採用ノウハウ - レバテック|エンジニア&クリエイターの採用情報サイト

最終更新日:2025年2月12日

BPOとは?業務委託との違いや導入のメリット、対象業務を解説

IT人材の採用に関わるすべての方へ

「IT人材白書 2024」をダウンロードする

BPOは業務委託の一種ですが、一般的なアウトソーシングとは違いがあります。BPOでは業務プロセスを一括して外注するため、業務フロー全体の改善を図れるというメリットがあります。

この記事では、BPOの対象となる業務の例や具体的なメリット・デメリットを解説します。BPOを活用する際のポイントを知って、業務効率化やコスト削減を実現しましょう。

エンジニア・クリエイターの採用にお困りではありませんか?
レバテックなら業界最大級!登録者40万人のデータベースでエンジニア・クリエイターの採用成功を実現
⇒レバテックについて詳細を知りたい

IT人材白書2025

目次

BPOとは?アウトソーシング(業務委託)や派遣との違い

BPOは「ビジネスプロセスアウトソーシング(Business Process Outsourcing)」の略称です。BPOはアウトソーシング(業務委託)の一種であり、業務に関わる人材の育成や業務フローの構築など、業務プロセスを一括して委託できるのが特徴です。

BPOとアウトソーシングの違い

一般的なアウトソーシングでは、「経理の精算処理」といった単一の業務を切り出して委託します。一方、BPOでは、前後の業務を含むビジネスプロセスの構築から委託を行い、業務フロー全体の効率化を図ります。経費精算であれば申請フローを含む運用体制の構築を一括して委託できます。

一般的なアウトソーシングが、業務の一部を委託する限定的なものだとすると、BPOは業務プロセス全体を委託する総合的なアウトソーシングといえるでしょう。企業によっては、人事部や総務部で行っていた業務を、BPOでまとめて外部委託することもあります。

BPOと派遣の違い

BPOを含むアウトソーシングは派遣と混同されがちですが、両者には「クライアントに指揮命令権があるか」という点で違いがあります。

アウトソーシングでは、クライアント企業は業務の指示を行うことはできず、業務の進め方は委託先の企業に一任します。一方、派遣では派遣先(クライアント)が指揮命令権を持ち、派遣スタッフに業務上の指示を行います。

また、アウトソーシングでは委託先が業務に従事する人材の勤怠管理や業務管理を行います。一方、派遣ではクライアントが派遣スタッフの勤怠管理や業務管理を行わなければなりません。

関連記事:【企業向け】派遣と業務委託の違いをわかりやすく解説|メリットとデメリットも

BPOとBPRの違い

BPOと混同されがちな言葉に「BPR」があります。BPRは「Business Process Re-engineering」が正式名称で、業務のプロセスを根本的に見直し、組織や制度を再構築することを意味します。

BPOの目的は、既存業務を部分的に見直し「業務改善」を図ることです。これに対してBPRの目的は、経営戦略に照らし合わせてそもそも既存業務が必要なのかを見直し、「業務改革」を図ることです。つまり、BPRはBPOのさらに上位の段階と捉えられるでしょう。

DX人材の確保を実現する「フリーランス活用」とは?
フリーランスとDXを進めるための具体的なステップを紹介!
⇒DX先進企業のフリーランス活用事例集を無料でダウンロードする

BPOは増加傾向にある

BPOの市場規模は増加傾向にあります。その大きな理由は次の3点です。

  • DX推進
  • 働き方改革
  • 人材不足

DXとは、デジタル技術の活用で業務プロセスを改善し、新しいビジネスモデルを創出することです。近年はDXを推進する企業が増え、DXのためにBPOを活用する事例が見られます。加えて、働き方改革を推進するためBPOを活用する動きもあるでしょう。

また、少子高齢化による労働人口の減少が進む中で、社内の人手不足を解消するためBPOを導入する企業も増えています。

BPOの対象となる業務

BPOを活用できる業務には、人事業務や経理業務のほか、採用代行やIT業務などさまざまな種類があります。どの業務でBPOを活用するか検討するためにも、対象となる業務の種類を知っておきましょう。

各種事務

伝票記帳や経費精算、請求書作成といった経理業務をBPOとして委託できます。また、備品やオフィスの管理、社員の出張手配といった総務業務も依頼できます。

受付

オフィスでの受付業務にもBPOを活用できます。来客対応から電話の取次まで一括して業務を依頼できるほか、社員の教育や研修、マニュアル作成などにも対応してもらえます。

コールセンター

顧客からの問い合わせに対応するコールセンター業務も、BPOで一括して委託できます。コールセンターは自社で設置するとシステム導入の設備費がかかるため、BPOの活用でコストの削減が可能です。

顧客から電話を受けるインバウンド業務と合わせて、顧客に電話をかけてアプローチを行うアウトバウンド業務も依頼できます。

採用代行

求人媒体への広告出稿や書類・面接選考、採用の決定までの一連のプロセスを委託できます。

近年は、求人媒体やダイレクトリクルーティングなど採用手法が多様化し、採用に関わる業務量が増える傾向にあります。採用に行き詰まっている場合、BPOによって採用戦略の抜本的な見直しや工数削減を図れるでしょう。

営業

新規顧客の開拓や既存顧客のフォローといった営業活動にもBPOを活用できます。

近年では、CRM(顧客管理システム)を活用した営業やリモート営業など、営業のあり方が変化しつつあります。社内にITに精通した人材がいない場合、外部に営業活動を委託することで新たな手法を取り入れる手がかりとなるでしょう。

IT業務

インフラの設計や構築、運用といったIT関連の業務もBPOで外部に委託できます。ITに特化したアウトソーシングは、「ITO( ITアウトソーシング)」と呼ばれ、社内のノウハウで対応しきれないIT業務を委託する企業が増えています。

コンサルタント業務

BPOでは、依頼した業務に関するコンサルティングも対象です。たとえば、コールセンター業務を依頼する場合、電話対応だけではなく、ユーザーの声を元にした売上アップに関する提案もBPOで委託できる業務対象となります。

BPOのメリット

BPOの導入を迷う場合は、これから紹介するメリットを把握していきましょう。

メリット1:コア業務に注力できる

ノンコア業務をBPOで外注すれば、社内リソースをコア業務に集中でき企業としての競争力を高められます。人的なリソースを新規事業に投入できれば、ビジネスチャンスを逃さず売上の向上につなげられるでしょう。

メリット2:コスト削減できる

BPOを活用すれば、自社のリソースを使うことなく一連の業務を効率化し、結果的にコスト削減を実現できます。業務自体の効率化に加えて、社内の人材を教育する手間を省ける点もメリットです。

メリット3:業務の質が向上する

BPOを行う企業は専門的な知見を持ち合わせています。多数の企業の案件を受託する中で、多様な経験やノウハウを蓄積していることも期待できます。

業務内容によっては、自社で行うよりも圧倒的に高いパフォーマンスが期待できるでしょう。さらに、ノウハウを共有してもらえば社内全体のスキルアップにもつながります。

メリット4:強固なセキュリティを確保できる

社内で高レベルなセキュリティを保持するには、かなりのコストがかかります。その点、BPOで業務を外部に依頼すれば、自社で管理するよりコストを抑えてセキュリティを保てると期待できます。

なぜなら、BPOを行う多くの企業は、「ISMS」や「プライバシーマーク」を取得し、強固なセキュリティ体制を整備しているからです。自社のセキュリティが不十分な場合、外部企業に委託した方が安全な可能性があるでしょう。

BPOのデメリット

BPOはメリットが多い一方、いくつかのデメリットも存在します。導入後に後悔しないためには、これから紹介するデメリットを把握し、対策を考えましょう。

デメリット1:導入コストやランニングコストがかかる

BPOを導入すると、利用料がかかるのはもちろん、マニュアルを整備したり、委託先と連絡をとったりする時間的なコストがかかります。さらに、導入後も継続してコストが発生します。

ただ、BPOを活用すると業務効率化により長期的なコストを削減できる可能性が高いです。コスト面に目を向ける際は、導入時のコストだけではなく、中長期的なコスト削減効果を予測しましょう。

デメリット2:社内にノウハウが溜まりにくい

BPOでは業務を一括して委託するため、どのようなプロセスで業務が進められているのか把握するのが難しくなります。そのため、社内に業務のノウハウが蓄積されづらい点がデメリットといえます。

BPOを活用する際は、定期的に報告書を提出してもらうなど、どのように業務が進んでいるか確認できる体制を築いておきましょう

デメリット3:委託先によってはセキュリティリスクが生じる

BPOを行う企業は、高いセキュリティレベルを保持している場合が大半です。とはいえ、外部に業務を委託する限りは、顧客情報をはじめとする機密情報が漏洩するリスクが生じます。BPOを活用する際は情報漏洩リスクがあることを念頭に置き、 秘密保持契約を結ぶといった対策を行いましょう。

デメリット4:コミュニケーションにギャップが生じる可能性がある

BPOでは、社内と委託先との間でコミュニケーションギャップが生じる可能性があります。委託先は必ずしも顧客企業の文化や習慣に精通しているわけではありません。対策としては、事前に細かな情報共有を行うとともに、必要があればいつでもコミュニケーションをとれる体制を整えましょう。

BPOサービスの選び方

BPOのメリットを最大限に享受するには、自社の業務や目的に合った取引先の選定が重要です。ここでは、サービス選びのポイントを紹介します。

得意分野に注目する

BPOを提供する企業によって、得意な分野は異なります。たとえば、経理業務が得意な企業もあれば、IT系の業務に強みを持つ企業もあります。企業の公式サイトや商談で得意分野を確認し、委託を検討する業務の実績があるか確かめましょう。

企業規模を確認する

自社の規模に対して、委託先の規模が十分かどうか確かめることも大切です。大規模な企業が小規模なBPO企業に業務を委託すると、相手側のリソースが足りず満足のいく成果が上がらない可能性があるからです。実績に加えて、自社の規模に対して委託先の規模が適切かどうかも確認しましょう。

セキュリティ体制を確認する

自社の機密情報に関わる業務を委託する場合、委託先のセキュリティ体制に細心の注意を払う必要があります。基本的な対策は、ISMS認証やプライバシーマークを確認することです。また、契約書に情報漏洩があった場合のペナルティを記載し、事前に認識をすり合わせると良いでしょう。

最適な予算配分に気をつける

委託先の提案をそのまま受け入れるのではなく、必要以上のサービスがついていないか見極めましょう。事前にBPOにかけられる予算を算出し、予算に対して適切な提案をしてくれるパートナーを選ぶことが大切です。最初から取引先の候補を1社に絞るのではなく、複数社から見積もりを取ると相場を把握しやすくなります。

IT人材白書2025

BPOで効果を出すため導入前・導入後にやるべきこと

BPOで効果を出すには、委託先に任せきりにするのではなく、導入後のモニタリングで効果を確認したり、ノウハウを共有して社内全体の改善を図ったりすることが重要です。BPOを最大限に活用できるよう、BPOの導入前・導入後にやることを確認しましょう。

【導入前】BPOで実現したいことを明確にする

BPOを導入するにあたって、BPOを通して何を実現したいのかを明確にしましょう。たとえば、下記のような例があります。

  • 業務を効率化したい
  • 業務の品質を上げたい
  • 社内の教育リソースを削減したい
  • コア業務に集中したい

BPOによって部署や会社をどのように変えたいのか、あらかじめゴールを決めておきます。

【導入前】どの業務を委託するか整理する

依頼する業務を決めて、業務内容の細かな洗い出しを行いましょう。アウトソーシングに向けて、あらかじめ社内での業務フローの改善を行うためです。

具体的には、現状の担当者やかかっている工数、マニュアルなどを確認します。細かな点は担当者に聞き取りを行い、不要なルールや無駄な作業があれば、削減できないか検討しましょう。

【導入後】効果をモニタリングする

BPO導入後は定期的にモニタリングを行い、目的に対して効果が出ているかを見極めましょう。

コスト削減が目的であれば、導入前と導入後のコストを人件費を含めて比較しましょう。コア業務への集中が目的なら、導入前と導入後で担当者にどれだけ時間的な余裕が生まれたかを比較します。

【導入後】ナレッジ共有して社内の改善につなげる

BPOを行うと、自社では気づかなかった業務の改善点が見つかる場合があります。BPOで業務を切り出しながらも、委託先にナレッジを共有してもらうことで、社内の業務にも活かせます。

委託先とはこまめにコミュニケーションを取って情報共有を行い、社内全体の業務改善に役立てましょう。

BPOの契約形態

BPOを含むアウトソーシングは、いわゆる業務委託にあたります。業務委託を利用する際は、「請負契約」「委任契約」「準委任契約」のいずれかを締結します。契約によって業務の種類や報酬が発生する条件に違いがあるため、それぞれの内容を確認しましょう。

請負契約

請負契約は、受注者が業務を完成させることを約束し、発注者が成果物に対して報酬を支払う契約です(民法632条)。

委任契約

委任契約は、弁護士や税理士に法律行為を依頼する際に結ぶ契約です(民法643条)。

たとえば、訴訟行為代理を弁護士に依頼したり、確定申告を税理士に依頼したりする場合は委任契約を結びます。請負契約と違い、委任契約では受注者側に仕事を完成させる義務はなく、発注者は一定の事務処理に対して報酬を支払います。

準委任契約

準委任契約は、法律行為以外の事務処理を委託する際に結ぶ契約です。民法上は委任契約と同じルールが適用されるため、委任契約と同様一定の事務処理に対して報酬が発生します(民法656条)。

関連記事:請負契約と準委任契約の6つの違い|それぞれの特徴と選ぶ基準を解説

エンジニア・クリエイターの採用にお困りではありませんか?
業界最大級のIT人材特化型データベースなら求めていた人材がきっと見つかる!
⇒「3分でわかるレバテック」のダウンロードはこちらから

BPOに関するよくある質問

「BPOは業務委託と何が違う?」と疑問に思う方に向けて、BPOの概要を解説します。業務委託や派遣との違いを説明するので、BPOを理解し活用する参考にしてください。

Q.BPOとは?

A.BPOの正式名称は、「ビジネスプロセスアウトソーシング(Business Process Outsourcing)」です。社内の業務プロセスの一部を外部の専門業者に委託することを指しています。

Q.BPOと業務委託の違いは?

A.BPOは業務委託の一種です。一般的な業務委託では、一部の業務を切り出し外部の業者に依頼します。一方BPOでは、業務に関わる人材の育成も含めて、業務プロセス全体を専門業者に委託するのが特徴です。

Q.BPOのメリットは?

A.業務を外注することで、社内のリソースをコア業務に集中させられます。BPOの活用により業務が効率化できれば、コスト削減にもつながるでしょう。委託先が高い専門性を持ってれば、自社で対応するのと比べて業務の質が向上すると期待できます。

Q.BPOのデメリットは?

A.導入にあたってマニュアルを整備したり、委託先と打ち合わせをしたりする手間がかかります。業務を一括して外部に委託するので、社内にノウハウが蓄積しづらくなる面もあります。外部に業務を委託する限り、情報漏洩のリスクもゼロではありません。

IT人材白書2025

IT人材白書2024を
限定公開中

続きをダウンロードするsave_alt

おすすめ資料一覧

最短当日にオンライン打ち合わせ
初めてのフリーランス活用のご相談もお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

お急ぎの方はお電話にてお問い合わせください (受付時間: 平日9:00 ~ 18:00)

phone050-5526-9835