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精算幅とは、フリーランスに報酬を支払う際に用いる概念のことです。精算幅を設定しておくと、実際の稼働時間に応じて超過精算や控除精算を行い、柔軟に報酬を支払うことができます。
この記事では、精算幅とは何なのか、どうやって計算すれば良いのかをまとめました。月の途中から参画した場合の計算方法や、精算幅以外の支払い方法も紹介するので、フリーランスの活用を考えている担当者はぜひ参考にしてください。
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目次
精算幅とは、準委任契約を結んだフリーランスに報酬を支払う際、考慮すべき月間の契約時間の幅のことです。
一般的に、フリーランスと契約を結ぶ際は、「140~180時間稼働した場合、80万円を月額単価とする」というように、上限と下限を指定した基準時間と基本単価を設定します。精算幅は、この基準時間の上限と下限の幅を指しています。
精算幅を設定するのは、残業が増えた際の手続きを簡略化しつつ、営業日数が少ない月の報酬の過払いを防ぐためです。
IT業界では、予期せぬ障害対応や納期前の仕様変更などで想定した工数がブレることが少なくありません。その際に、精算幅を設けておけば、一定範囲内の変動であればその都度契約を修正する負担を抑えられます。また、年末年始や大型連休など営業日数が少ない月であっても、下限時間を下回れば控除精算ができるため、発注側が実稼働に見合わない過剰な報酬を支払うリスクを防げます。
実際に報酬を支払うときは、フリーランスが稼働した時間が基準時間内であれば基本単価を支払います。「精算幅:140~180時間/月額単価:80万円」の契約を例にとると、フリーランスがひと月に140時間稼働した場合も、180時間稼働した場合も、どちらも80万円の報酬を払うということです。
なお、精算幅を使った契約は、特にエンジニアをはじめとするIT人材の採用・活用シーンで多く用いられます。IT人材の採用市場について知りたい方は、レバテックが調査した「IT人材白書2026」をご覧ください。
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フリーランスと準委任契約を結ぶ際、よくある精算幅は「140~180時間」です。これは、1日の稼働時間を8時間、月の平均稼働日数を20日とし、平均的な稼働時間である160時間(8時間×20日=160時間)の上限・下限として±20時間を定めたものです。
ただ、実際の精算幅はプロジェクトによって変わることもあり、上限を200時間とする契約もあります。フルタイムより少ない稼働時間を見積もる場合は、上限時間が180時間以下になることもあり得るでしょう。

実際の稼働時間が精算幅に収まらなかったときは、以下のように状況に合わせてその分の精算を行う必要があります。
精算方法には、「上下割」と「中割」の2種類があるので、それぞれやり方を確認しましょう。
上下割とは、下限時間と上限時間で月額単価を割る計算方法です。
実際の稼働時間が精算幅の上限を上回っていた場合は、「超過精算」を行い、1時間あたりの超過単価を算出します。たとえば、「精算幅:140~180時間/月額単価:80万円」の契約で、実際の稼働時間が200時間(上限を20時間超過)だった場合、支払額は以下の手順で計算します。
【(1)超過単価(1時間あたりの金額)を出す】
| 月額単価 ÷ 精算幅の上限時間 └800,000円 ÷ 180時間 = 4,444円/時間 |
【(2) 超過分の精算額(追加で支払う額)を出す】
| 超過単価 × 超過時間 └4,444円 × 20時間 = 88,880円 |
【(3)実際に支払う報酬額(合計)を出す】
| 基本の月額単価 + 超過分の精算額 └800,000円 + 88,880円 = 888,880円 |
このように、「精算幅:140~180時間/基本単価:80万円」で契約を結び、実際の稼働時間が200時間だった場合の支払額は、888,880円であると分かります。
実際の稼働時間が精算幅の下限を下回っていた場合は、控除精算を行い1時間あたりの控除単価を求めましょう。「精算幅:140~180時間/基本単価:80万円」という契約を結んでいて、実際の稼働時間が100時間(下限を40時間下回る)だった場合、支払額は以下の手順で計算します。
【(1)控除単価(1時間あたりの金額)を出す】
| 月額単価 ÷ 精算幅の下限時間 └800,000円 ÷ 140時間 = 5,714円/時間 |
【(2)控除分の精算額(差し引く額)を出す】
| 控除単価 × 不足時間 └5,714円 × 40時間 = 228,560円 |
【(3) 実際に支払う報酬額(合計)を出す】
| 基本の月額単価 - 控除分の精算額 └800,000円 - 228,560円 = 571,440円 |
このように、「精算幅:140~180時間/基本単価:80万円」の契約で100時間稼働した場合の最終的な支払額は、571,440円となります。
次に、中割の計算方法を紹介します。中割とは、上限時間と下限時間の中間の数字を使って1時間あたりの単価(中割単価)を算出し、その単価をもとに実際の報酬額を求める方法です。たとえば、「精算幅:140~180時間/月額単価:80万円」という契約を結んでいる場合は、まず以下の手順で中割単価を求めます。
※フリーランス向けの案件で中割を行うものは少なく、報酬は上下割で求めるのが普通です
【(1)中間の時間(平均時間)を出す】
| (下限時間 + 上限時間)÷ 2 └(140時間 + 180時間) ÷ 2 = 160時間 |
【(2)中割単価(1時間あたりの金額)を出す】
| 月額単価 ÷ 中間の時間 └800,000円 ÷ 160時間 = 5,000円/時間 |
このように、中割では1時間あたりの単価は5,000円となりました。以下では、この中割で算出した単価(5,000円/時間)をベースに、稼働時間が精算幅を超過した場合と下回った場合の実際の支払額の計算方法を紹介します。
仮に実際の稼働時間が200時間(上限を20時間超過)だった場合は、上記で算出した中割単価(5,000円)をもとに、以下の手順で支払額を計算します。
【(1)超過分の精算額(追加で支払う額)を出す】
| 中割単価 × 超過時間 └5,000円 × 20時間 = 100,000円 |
【(2)実際に支払う報酬額(合計)を出す】
| 基本の月額単価 + 超過分の精算額 └800,000円 + 100,000円 = 900,000円 |
このように、中割単価をベースとした場合、200時間稼働した際の最終的な支払額は900,000円となります。
実際の稼働時間が100時間(下限を40時間下回る)だった場合は、中割単価(5,000円)をもとに、以下の手順で支払額を計算します。
【(1)控除分の精算額(差し引く額)を出す】
| 中割単価 × 不足時間 └5,000円 × 40時間 = 200,000円 |
【(2)実際に支払う報酬額(合計)を出す】
| 基本の月額単価 - 控除分の精算額 └800,000円 - 200,000円 = 600,000円 |
このように、中割単価をベースとした場合、100時間稼働した際の最終的な支払額は600,000円となります。
契約を結んだフリーランスに月の途中から稼働してもらう場合、もしくは月の途中で解約する場合は、その月の報酬は日割りで計算することが多くなります。日割り計算では、稼働日数を営業日数で割った数字に月額単価を掛け合わせて日割りした金額を求めるのが一般的です。
例として、「精算幅:140~180時間/月額単価:80万円」で契約を結び、参画した月の営業日数が20日、実際の稼働日数が10日だった場合の精算を行ってみましょう。
【(1)日割り後の月額単価を出す】
| 月額単価 × (稼働日数 ÷ 営業日数) └800,000円 × (10日 ÷ 20日) = 400,000円 |
【(2)日割り後の精算幅(下限・上限)を出す】
| 下限時間: 140時間 × (10日 ÷ 20日) = 70時間 上限時間: 180時間 × (10日 ÷ 20日)= 90時間 |
このように、月の途中で参画した場合は「精算幅:70~90時間/月額単価:40万円」をその月の基本条件として、実際の稼働時間に応じた精算(超過・控除)を行っていきます。

フリーランスの報酬を決める方法としては、精算幅の概念を使わず月額固定とする場合もあります。
月額固定では、月の稼働時間に関わらずあらかじめ設定した額の報酬を支払います。稼働時間が多くなった場合も、想定より稼働時間が少なかった場合も、月の単価が変動することはありません。ただ、稼働時間が著しく多くなることが予想される場合、月額固定での支払いはフリーランスにとって不利な条件になるため注意が必要です。
また、月額固定は営業日が少ない年末年始や大型連休がある月も報酬を下げられないため、IT業界では精算幅を用いることが多くなります。
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フリーランスと契約を結ぶ際は、後々のトラブルを避けるためにも精算方法は契約を結ぶ前に確認することが重要です。精算幅を使う場合は、以下を明確にしましょう。
また、報酬の支払いに関しては以下の事項もあらかじめ説明しておくと良いでしょう。
このほかにも、前もって業務内容を明確にしておくことで、稼働を開始してから想定外の追加料金が発生するのを防げます。業務委託契約を結ぶ際の注意点を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
業務委託契約でありがちなトラブルと5つの対策方法
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フリーランスへの支払いで用いられる「精算幅」についての疑問に答えていきます。
精算幅とは、準委任契約においてフリーランスに報酬を支払う際の基準となる月間の稼働時間の幅のことです。たとえば、「140~180時間働いた場合、80万円を月額単価とする」という契約を結ぶ場合、上限と下限を指定した時間の幅が精算幅となります。
一般的な精算幅は、140~180時間です。この時間は、1日の稼働時間を8時間、月の平均稼働日数を20日とした場合の平均稼働時間である160時間(8時間×20日=160時間)に、上限・下限として±20時間を定めたものです。
クライアント側が、月による営業日数の変動に応じた報酬を支払うためです。報酬の支払い方法を月額固定にすると、大型連休などで営業日が少ない月も報酬を下げることができません。精算幅を採用すれば、フリーランスの稼働時間が設定した下限時間を下回る月は、報酬額を減らすことが可能です。

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