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最終更新日:2024年11月8日

インボイス制度の概要をわかりやすく解説|事前準備や制度開始後の影響とは

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インボイス制度とは、軽減税率により複数の消費税が存在するなかでも、取引にかかった正確な消費税額を把握可能にする制度です。またインボイスとは、正確な消費税額を算出するために必要な項目が記載された請求書等を指します。

インボイス制度は2023年10月1日より開始され、それまでに企業は様々な対応が必要になります。インボイス制度の概要やインボイス制度開始によって変わること、対応事項などを把握しましょう。

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インボイス制度の概要とは

インボイス制度とは、軽減税率の適用に伴い複数の税率に対して適切な消費税額を把握できるようにするための制度であり、別名を「適格請求書等保存方式」といいます。インボイス制度では、買い手が課税事業者と取引を行う際、売り手から交付された「インボイス(適格請求書)」を保存する必要があります。インボイスが無い場合、支払った消費税額がわからないため、原則として買い手は仕入税額控除(詳細は後述)をうけられません。

また、買い手からインボイスの交付を求められた売り手は、インボイスを交付する義務があります。さらに、売り手はこうして交付したインボイスの写しを保存しておかなければなりません。

なおインボイスとは、インボイス制度の開始までの暫定措置として利用されている現行の区分記載請求書の記載内容に加えて、「適格請求書発行事業者登録番号」「適用税率」「消費税額等」の3項目が追加された書類またはデータです。

インボイスの目的は、売り手が買い手に正確な消費税率および消費税額を伝えることであり、必要事項が記載されているのであれば請求書の形式は問いません(レシート、領収書、請求書、手書き・電子データなど)。

インボイス制度は、2023年10月1日から開始されます。インボイス制度に対応するためには、2023年3月31日までにインボイスを発行できる「適格請求書発行事業者」の登録申請が必要です。この登録をうけた事業者のみが、2023年10月1日以降にインボイスを発行できるようになります。

参考:国税庁 インボイス制度の概要

インボイス制度が必要な背景

インボイス制度が必要になった背景には、軽減税率の導入が関係しています。軽減税率の導入により、日本には10%と8%の2つの税率が混在するようになりました。そのため、課税事業者が正しい消費税額の申告を行うためには、何に何%の消費税率が適用され、それぞれの消費税額がどの程度になっているのか把握する必要があります。

この問題を解決するのがインボイス制度であり、インボイス制度の導入によって、企業はより正確な経理処理が実現可能です。また、国としてもより正確に徴収すべき消費税額を把握できるようになります。

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区分記載請求書とインボイスの違い

区分記載請求書とは、2019年に消費税の軽減税率が導入されると同時に必要になった請求書であり、異なる税率ごとに合計した税込み金額を記載した請求書や納品書または領収書等です。課税事業者は、インボイス制度が開始されるまでの間、区分記載請求書を保存しておくことで仕入れ税額控除をうけられます。

区分記載請求書とインボイスの違いは以下の表のとおりです。

区分記載請求書 インボイス 違い

インボイス制度では、区分記載請求書に記載すべき項目とあわせて、「適格請求書発行事業者の登録番号」「適用税率」「税率ごとに区分した消費税額等」の3点の記載が必要です。また、区分記載請求書は課税事業者・免税事業者ともに発行可能ですが、インボイスは適格請求書発行事業者でなければ発行できません

インボイス制度が開始されるまでの間、軽減税率の対象品目に関する取引がある事業者は、区分記載請求書の保管や交付および取引を税率ごとに区分した経理処理が必要です。課税事業者は売り手から交付された区分記載請求書を保存しておくことで、仕入税額控除をうけられます。

インボイス制度によって変わることとは?

インボイス制度の導入によって、具体的に何が変わるのでしょうか?ここでは、インボイス制度の開始による影響が生じる3点について解説します。

仕入税額控除の有無

インボイス制度の導入後は、取引相手によって仕入税額控除の適用有無が変わります。

仕入税額控除とは、課税事業者が申告すべき消費税額の計算の際に、課税売上によって受け取った消費税額から、課税仕入れにかかった消費税額を差引ける制度です。

課税事業者は、買い手から支払われた消費税を一時的に預かり、最終的には国に納税します。しかし、消費税は受け取るだけでなく、買い手の立場で他の事業者に消費税を支払っている場合もあります。この場合、受け取った消費税から支払った消費税を差し引き、実際に納税すべき消費税を算出する必要があります。この仕組みが仕入税額控除です。

インボイス制度の開始後は、課税事業者が仕入税額控除をうけるためには、課税仕入れを行った際のインボイスが必要です。そのため、インボイスを発行できない事業者からの課税仕入れは仕入税額控除の適用外となります。

つまり、取引相手が適格請求書発行事業者登録をしていない課税事業者または免税事業者(年間売上が1,000万円以下の事業者)の場合、その事業者との取引ではインボイスの交付がうけられません。取引を継続したまま仕入税額控除をうけるためには、取引先事業者に適格請求書発行事業者になってもらう必要があります。

ただし、インボイス制度の開始後6年間は経過措置が認められています。具体的には、適格請求書発行事業者以外からの仕入れであっても、区分記載請求書があれば以下のように一定の仕入税額控除をうけることが可能です。

・2023年10月1日から3年間は80%の仕入税額控除が可能

・2026年10月1日から3年間は50%の仕入税額控除が可能

仕入税額控除をうけられるかどうかは利益に関わる重要な問題のため、事前に取引先が適格請求書発行事業者かどうかを確認しておきましょう。

税額計算の方法

インボイス制度の開始後は、税額計算の方法を選択できるようになります。具体的には、2023年10月1日以降の売上税額及び仕入税額の計算は、「積上げ計算」または「割戻し計算」から選択が可能です。

ただし、売上税額の計算方法を「積上げ計算」にした場合は、仕入税額の計算方法は「積上げ計算」のみ選択可能です。売上税額の計算方法を「割戻し計算」にした場合は、仕入税額の計算方法は「積上げ計算」と「割戻し計算」からいずれかを選択できます。

自社はどちらの税額計算方法を選択すべきなのか、事前に社内で確認をしておきましょう。

インボイス 税額計算方法
出典:国税庁 「適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために- 」

免税事業者との取引関係

インボイス制度の開始後は、免税事業者との取引に変更が生じる可能性があります。2023年10月1日以降、課税事業者はインボイスがなければ原則として仕入税額控除をうけられません(※)。しかし、免税事業者はインボイスを発行できません。したがって、免税事業者と取引がある課税事業者は仕入税額控除をうけられず、必要以上に消費税の納税が生じる可能性があります。

そのため、インボイス制度の開始後は、企業によっては免税事業者との取引を避けたり、仕入税額控除をうけられない分の値下げを交渉したりすることもあるでしょう。インボイス制度が開始になる前に、取引先の適格請求書発行事業者登録の有無の確認が必要です。

(※)仕入税額控除における経過措置やインボイス交付義務が免除される場合を除く

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インボイス制度の影響によって企業が対応すべきこと

インボイス制度の影響で、企業が対応すべきことは制度開始前と開始後でそれぞれ分かれます。対応漏れが無いように注意しましょう。

インボイス制度の開始後

インボイス制度の開始後、自社が売り手の場合は、買い手へのインボイスの交付依頼および交付されたインボイスの保存を徹底しましょう。一方買い手の立場の場合、売り手からインボイスの発行を求められた際は交付を行い、発行したインボイスの写しを保管する必要があります。

ただし、インボイスの交付義務が免除されるケースもあります。具体的には、以下のケースに該当する場合はインボイスの交付は必要ありません。

インボイス 交付義務免 ケース
出典:国税庁 「適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために- 」

インボイス制度の開始により、交付された(した)インボイスを適切に管理する仕組みが非常に重要になります。請求書管理や受発注管理システムがインボイス制度に対応できるものなのかを事前に確認し、対応できない場合は改修やリプレイスを進めましょう。

インボイス制度の開始前

インボイス制度の開始までに、課税事業者は適格請求書発行事業者になるための手続きを進めましょう。適格請求書発行事業者になるためには、2023年3月31日までに国税庁への登録申請が必要です。手続きに必要な内容を確認して、期日までに申請を行いましょう。

年間売上高が1,000万円以下の免税事業者の場合、適格請求書発行事業者になるためにはまず課税事業者になる必要があります。そのため、まずは国税庁に課税事業者になるための申請を行い、課税事業者になった後に適格発行請求事業者の登録申請を行います。ただし、適格請求書発行事業者になれば課税対象となり、年間売上高が1,000万円以下であっても消費税の申告義務が生じるため注意が必要です。

なお、課税事業者・免税事業者ともに適格請求書発行事業者になる義務はありません。事業者は、現状の取引先や今後の会社の方向性を踏まえ、適格請求書発行事業者になるべきかどうかを判断しましょう。

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