「楽しく学び、自身の成長を実感できる」PwCコンサルティングでエンジニアとして働く若手座談会

2023年11月28日

PwCコンサルティング合同会社 シニアアソシエイト

深澤 恵太

2018年入社。前職は独立系IT企業のSEとして常駐先でのシステム開発や自社向けのAI研究開発に従事。PwCコンサルティング入社後は、RPA導入支援や上海チームとの連携によるプロダクト開発、社内向けWebアプリ開発などに携わる。

PwCコンサルティング合同会社 マネージャー

早川 幸男

2021年入社。新卒で入社した通信会社ではアプリ開発やモバイルプラットフォームの立ち上げなどに携わり、メガベンチャーへの転職以降は新規サービスの開発や保守運用を担当。PwCコンサルティング入社後は、クライアント向けの勤怠管理システムの開発や新規サービスの立ち上げなどに従事。

PwCコンサルティング合同会社 シニアアソシエイト

大囿 栞

2022年入社。IT人材派遣会社にインフラエンジニアとして入社し、常駐先でインフラシステムの構築やプロジェクトマネジメントを担当。PwCコンサルティング入社後は、前職のバックグラウンドを活かしたクラウドシステムやIoTプラットフォームの開発に従事。現在は「空間ID」に関する産官学連携プロジェクトに参画。

世界152カ国に32万人以上の人員を擁するプロフェッショナルファーム、PwC。そのメンバーファームであるPwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)には、「Experience Consulting」というチームがあります。このチームでは、エンジニア、デザイナーとコンサルタントが協働しながら、顧客や社会の課題発見から、技術やデザインを用いた解決までを担っています

事業会社や受託開発会社で働くエンジニアにとって、「コンサルティングファームで働くこと」はなかなか具体的にイメージしづらいことでしょう。今回は、キャリア採用でExperience Consultingのメンバーに加わった若手エンジニア3名にインタビュー。コンサルティングファームでの働き方や、一緒に働くコンサルタントとの関係性、PwCコンサルティングだから経験できることについて、詳しく聞きました。

※法人名、組織名、役職、インタビューの内容等は取材当時のものです。
※Experience Consultingについての詳しい内容は記事末尾をご参照ください。

開発だけでなく、ビジネスの上流から携わりたい

――まずは皆さんがPwCコンサルティングに転職したきっかけと経緯を教えてください。

深澤:前職は独立系IT企業のシステムエンジニアで、主に常駐先で開発やテストを担当していましたが、働くうちにプロダクトの企画や要件定義などの上流工程も手がけてみたいと考えるようになりました。そこで上流から下流まで一貫して関われる環境を求めて転職活動を始め、選択肢の一つとして浮かんだのが、企業の経営戦略策定から実行までを総合的に手がけるコンサルティングファームでした。

いくつかのコンサルティングファームを検討する中で、転職エージェントから「PwCコンサルティングが新たにエンジニア組織を立ち上げるためのメンバーを募集している」と聞き、これはチャンスだと思いました。それが、2018年に設立された、現在のExperience Consultingの前身となるチームだったんです。以前からPwCコンサルティングは、コンサルティング業界の中でもデジタル領域で最先端の取り組みを行っている会社というイメージがあったので、自分もそんな環境で働いてみたいと思いました。

早川:私は前職はメガベンチャーで、新規サービスの開発や保守運用を担当していました。しかし当時は、現場で使える技術スタックが限定されていて、自分のスキルの幅を広げるのが難しい環境でした。それに、開発や保守運用など一部の工程しか関わることができず、発注者と直接コミュニケーションする機会もなかったので、開発中も「自分たちは正しい方向に向かっているのだろうか」と迷いを感じることもありました。

一方、コンサルティングファームは課題解決がミッションであり、システムやプロダクトの開発もその目的を達成するための手段です。すべての工程が課題解決という明確なゴールに向かっているので、エンジニアも納得しながら開発に取り組めるだろうと考えました

他のコンサルティングファームも検討しましたが、他社はエンジニアの役割がシステムの実装中心だったのに対し、Experience Consultingではロールが限定されず、「上流から下流まで何でもやってほしい」と言ってもらえたことが入社の決め手になりました。

大囿:私は新卒でSES企業に入社し、インフラエンジニアとして、常駐先でシステム構築やプロジェクトマネジメントに従事しました。そこで働くうちに「プロジェクトマネジメントよりさらに上流を担ってみたい」「インフラだけでなくアプリケーションの開発もできるフルスタックエンジニアになりたい」と思うようになりました。

当時の私は社会人3年目で、ビジネスにおいても技術においてもまだまだ未熟でした。PwCコンサルティングであれば、コンサルタントと一緒に働き、上流工程を担いつつインフラからアプリケーションまで幅広く開発に携われると聞き、この環境なら自分の技術領域を広げながらスキルアップできると思い、入社を決めました。

――入社前は「コンサルティングファームでエンジニアとして働くこと」に対して、どのようなイメージを抱いていましたか? 

深澤:最初に思い浮かんだのは、コンサルタントをはじめとしたビジネスサイドのメンバーとのやりとりの機会が、今までよりも多くなりそうということでした。

当然ながら、会社のメンバーの大半はコンサルタントです。その中にエンジニアとして加わり、一緒にプロジェクトを進めるのですから、自分も経営や業界の知識を含めたビジネスサイドのスキルが必要になるだろうとイメージしていました。

実際に入社してみると、そうしたスキルを求められる場面は想定以上に多かったです。コンサルタントとのミーティングでは聞き慣れない経営用語や業界用語がたくさん出てきて、最初のうちは何を話しているのかよくわからなかったくらいです。それに、コンサルタントは徹底した論理的思考が身についているので、私が曖昧な話し方をすると、「もっとロジカルに説明するように」と指摘を受けることもありました。

これについていくのは、想像以上に大変でしたね。コンサルティングファームで働く難しさを感じましたし、自分のスキルの足りなさを痛感しました。ただ前向きに捉えれば、これは自分がスキルアップできるチャンスでもあり、キャッチアップすれば成長の伸びしろはいくらでもあるとも言えます。会話についていけるように、経営や関わる業界の知識を一生懸命勉強しました。

早川:技術については最先端の尖ったスキルや知識を求められることが多いのかなと想像していましたが、実際はエンジニアにとって土台となる汎用的な技術を必要とされる場面も多く、意外でした

特にPwCコンサルティングはあらゆる業種のクライアントに対して多種多様なサービスを提供しているため、エンジニアもプロジェクトが立ち上がるたびに、テーマに応じた技術や知識をできるだけ速くインプットする必要があります。手がける技術領域の広さと、求められるキャッチアップのスピードは、入社前に想像していた以上でしたね。

――Experience Consultingでは、クライアントの業種やプロジェクトのテーマごとに担当を分けていないのですか?

早川:はい。担当を分けていないので、次にどんな案件がくるのか読めないところがあります。私も国内大手メーカーのシステム監査に関する案件に携わったり、自動車関連メーカーと協力してハードウェアを含めたプロダクト開発を行ったりと、その時々でまったく性質の異なるプロジェクトに携わっています。

業界も使う技術も、プロジェクトが変わるごとに新しいことを学べるのは、コンサルティングファームで働くからこそのおもしろさだと感じています。プロジェクトごとに学び直すのは当然大変ですが、その分知識も経験も身につきます。こんな環境は他になかなかありませんし、自分には合っています。

深澤:課題解決のためにはその業界を深く理解する必要があるので、新しい領域に触れるたびに、イチから勉強して追いつかなくてはいけません

私も自動車業界や小売業界のお客様に対してRPAの導入を支援したり、金融業界のクライアントとWebアプリを開発したりと、関わる業種やテーマは様々です。なかでも自動車業界は前職でまったく接点がなかった上に、車のつくり方から、車体に使われる部品の一つひとつに至るまで詳しい専門知識が求められました。Experience Consultingはあらゆる業種に関わる可能性があるチームなので、エンジニアも特定の技術に固執せず、何でも学ぼうとする姿勢が必要です。

大囿:エンジニアが担当する業界の垣根がないように、自社開発のプロダクトもターゲット業界を絞らず広く役立つものをつくる必要があり、それがおもしろいところでもあります

過去に開発したIoTプラットフォームは、介護業界や不動産業界など、業界を問わず幅広く提供できるようにロードマップを描いていました。自分がつくったものを社会の様々な場所に届けるチャンスがありますし、ターゲットを絞らずに広く役立つプロダクトをつくるというのは、事業会社や受託開発会社ではなかなかできない経験なのではないかと思います。

コンサルタントが課題解決の「種」を見つけ、エンジニアが形にする

――コンサルタントとの連携や関係構築で難しさを感じることはありませんか。

早川:難しさというより、むしろエンジニアとコンサルタントは視点が全然違うので、その差におもしろさを感じています

コンサルタントは「もしかしたらこんなことが実現できるかもしれない」「こんな提案ができれば、課題を解決できるかもしれない」といったビジネスの「種」を見つけてきますが、自ら手を動かしてそれを形にすることはできません。そのため、私たちエンジニアがモックアップをつくったりMVP開発を行ったりして、その「種」を具体的なプロダクトやサービスへと昇華させる役割を担います。

ビジネスのプロであるコンサルタントと、技術のプロであるエンジニアがそれぞれの強みを発揮し、「このアイデアはどう?」「これは技術的に見ると問題があるので調整した方がいいね」などと互いに意見を出し合いながら仕事を進めています。コンサルタントはエンジニアと違う視点を持っているからこそ、課題解決という同じゴールに向かいながらも、良い役割分担ができていると思います。

大囿:プロジェクトを進める上での技術選定をエンジニアが担えるのも、適切に役割分担できていると感じますね。

例えばクラウドサービスを選定する際も、どれを使うかは私が決定した上で、コンサルタントやマネジメント層に提案するという流れをとっています。「これを使わなくてはならない」など技術的な手段を限定されてしまうことはなく、その時々のプロジェクトに最適な手段をエンジニアが考えるんです。

ただ、決断を任されるからには、技術や製品について幅広く深い知識を身につけなくてはいけません。自分の提案に責任を持つ必要もあります。そのための自己研鑽が大変な時もありますが、技術のプロフェッショナルとして必要な学びだと捉えています。

――PwCは世界各国に拠点がありますが、海外拠点との関わりもあるのでしょうか?

深澤:もちろんあります。クライアントが海外企業の場合もあれば、海外の拠点にあるチームと一緒に開発することもあります

前職では海外との接点がなく、英語を使う機会もなかったので、入社後は英語の勉強も必要でした。私はもともと英語を話せるようになりたかったので、業務の中で生きた英語を身につけるチャンスが得られて嬉しいですね。

またバックグラウンドが異なる人たちとのコミュニケーションから学ぶこともたくさんあります。日本人同士で会話する場合、はっきり言葉にしなくてもこちらの意図を汲み取ってもらえることが多いのですが、文化や価値観が異なる人たちが相手の場合、「いつまでに、何を、どうしてほしいのか」を明確に言語化しないと伝わらない。日本以外でも通用するコミュニケーションを意識するようになったことは、自分でも大きな成長だと感じています。

早川:開発拠点が世界中にあるので、英語での情報共有も盛んです。エンジニアの総数が多いこともあって、技術に関するコミュニティ活動も活発に行われています。社内のチャット上には常に数百本のスレッドが立ち、「この技術に詳しい人いますか?」「自動車業界のクライアントにこんなアプローチをした事例があったら教えて」といったように、各国のメンバーが情報交換をしています。これだけ多くのコミュニティが存在するのは、世界中にエンジニアがいるPwCならではだと思います。

「何のためにつくるのか」を明確にしていく経験とスキルは、どこに行っても役立つ

――PwCコンサルティングでの経験や学び、ご自身の成長にどのようにつながっていると感じますか。

深澤:プロジェクトの始まりからコンサルタントと一緒に検討を重ねていけるので、「なぜこの製品を作るのか」「どんな機能や性能にすれば顧客の課題解決につながるのか」「どうすればユーザーにより良い体験を届けられるのか」といった上流の視点から考える力が身についてきています

前職では、要件定義が終わった後の段階のプロジェクトに加わることが多く、開発の過程で「本当にこの仕様でいいんだろうか」と疑問に思っても、「自分が関わる前に決まったことだからと従わざるを得ない」と自分に言い聞かせなければならないときもありました。でも今は、技術者として意見があればはっきり言葉にして周囲に伝え、マネジメント層を巻き込んで開発のゴールを決めるところからコミットできます。

ものづくりでは「何のためにつくるのか」という開発のゴールを明らかにすることが一番大事です。そのゴールを明確にする段階から主導する経験を積めているので、どこに行っても役立つスキルを身につけられると思っています。

早川:先端技術の実証実験や実装に携われるのも、PwCコンサルティングで働く醍醐味です。PwCコンサルティングには先端技術を活用して産官学の連携を支援する「Technology Laboratory」という組織があり、私もこのラボと連携して、他のコンサルティングファームに先駆けてメタバース関連のプロダクトを開発した経験があります。

「Technology Laboratory」は既存の技術領域を超えた取り組みを行なっているので、柔軟に新しいチャレンジができます。メタバースの案件でも、ソフトウェア開発の経験しかない私が、仮想空間に情報を送るためのハードウェアをつくるなど、新たな経験を積むことができています。

大囿:単なる学びとして先端技術に触れるのではなく、それを社会実装する取り組みに携われるのは、他ではなかなか得られない貴重な経験だと感じています。

私は現在、経済産業省とデジタル庁が連携して進めている「4次元時空間情報基盤(または、3次元空間情報基盤)」(※)の社会実装に向けたプロジェクトに参画しています。2023年4月に群馬県高崎市で開催された「G7デジタル・技術大臣会合」では、PwCコンサルティングが空間IDを紹介するブースを出展し、私が現地での対応を担当したんです。まだ社会人5年目の若手ですが、G7という国際会議の場に参加し、日本が注力するプロジェクトの一員として貢献できたことは大きな自信になりました。こうした経験から、課題解決の視点も技術的なスキルも磨いて、先端技術を社会のために役立てていきたいですね。

4次元時空間情報基盤(または、3次元空間情報基盤):各データ保有者がそれぞれ異なるID体系で管理している3次元空間データを、空間IDという共通のID体系により一元管理するために検討をされたもの。この基盤は、空間IDおよび空間IDに紐づけられた3次元空間情報により構成された、ロボットやシステムが利用しやすい空間ボクセルのデータを保有し、利用者間でデータの共有が可能な仕組みを持つことができる。

■Experience Consultingについて

Experience Consultingチームは、デジタルに係るプロダクトやサービスをエクスペリエンス起点でアジャイルに開発し、ローンチ後のブランディングからマーケティング、グロースまでを全面的に支援することで、クライアントのビジネス変革をリードします。また、「人」を中心に理想のユーザー体験をデザインするとともに、高いエンジニア力により様々な新興テクノロジーを活用することで、プロトタイプから、MVP(Minimum Viable Product)、デジタルプロダクトの開発・実装まで幅広く支援しています。 

さらに独自のユーザーリサーチを通して「人」に対する深いインサイトを導出し、クライアントと協働しながらこれまでにないユーザー体験のアイデアを創発します。また、各種スプリントを技術面から強化することで、クライアントの新規事業の立ち上げや、プロダクトおよびサービスの具現化を加速させます。規模が大きく、長期間にわたる開発案件については、PwCのオフショアチームである海外のAcceleration Centerと協業し、その構築を進めています。

 ※Experience Consultingについての詳しい内容は過去のインタビューで紹介しています。(当時のチーム名はDigital Factory)

取材・執筆:塚田 有香
撮影:曽川 拓哉

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