2025年4月4日
先端テクノロジーの研究を論文ベースで記事にするWebメディア「Seamless/シームレス」を運営。最新の研究情報をX(@shiropen2)にて更新中。
英オックスフォード大学と米シラキュース大学に所属する研究者らが発表した論文「Reliving 10 years old: Descriptive Insights into Retro Gaming」は、レトロゲームと人間の心理的関係性について実証的な調査を行った研究報告である。
この研究では、「Nintendo Switch」でプレイ可能な、過去の任天堂ゲーム機における実際のプレイデータを分析し、どのような人が、どんなレトロゲームを、どのようにプレイするのかについて調査した。
研究チームは、660人から収集された、レトロゲームのプレイ回数のべ約1万8,000回分で構成される、2022年5月から2024年5月の間の合計1万2,000時間分のプレイデータを分析した。
調査では、Nintendo Switch 向けの有料サービス「Nintendo Switch Online」(現地版)で提供される、6種の旧世代コンソールでのプレイデータを分析対象とした。対象コンソールは、「Nintendo Entertainment System」(NES。ファミリーコンピュータの海外版)、「SEGA Genesis」(メガドライブの海外版)、「ゲームボーイ」(ゲームボーイカラーを含む)、「Super Nintendo Entertainment System」(SNES。スーパーファミコンの海外版)、「Nintendo 64」、「ゲームボーイアドバンス」だ。
結果として、プレイヤーの総プレイ時間に占めるレトロゲームの時間の割合は、20歳から40歳の間で年齢とともに増加し、40歳前後でその割合が最も高くなる傾向が示された(20歳と比べると、40歳時点でおおむね2倍)。また、40歳前後から、レトロゲームへの興味が頭打ちになっていることが示唆された。ちなみに、一番人気なのはNintendo 64。
注目すべき点は、プレイヤーが、自分が10歳のころに人気だったコンソールのゲームに回帰する傾向(個人的ノスタルジア)が観察されたことである。一方で、自分が生まれる前のゲーム機を楽しむプレイヤーも存在した。論文によると、これは個人的ノスタルジアによるものではなく、「歴史的ノスタルジア」の可能性がある。
また、「携帯モード」と、据置型でのプレイの使い分けができるという、Nintendo Switchの独自機能に着目した分析も行った。
結果、携帯型コンソールであるゲームボーイやゲームボーイアドバンスのゲームを遊ぶときは、プレイヤーの69%がSwitchを携帯モードにしてプレイしていた。一方で、据置型コンソール(NES、SEGA Genesis 、SNES、Nintendo 64)のゲームをプレイするときでは、携帯モードの使用率は57%に留まっている。
レトロゲームと「幸福感」の関連性についての調査も行った。結果、レトロゲームを多くプレイする人と、ほとんどプレイしない人の間とでは、幸福感や、ゲーム内における「関係性満足度」に関する安定した差異は見られなかった。
Source and Image Credits: Ballou, N., Bowman, N. D., PhD, Hakman, T., & Przybylski, A. K. (2025, March 24). Reliving 10 years old: Descriptive Insights into Retro Gaming. https://doi.org/10.31234/osf.io/wt6yb_v1
関連記事
人気記事