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最終更新日:2024年9月12日

DX推進指標とは?自己診断の方法や指標を活用する際のポイントを解説

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「DX推進指標とはどんなものか知りたい」
「DX推進指標の活用方法を知りたい」

このような疑問を持つ方に向けて、DX推進指標の詳細や活用ポイントを分かりやすく解説します。
DX推進指標は、DXを行う企業が自社の現状と課題を把握し、次に何に取り組むべきか考えるきっかけとなるものです。指標を活用することで、関係者全員が課題を共有し、他社と比較した自社の状況を把握できるようになります。
DX推進指標の詳しい内容と活用のポイントについて理解を深め、DX推進を成功させましょう。

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DX推進指標とは

DX推進指標とは、日本企業のデジタル経営改革を後押しするため経済産業省が2019年7月に公表した指標です。

DX推進指標を活用すれば、用意された設問に答えることで、企業は自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)のレベルや課題を把握できます。DX推進指標は、企業がDXにおける次の取り組みについて考えるきっかけとなる役割を持っています。

DX推進指標がつくられた背景

DX推進指標がつくられた背景には、「日本企業のDXが進まなければ、将来的に大規模な経済損失が生じる」という国の懸念がありました。

経済産業省が公表している「DXレポート〜ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」では、DXを推進しない場合の影響として「既存システムの残存リスク」と「既存ITシステムの崖(2025年の崖)」の2点が挙げられています。

「既存システムの残存リスク」とは、残存システムをそのまま使い続けた場合、運用やメンテナンスコストが年々増大し、長年積み上げられた機能の全貌を知る社員が高齢化・退職して更新できなくなる恐れが生じることを指しています。

「既存ITシステムの崖(2025年の崖)」は、複雑化・老朽化・ブラックスボックス化した既存システムが残存した場合に、IT人材の引退や製品のサポート終了によって、2025年以降で最大12兆円の経済損失が出る可能性を指しています。

これらの問題への対応として、国は企業のDX推進を後押しするためDX推進指標を策定しました。

関連記事:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?定義や推進すべき理由を解説

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DX推進指標の構成と評価基準について

DX推進指標では、経済産業省が用意した質問に企業が回答することで自己診断できます。ここでは、指標の構成と評価基準を紹介するので確認していきましょう。

DX推進指標の構成

DX推進指標は、「DX推進のための経営のあり方、仕組みに関する指標」と「DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築に関する指標」の2つで構成されています。

それぞれの中には「定性指標」と「定量指標」の項目があり、このうち定性指標は経営者自らが回答するのが望ましいとされる「キークエスチョン」と、経営者が経営幹部・事業部門・DX部門・IT部門などと議論しながら回答することを想定した「サブクエスチョン」に分かれます。

出典:経済産業省 「デジタル経営改革のための評価指標(「DX推進指標」)を取りまとめました

DX推進の成熟度を6段階で評価

定性指標では、DX推進の成熟度を以下の6段階で評価します。

出典:経済産業省 『「DX 推進指標」とそのガイダンス』

DX推進指標ではレベル5の「デジタル企業としてグローバル競争を勝ち抜くことができるレベル」を最終的なゴールとしています。企業はこの評価を参考にして自社のレベルを把握し、次に目指すレベルとそのための取り組みを検討することが推奨されます。

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DX推進指標を活用するメリット

DX推進指標の活用には、以下のようなメリットがあります。

自社の状況を把握して適切な課題設定ができる

DX推進指標を活用することで自社の状況を把握し、現在行っている取り組みの効果を評価できます。課題が明らかになれば、新しい施策を検討することにもつながります。

また、定期的にDX推進指標による自己診断をすることで、過去の状況と比較してDXの進捗管理を行えるでしょう。

社内で共通した認識を持てる

DX推進指標を活用すると、自社のDXへの取り組みがどのようなレベルにあるか、部署を横断した共通認識を持つことができます。

DXは特定の関係者だけで行うものではなく、様々な部署を横断して会社全体で取り組むべきものとされています。そのため、DX推進指標により、DXの状況に対する共通認識が形成されることで、DX推進についての議論が活発になり施策を実行する際も全社的な協力が得られると期待できます。

他社の状況と比較できる

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が運営する「DX推進指標 自己診断結果入力サイト」に自己診断の結果を提出すると、IPAが各企業の結果をもとに作成したベンチマークを入手できます。

他社との違いを理解することで、自社の状況をより客観的に理解できるでしょう。

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DX推進指標の診断方法

DX推進指標を活用する際は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が公表している「DX推進指標自己診断フォーマット」に回答を入力していくと便利です。

記入済みのフォーマットを提出すると、IPAが作成したベンチマークを入手できるとともに、過去の自己診断結果をDX推進ポータルから確認できるようになります。

なお、ベンチマークは自己診断結果を提出した企業のみに公開されますが、結果を提出した企業の全体的な傾向は「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート」で確認可能です。

2021年版のレポートによると、2021年の全企業のDX推進成熟度の平均は1.95(目標値は3.62)で、2020年の1.60から増加しています。2020年以前と2021年の自己診断結果を比較しても、提出企業数や成熟度は向上しており、日本企業全体としてDXに向けた取り組みが加速していると指摘されています。

関連記事:【DX事例】国内企業の成功事例とDXを失敗させる5つのケースとは

DX推進指標活用のポイント

最後に、「『DX 推進指標』とそのガイダンス」を参考にDX推進指標を活用する際のポイントをまとめました。

良い点をとることを目的としない

DX推進指標の目的は良い点数をとることではありません。点数をとることを目的化すると、本来の意図である全社でDXに関する共通認識を持ち適切なアクションにつなげていくという本質を見失ってしまうので注意が必要です。

関係者が集まって議論する

DX推進指標は一人の担当者のみで回答すると関係者の認識を共有することにつながりません。指標を活用する際は、経営幹部や事業部門、DX部門、IT部門などの関係者を集めて議論を行うことが重要です。

場合によっては、関係者を集めた議論の前に、関係者それぞれが自己診断を行い、社内での現状や課題に対する認識の違いを明らかにすることも有効です。

次のアクションについて議論する

自社の状況に対する認識を共有した後は、次に何に取り組むべきか議論し実際のアクションにつなげていきましょう。

定期的な診断を行う

一度自己診断を行った後も、翌年に再度診断を行い、取り組みの効果を継続的に評価すると良いでしょう。DX推進の経年変化を確認して進捗を管理することで、持続的なDXを実行できます。

実際にIPAの調査では、2年連続および3年連続で自己診断を行っている企業は、すべての指標で現在値の平均が伸びていることが示されています。


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