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最終更新日:2025年5月19日

特定派遣廃止がIT業界に与えた影響!一般派遣との違いも解説

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IT企業に多くのIT人材を派遣していた「特定労働者派遣事業」、通称「特定派遣」。しかし、特定派遣は2015年9月に廃止され、2018年9月29日には経過措置期間も終了し完全廃止となりました。

それでは、今まで特定派遣でエンジニアを確保していたIT企業はどうなるのでしょうか。この記事では、特定派遣廃止がIT業界に与えた影響や、エンジニア確保のためにこれからのIT企業に求められることなどを解説していきます。

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特定派遣とは?一般派遣との違い

IT業界での特定派遣とは、エンジニアが派遣元企業と常用雇用の契約を結び、派遣先企業に派遣されて業務を行う働き方です。

派遣先企業での派遣期間終了後も、派遣元会社での雇用関係は続いているので、雇用されながら次の派遣先企業を探すことができる仕組みとなります。詳しくは後述しますが、特定派遣は2015年9月29日をもって廃止されています。

特定派遣が廃止されるまで、派遣契約は主に「一般派遣」と「特定派遣」の2つに分かれていました。両者の違いについては、以下で解説していきます。

一般派遣は許認可制

「一般労働者派遣事業」、通称「一般派遣」とは、IT人材が派遣元企業に登録し、派遣先企業で派遣期間の間のみ就業する働き方です。派遣先企業が決まり労働契約が締結されれば就業がスタートします。言い換えれば、IT人材は派遣先企業が決まらない限り雇用されておらず、就業できないことになります。

一般派遣事業を行うには、派遣元企業は国から「許認可」を取得しなくてはいけませんでした。厳しい基準をクリアした派遣元企業だけが、一般派遣業を行うことができるということです。許認可の取得には多くの要件があり、取得難易度も高いとされています。そのため、一般派遣に参入したくてもできない派遣事業者が多かったようです。

特定派遣は届出制

お伝えしたとおり、特定派遣は派遣先企業が決まらなくても、派遣元会社とIT人材の間で常時雇用関係が成立し、労働者にとっては一般派遣に比べて雇用が安定する働き方です。

特定派遣の場合は許認可制ではなく「届出制」となっており、IT派遣事業を行いたい会社は比較的容易に特定派遣に参入することができました。

特定派遣と一般派遣の詳しい違いについては、以下の記事を参考にしてください。
特定派遣と一般派遣の違いとは?

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2015年に特定派遣が廃止された

特定派遣は、2015年9月29日に廃止されました。ここでは、廃止された背景や影響をお伝えします。

特定派遣廃止の背景

先ほど、特定派遣は一般派遣に比べ安定した雇用が前提とされているとお伝えしました。しかし、参入した会社の中には、常時雇用のルールを守らず、有期雇用契約を繰り返すところもあったようです。こうしたルール違反の広がりが一因となり、派遣社員の雇用の安定を図る目的で特定派遣は廃止されるに至ったという見方があるようです。

特定派遣廃止で何が変わった?

では、特定派遣廃止により変わったこととはなんでしょう。以下で具体的な変化を見ていきましょう。

一般派遣と特定派遣の区別がなくなった

特定派遣廃止により、一般派遣と特定派遣の間に区別がなくなり「労働者派遣事業」という名称に一本化されました。派遣形態の統合によって、すべての派遣事業は「許認可制」となりました。

エンジニアの正社員化が促進された

特定派遣の廃止により、正社員として雇用されるエンジニアが増加しました。

背景には、派遣の雇用形態が労働者派遣事業として一般派遣のみに一本化され、一般的な派遣は派遣期間が最大3年と定められたことがあります。3年以上同じ職場・部署に派遣社員を受け入れられなくなったことから、派遣社員の正社員雇用が促される結果につながったのではないかといわれています。

派遣先企業の就業が3年を超えた場合、派遣社員は同一の組織単位で就業することはできません。3年の抵触日を迎えた派遣社員は、派遣元企業から別の派遣先企業を紹介してもらったり、現在の派遣先企業で直接雇用されるなどの待遇になります。

この改正は、これまで特定派遣でエンジニアに頼っていた業界・企業にとっては、やや厳しいルールとなりました。

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特定派遣廃止には経過措置が存在した

特定派遣は2015年9月29日で廃止され、2015年9月30日施行の労働者派遣法により、派遣事業は「許認可制」に一本化されました。しかし、特定派遣事業を行っていた派遣元企業は、3年後の2018年9月29日までは、「経過措置」として引き続き特定派遣事業を行うことができたのです。

2018年9月30日以降、多くの企業が「労働者派遣事業」へ移行しましたが、派遣事業を続けるには新たに許認可を取得する必要がありました。そのため、許可申請で苦心する事業者も多かったようです。

参照元:(旧)特定労働者派遣事業」を行っている事業主の皆さまへ|厚生労働省

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特定派遣廃止がIT業界に与えた影響とは

ここでは、特定派遣廃止がIT業界に与えた影響を見ていきましょう。

準委任契約や請負契約への切り替えが増えた

特定派遣の廃止により、エンジニアとの派遣契約を準委任契約や請負契約へ切り替える企業が増えました。

これは、派遣事業が許可制の一般派遣に一本化されたことで、運営条件を満たせない派遣元企業が増加したためと考えられます。そこで派遣契約の代替として、準委任契約や請負契約でエンジニア確保を図る企業が増えたようです。

基本的に準委任契約は業務遂行を、請負契約は成果物完成を目的とする契約形態です。IT系業務委託では、いずれかの契約形態が適用されるケースが多いとされます。

SESの活用が増え始めた

特定派遣が廃止され、先述したように「エンジニアの正社員化が促進された」といわれる一方で、IT業界のなかではSESでエンジニアを確保する企業も増えてきています。

SESとは、「システムエンジニアリングサービス」の略称で、SES企業がユーザー企業にエンジニアを送り、スキルを提供するサービスです。

SESの契約形態に規制はないものの、基本的には準委任契約が締結されることが多いといえます。特定派遣が廃止された現在、効率的なエンジニア獲得方法として、SESの利用は今後さらに主流になっていくと予想されます。

もちろん、特定派遣廃止後も派遣サービスを利用しIT人材を確保することは可能です。技術者派遣の詳細については、以下の記事をご覧ください。
技術者派遣はIT人材不足を解消する手段として有効

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IT業界の今後はどうなる?

先に述べたとおり、特定派遣に参入した会社のなかには、派遣社員を常時雇用するルールを守らず、有期雇用契約を繰り返すところもありました。

それはIT業界も例外ではなく、一部の特定派遣事業者のルール違反により、特定派遣で働くエンジニアの雇用も不安定になっていたことが考えられます。

特定派遣廃止により、この点におけるIT業界の労働環境改善につながったのではないかと考えられます。

昨今、IT分野の発展により、高いITスキルを持つエンジニアの需要は高まっています。しかし、需要に対して供給が追いつかず、IT業界ではエンジニア不足が慢性化している状況です。IT企業は、移りゆくITトレンドに順応するため、ニーズに合ったエンジニアを効率よく獲得していく要領の良さが求められます。

IT人材が不足する理由や、人手不足を解消するための対策を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
IT人材を確保するには?人手不足の理由や採用・育成方法を解説

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特定派遣に関するよくある質問

特定派遣についてのよくある質問に答えていきます。特定派遣の廃止がIT業界に与えた影響も解説するので、ぜひご覧ください。

Q.特定派遣とは?

A.特定派遣とは、労働者が派遣元企業と常時雇用契約を結び、派遣先企業で業務を行う派遣の形態で、現在は廃止されてます。特定派遣には、派遣先企業での就業期間が終わった後も労働者と派遣元企業の契約が継続し、給与が支払われるという特徴がありました。

Q.特定派遣はなぜ廃止された?

A.特定派遣は労働者の安定した雇用を目的としていましたが、実際には常時雇用のルールを守らず有期雇用契約を繰り返す派遣事業者が存在しました。また、労働者を正社員ではなく契約社員として雇用する派遣元企業も多かったようです。このような理由から、特定派遣は派遣労働者の雇用の安定につながらなかったため、廃止に至ったと考えられます。

Q.特定派遣の廃止がIT業界に与えた影響は?

A.特定派遣の廃止によって、業務委託でエンジニアを確保する企業が増えました。特定派遣廃止後、すべての派遣事業は国の許可を受けて行う「許可制」となりました。そんな中、派遣事業の運営条件を満たさない企業では事業継続が困難になり、派遣サービスが利用しにくくなったことから、業務委託で人材を確保する企業が増えたと考えられます。

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