位となっています。業界水準に見合った待遇を提供することで人材の定着につなげる企業が多いと考えられます。

早期離職を防ぐために新たに行う取り組みに関する調査結果

出典:新卒エンジニア採用を実施する企業の約4割が、 25卒の採用目標に届かず|レバテック株式会社

密にコミュニケーションをとれる環境を作る

早期離職を防止するには、密にコミュニケーションを取れる環境を作ることも重要です。定期的なフォローアップ面談を実施し、社員が感じる負担や悩みに対して改善を行うことで、不満が蓄積する前に対処できます。

また、業務チャットツールやビデオ会議ツールなどのコミュニケーションツールを導入することで、連携や情報共有がしやすくなります。特にリモートワークが増えた現代では、オンライン上でのコミュニケーション環境を整えることも重要です。

早期離職を防止するには、採用時に応募者の希望条件を理解することも大切です。エンジニア採用を考えている方は、以下のエンジニアが求める条件について解説した資料を参考にしてみてください。

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早期離職に関するよくある質問

ここでは、早期離職に関するよくある質問に回答しています。類似の疑問を持つ方は参考にしてみてください。

Q. 早期離職による損失額はいくらですか?

早期離職による損失額は、入社から3ヶ月で退職した場合、新卒で200万円程度、中途採用で250万円程度と考えられます。この金額には、採用活動にかかるコストや、人件費、教育コストなどの育成コスト、組織の生産性低下による損失が含まれます。

Q. 早期離職が企業に与えるデメリットは何ですか?

早期離職が企業に与える主なデメリットは、以下の3つです。

  • 採用費や研修費など金銭的なコストの損失
  • ほかの社員の士気や生産性の低下
  • 「早期離職が多い会社」という企業イメージの定着

早期離職の問題を放置すると、これらのデメリットが発生します。また、連鎖的な離職を招く悪循環に陥る可能性があるため、早期の対応が必要です。

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