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IT需要が高まる現在、日本国内の人材だけでエンジニアを確保するのが難しい企業も増えているのではないでしょうか。
現在、ベンチャーや大手企業、スタートアップ企業などでは、外国人エンジニアの採用が注目されています。この記事では、外国人エンジニアを採用するメリットや注意点、採用方法などについて解説します。外国人エンジニアの採用を視野に入れている方や自社のIT人材不足で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
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目次
国内のIT業界では、外国人エンジニアを採用する企業が増加傾向にあります。なぜ外国人エンジニアの雇用が増えているのか、具体的な理由を紹介します。
IT分野の技術が発展し続けている現在、ITエンジニアの需要も自ずと高まっています。急速に高まるエンジニア需要に、国内だけで人材をまかないきれていないのが現状です。 経済産業省の「IT人材需要に関する調査」によると、IT人材の需要と供給の差は、2020年で30万人、10年後の2030年にはおよそ45万人にのぼると予想されています(需要の伸び約5~2%の場合)。
そんな状況のなか、多くの企業で注目されているのが外国人エンジニアの採用です。なかでも中国やベトナム、インドなどのエンジニアは、そのハングリー精神や技術力を高く評価される傾向にあります。特にベンチャー企業やグローバルな視野を持つスタートアップ企業では、高い技術力を持つ外国人エンジニアの採用に力を入れ始めています。
厚生労働省の「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ」によると、外国人労働者自体が増加傾向にあります。2023年10月時点での外国人労働者数は約182万人で、前年と比べると9万5千人近く増加している状況です。外国人を雇用する事業所数も約30万所と前年から約1万4千所も増えており、外国人の採用に前向きな企業が増加していることが分かります。
なお、国籍別に見ると、ベトナム(約46万人/外国人労働者数全体の25.4%)、中国(約39万人/21.2%)、フィリピン(約11万人/11.3%)と、エンジニア人材でも注目されている国の労働者が多いです。
エンジニアに限りませんが、日本で働きたい外国人と、外国人の採用も視野に入れた企業が増え、マッチ率が以前より高まっているといえるでしょう。
また、技術に関する在留資格で働く外国人労働者は増加しています。
日本で外国人エンジニアを雇用するには、雇用契約締結後、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するために出入国在留管理庁に申請しなければなりません。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格とは、外国人が技術・母国に関する専門的な知識・スキル・感受性などを活かす業務に従事する際に与えられる資格です。
出入国在留管理局が発表した「令和4年末現在における在留外国人数について」によると、エンジニアが含まれる「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得て働く外国人労働者は約31万人にのぼります。前年は約27万人で、増減率としては13.5%もアップしています。外国人労働者のなかでも、エンジニアは着実に増えつつあるといえるでしょう。
法務省管轄の出入国在留管理庁では、2012年から「高度人材ポイント制」を設けています。これは、外国人採用の取り組みの一貫で、外国人人材のIT分野における技術や、そのほか高度な科学技術、経営能力、実務経験などを考慮し、出入国管理上の優遇措置を設けるものです。この制度により、外国人人材が複合的に業務を行え、活動の幅を広げられるようになりました。日本企業にとっても、優秀な外国人エンジニアを採用しやすくなる制度といえるでしょう。
関連記事 : 外国人派遣エンジニアの受入方法やメリット・デメリットをわかりやすく解説
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外国人エンジニアを採用するのには、国内人材を雇うのとは異なるメリットがあります。どのようなものがあるのか、詳しくみていきましょう。
世界でみるとIT人材の数は多く、2023年12月時点では推計で2,600万人以上いるとされています。このうちの4割は、アメリカ、インド、中国のエンジニアといわれています。外国人を採用候補にすると、国内の人材に絞って採用を行うよりも対象となるIT人材が増えるため、母集団を形成しやすくなるでしょう。母集団が増えれば必然的に要件を満たす人材と出会える可能性も高まります。
海外には、さまざまな国の大手企業やIT系外資企業、オフショア開発の拠点などがあります。特にアジア圏は経済的な成長が著しく、自身の生んだ成果が給与に反映されやすい傾向が見られます。人材に高いスキルを求める代わりに、正当な報酬を与えている企業が多いといえるでしょう。
海外の学生はこうした企業に就職するために努力を積み重ねます。このような風潮が一般的となっているため、日本での就職を考えている人材も、スキルを活かしたい・成果に見合った報酬が得られる場所で働きたいなどの要望を抱いていることがあるでしょう。そのため、若いうちからスキルを身につけており、向上心のある人材が確保できるはずです。
日本で働く外国人エンジニアは、わざわざ日本で働くことを選択しており、明確な目標や意図がある場合が多いです。そのため、高いモチベーションで業務に挑んでいる人材が多い傾向にあります。 また、新興国のエンジニアの場合、故郷の家族へ仕送りをする人も少なくありません。「自分が稼がなければ」という思いを持ち、意欲的に働くエンジニアも多いです。
意欲的に業務に従事してくれるため、生産性が高いでしょう。熱心に作業に取り組む姿を見て日本の従業員も刺激を受け、全体的な作業効率や成果の底上げに繋がる相乗効果も見込めます。
グローバル化が進むなかで、海外進出を目標とする企業も多いでしょう。多種多様な国籍のエンジニアを採用することで、海外進出の中核を担う存在を確保できるでしょう。また、その国のトレンドや最新技術などの情報を日常的に取り入れられるという利点もあります。
働き方に対して多様な価値観を持つ外国人エンジニアを採用するためには、ワークライフバランスを意識した労働環境の整備が欠かせません。また、自社の労働環境を整備することで、外国人だけでなく、日本国内のエンジニアにも訴求できる可能性があります。
外国人エンジニアを採用すると、日本の文化とは異なる考えを持った人材が増えます。そのため、今まで思いつかなかったような革新的なアイデアや発想が生まれる可能性もあるでしょう。
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外国人エンジニアを採用する際、注意すべき点があります。以下、詳しく見ていきましょう。
食生活や思想、生活習慣など、外国人エンジニアが生きるうえで大切にしているルールが存在します。そのため、国による文化の違いを尊重したうえで外国人エンジニアを採用することが大切です。
ただし、あまりに外国人の文化やルールを尊重しすぎると、日本人従業員から不満が出てしまいます。日本人従業員、外国人人材双方のバランスを見ながら、文化の違いを認めていけば誰もが働きやすい職場が実現するでしょう。
外国人エンジニアのなかには、日本独自のビジネスマナーを身につけていなかったり、理解できなかったりする場合もあるでしょう。採用後は、日本のビジネスマナーを身につけてもらうことになります。しかし、誰しも納得していないルールを強いられては良い気持ちがしません。そのため、時間をかけて日本におけるビジネスマナーを説明し、理解してもらう必要があります。
文化や認識の違いがある外国人エンジニアでも、対話を重ねていくことで互いの理解を深められるでしょう。些細なことでもコミュニケーションを欠かさず、日本のマナーについて認識をすり合わせていくことが大切です。
外国人エンジニアの場合、日本で働くには就労ビザの取得が必要です。ビザの申請には多くの書類や細かな手続きを要するので注意しましょう。また、ビザ取得後も、外国人エンジニア一人ひとりの満了日・更新手続きを把握しておく必要があります。外国人エンジニアを雇用する場合、そういった就労資格の手続きや管理が必須だということを念頭に入れ、採用を行いましょう。
ここから、就労ビザの申請方法と注意点について説明します。
雇用契約を結んでから「どうすれば良いか分からない」と慌てないよう、就労ビザの申請方法について把握しておきましょう。就労ビザの申請には、これから来日してもらう場合と、すでに日本に住んでいる場合で2種類のパターンがあります。申請時の注意点と一緒に確認していきましょう。
1.雇用契約締結後、企業が勤務予定地の地方入国管理局で「在留資格認定証明書」の交付を申請する(交付まで1~2ヶ月必要)
2.交付された「在留資格認定証明書」を採用した外国人エンジニアに送付する
3.採用した外国人エンジニア本人に「在留資格認定証明書」を日本大使館か領事館に提出/ビザの申請をしてもらう
1.受け入れ企業が勤務予定地の地方入国管理局で「在留資格認定証明書」の交付を申請する
2.「在留資格認定証明書」が外国人エンジニアに送付される
3.送付された「在留資格認定証明書」を日本大使館または領事館に提出しビザの申請をしてもらう(申請後5日~2週間ほどでビザが届けられる)
なお、「在留資格認定証明書」の有効期限は3ヶ月です。3ヶ月以内に申請してもらうよう伝えましょう。
国によっては、人件費が日本よりも安い場合があります。待遇面も日本とは大きく異なるでしょう。しかし、出身国の報酬・待遇を目安に雇用するのは避けましょう。日本には、国籍などに関わらず、すべての労働者の適切な雇用を守るための労働基準法があります。日本の従業員と同じように扱わないと、労働基準法に違反することになるので、注意しましょう。
関連記事 : ベンチャー企業がエンジニアを採用するには?成功のための7つのポイントも紹介
ここでは、外国人エンジニアを採用する前に押さえておくべきポイントを解説していきます。
国内企業のなかには、採用において稟議が必要で、選考の通過や内定の決定までに時間がかかる場合があります。企業によっては1ヶ月近く選考にかかってしまうこともあるでしょう。
しかし、海外では即日内定を出し、数日後には入社という企業も少なくありません。スピーディーな選考に慣れている外国人エンジニアの場合、内定が早く出た企業に即決してしまう可能性があります。採用活動は素早く行うことを心がけましょう。
採用を予定する外国人エンジニアに、本当に日本や自社で働く強い意思があるのか確認しておくことをおすすめします。日本や自社で働きたい理由や目的などを聞いた際、明確な答えがあれば問題ないでしょう。
また、自国と日本のカルチャーや文化の違いを説明し、納得できるかヒアリングしておくことも大切です。特に日本のビジネスマナーについては事前に詳しく説明しておきましょう。
外国人エンジニアが安心して働けるよう、社内に外国人のための窓口・ホットラインを設けることも大切です。日本での生活における日常的な悩みや生活環境の不安など、さまざまな相談を外国人人材が気軽にできる職場を作りましょう。
外国人が日本で働く場合、日本語が話せるのが前提であることがほとんどです。実際、就労ビザ(在留資格認定証明書)の取得においても言語能力の証明が必要なケースが基本で、日本語を話せないと雇用できません。
しかし、エンジニアの在留資格認定証明書である「技術・人文知識・国際業務」は、日本語能力に関する申請は不要です。言語能力が高い人材を採用したい場合、採用要件に日本語能力に関する内容を盛り込み、面接で見極める必要があります。それでも、個々の言語能力には差があるでしょう。
この差を埋められるよう、日本語を学習できる場を用意し、学んでもらいましょう。日本語を習得してもらえればコミュニケーションが円滑になり、最大限にスキルを活かして活躍してもらえるようになります。
特に外国人採用に慣れていない企業だと、日本と異国の文化の違いに戸惑うこともあるでしょう。外国人エンジニアにとっては、自国の文化や価値観を受け入れてもらうことで、はじめて安心して働ける環境になるといえるでしょう。そのため、配属される部署はもちろん、社内全体で異文化を受け入れる体制を整えておくことが大切です。その国のカルチャーや生活習慣などを事前に調べ、社内に周知し理解を促しましょう。
関連記事 : エンジニア採用のコツとは?エージェントが教える成功の条件
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外国人エンジニアを採用する方法は、日本人を雇用する場合と基本的には変わりません。とはいえ、自社の状況や特徴などからどの手法を選べば良いか判断すべきです。あらためて代表的な採用手法について把握し、自社に合う方法を選べるようにしましょう。
採用活動のオーソドックスな方法が、求人サイトへの広告掲載です。インターネットに自社の広告を載せることで多くの人の目にとまり、幅広く見てもらえます。ただし、多くの層からのエントリーが来る分、自社に必要な人材要件を見極める労力が余分にかかることには注意が必要です。
自社のWebサイトに採用ページを作成し、募集をかける方法です。募集要件だけでなく、実際に働いている社員の声を複数掲載したり、現場の写真を載せたりすることができます。より働くイメージを掴んでもらいやすくなるといえるでしょう。採用がうまく行けば、コストも安く抑えられます。
ただし、知名度が高くない企業の場合、そもそも自社サイトを見つけてもらいにくいというデメリットがあります。ほかの手法なら何かの折に目に触れ、特定の業界で仕事を探している人材に興味を持ってもらうチャンスがありますが、自社サイトでの募集はその望みが薄いです。
リファラル採用とは、自社の社員から人材を紹介・推薦してもらう採用方法です。すでに社員の知人であるため、社風へのマッチ度や技術に関して安心できるというメリットがあります。紹介してくれた社員にはインセンティブを支払いますが、その費用はサービスを利用する場合と比べると大幅に安いです。
リファラル採用のデメリットは、入社後に紹介者と新入社員の関係が悪化した場合、どちらかまたは両方が退職してしまうおそれがあることです。また、人材も似通った傾向になりやすく、多様性のある職場にしたいときには難航しやすいでしょう。
ダイレクトリクルーティングとは、企業側から人材にアプローチする方法です。自社から採用候補者に声をかけられるので、社風や人材要件に合ったエンジニアをピンポイントで確保したい場合に有効な採用手法といえます。
ただし、専門性が高い人材は多くの企業からアプローチを受けていることが多いです。自社で働くメリットや魅力をアピールできなければ、他企業へなびいてしまうおそれがあるでしょう。
エージェントを利用し、希望のエンジニアを雇用する方法です。エージェントでは、システムエンジニア、PM、デザイナーなどの経験豊富な人材を、企業の課題や要望に合わせて紹介しています。即戦力となる人材を確保できる効率的な採用手段といえます。外国人やエンジニアに特化したエージェントも存在するので、積極的に活用していきましょう。
ただし、エージェントは、ほかの手法と比べると費用が高めなのがデメリットです。採用にかけられる予算をしっかりと確保したうえで活用すると良いでしょう。
関連記事 : エンジニアの採用単価の相場は?コスト削減のための6つのポイントも解説
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外国人エンジニアを採用しても、期待通りまたはそれ以上の活躍をしてもらえなければ意味がありません。雇用には費用がかかりますし、トラブル対応が必要になれば余計に人的リソースを割かなければならなくなります。優秀な人材を得るにはどうしたら良いのか、外国人エンジニアの見極め方を紹介します。
現場や事業、会社にとってどのような人材が必要なのか、詳細なペルソナを設計します。たとえば、外国人エンジニアに求めているのは最低限の技術力だけでいいのか、日常会話レベルの日本語力だけでいいのか、などです。
より高度なプロジェクトを推進したいのであれば、最新技術を扱え、語学力もビジネスレベルを備えているのが望ましいでしょう。具体的に必要な技術スキル、言語力、思考性などを明確にしておき、選考で比較します。
エージェントのなかには外国人向けのサービスがあり、日本で働きたい外国人が数多く登録しています。母集団が多いため、要件にマッチする人材も豊富に登録していると考えられます。エージェントでは担当者が求職者の就労希望条件と企業の採用要件が合うかすり合わせをしてから紹介してくれるため、マッチ度が高く優秀な外国人エンジニアを比較的楽に確保できます。
外国人向け支援サービスを使うかどうかに関わらず、面接では語学力やスキルのチェック、実務経験の把握をしましょう。特に日本語能力を重視する場合は、面接の際に行うテストや保有している資格のスコアだけでなく、対面で問題なく会話ができるのかを中心に見ると良いでしょう。
また、海外と日本では、学習環境や仕事内容などに違いがあります。たとえば、同じ「JavaScriptでの開発経験」でも、外国人エンジニアが担当してきた内容と、日本の企業が考える内容が異なることがあります。双方で相違がないよう、どういったスキルを持ち、どのような経験を積んだのかは面接で詳しく聞くべき内容です。
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外国人エンジニアを採用するか迷っている方は、よくある質問を確認し、似たような疑問を解消するのも良いでしょう。採用担当者は多くの場合、採用メリットや注意点、採用する方法などに関する悩みを抱えていることが多いようです。
A.外国人エンジニアはわざわざ日本に在留して働くことを希望してきているため、何らかの目標などを持っていることが多いです。意欲的に働いてくれ、生産性が高いでしょう。また、日本人だけでは生まれないアイデアが出てくることもあります。
A.海外の採用スピードは、日本と比べて早い場合があります。先に内定が出た企業に就職を決めてしまう可能性が日本人よりも高いので、採用活動はスピーディーに行いましょう。また、馴染みのない環境での暮らしには不安が伴います。日本での暮らしや仕事の相談ができるようにするなど、受け入れる環境を整備しましょう。
A.日本の労働者を採用する場合と同じく、求人サイトや自社サイトで募集をかけたり、エージェントやダイレクト・リクルーティングサービスを活用したりする方法があります。外国人エンジニアに特化したサービスを使えば見つけやすいでしょう。
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