OSSプロジェクト「Devika」登場 全自動でゲームもつくれる完全自律型AIエンジニア「Devin」超え目指す【技術紹介】

2024年3月26日

山下 裕毅

先端テクノロジーの研究を論文ベースで記事にするWebメディア「Seamless/シームレス」を運営。最新の研究情報をX(@shiropen2)にて更新中。

AIソフトウェアエンジニアを提供するオープンソースのプロジェクト「Devika」がGitHubで公開された。これはAIベンチャー「Cognition」が開発し2024年3月12日に公開した、ソフトウェア開発のための自律型AIエンジニア「Devin」をモデルに、オープンソース版の提供を目指すプロジェクトだ

Devinは、従来の大規模言語モデル(LLM)やコーディング特化型モデルが実行可能。テキストからのコード生成やバグの特定などの作業支援だけではなく、ゲームなどのソフトウェア開発が全自動でできるとの特徴を持つ

プロジェクト背景

Devinは、独自のコマンドライン、コードエディター、ブラウザを持ち、APIドキュメントを参照しながら、開発プロジェクトを自律的に構築する。エラーが発生した場合は、デバッグ用のコードを追加するなどして自ら問題を解決し、さらにウェブサイトの構築やデプロイまで行うことができる。精度も高く、DevinのパフォーマンスはSWE-benchというベンチマークテストにおいて、他の最先端モデルを大幅に上回る結果を示した。

そんなDevinのオープンソース版の提供を目的としたDevikaは、人間の指示を理解し、複雑なタスクを分解して、関連情報を収集し、コードを自動生成できる。大規模言語モデル、計画・推論アルゴリズム、ウェブ閲覧機能を組み合わせることで、最小限の人的介入でソフトウェアを開発することを目指している

▲GitHubに置いてあるDevikaレポジトリ

プロジェクト内容

Devin はClaude 3、GPT-4、GPT-3.5、Ollamaを介したLLMなど、さまざまな言語モデルをサポートしており、高度な計画と推論機能、文脈に応じたキーワード抽出、シームレスなウェブ閲覧、複数のプログラミング言語でのコード生成、チャットインターフェースを介した自然言語でのやり取りなど、多岐にわたる機能を備えている。

Devikaのアーキテクチャは、ユーザーインターフェース、エージェントコア、言語モデル、計画・推論エンジン、研究モジュール、コード記述モジュール、ブラウザ操作モジュール、ナレッジベース、データベースなどの複数のコンポーネントで構成されている。これらが連携することで、高度なソフトウェア開発を実現する。

このプロジェクトでは、コントリビューションを歓迎しており、ディスカッションやコラボレーションのためにDiscordサーバーも用意されている。

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