2025年1月16日
こんにちは、しんざきと申します。前回に引き続いて、子どもと接する時に「なんかこれ職場で同じようなことやってるなー」と思ったことを書こうと思います。
この記事で書きたいのは、大体以下のような内容です。
以上です。よろしくお願いします。
さて、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、後はざっくばらんにいきましょう。
前回も書きましたが、しんざきには子どもが3人います。上の子が高校生で、下の子は中学校に入りたての双子です。
小学校では最高学年としてリーダー扱いだったのに、中学に入ったらいきなり「ついこの前まで小学生だったちびっこ」扱いになるの、親目線から見てると面白いですよね。上級生にちやほやされてまんざらでもなさそうです。
子どもを3人育てていると、まあ色々なことが通常の3倍のペースで発生するのですが、「長期休みの子どもの宿題」も当然3人分です。
「夏休み/冬休みの宿題」というのは、決して「たかが宿題」ではなく、子どもにとっては一大プロジェクトです。リソースは自分1人で、工数規模は1人月前後。難易度は様々ですが、多くの場合、複数分野にまたがるスキルセットが必要とされます。
「親が何も言わなくても長期休みの宿題を難なく片付けてしまう子ども」が極めて稀少な存在だということは、古事記にも記載されている古来からの真理ですので、毎年何かしらは気を揉むことになります。年数×春休み、夏休み、冬休みの3回分やってきたのでだいぶ慣れましたが。
「宿題の計画を立てて、その通りやりなさい」は、どんな学校でも言われることです。丁寧な学校だと、授業中にわざわざ計画を立てる時間をとって、子どもに計画表を書かせてくれたりします。
ただ、「タスクの粒度は無理のないように」「計画は必ず遅れるもの」「遅れた際にどうリカバリするかが重要」「リカバリの成否を決めるのは早めの情報共有」「計画にはマージンを含め、定期的に進捗を見直せ」といった、タスク管理の勘所まで教えてくれる学校は、まあなかなかありません。
当然、親が宿題を直接手伝うわけにはいかないので、長期休みの宿題は、「自分で計画を立て、計画通りに物事を遂行する」「定常的にタスク遂行の時間をとる」といった経験を積むための貴重な機会でもあります。親がなんでもかんでも手や口を出していたら、子どもの貴重な成長機会を奪うことになります。
とはいえ、ほとんどノウハウも知らないまま「君、中規模プロジェクトのプロジェクト管理やってね。ちなみに実行者も君1人」と言って放り出すのは、冷静に考えると結構獅子千尋(※)です。
※本当に我が子に深い愛情を持って育てるということは、わざと試練を与えて成長させることだという意味のことわざ。
そのため、しんざき家ではほんの少しずつでも、子どもに「タスク管理のノウハウ」を伝えられないかと思い、子どもの苦戦に合わせて毎年ちょこちょこ、マネジメント面でサポートしてきました。
ここでは、そのサポートで、何をどういう風に伝えてきたかを書いてみたいと思います。
大きく分けると、
くらいになります。
まず1つめ、「タスクは出来るだけ細かく切る」という話。
タスク管理の基礎のキですが、人類は基本的に「もやっとしたタスクに手をつけることが苦手」な生き物です。
例えば「読書感想文」とか、「ワークブック」とか、それなりの作業期間を取るタスクがまるっと1つ置いてあると、「何から手をつければいいか分からない……」「どれくらい時間かかるのか分からない……」となって、着手の心理的ハードルも上がるし、進み具合も把握しにくくなります。「自由研究:一週間」とか書いてあるだけの予定表とか、まあ一目で頓挫フラグ立ってます。
そこで、まずは「タスクをなるべく細かい単位で切り分けよう」というところから始めます。ワークブックならページ単位で分けますし、読書感想文なら「本を読む」「書きたい内容を抽出する」「大体の概要を構成する」といった、諸々の中小タスクに切り分けます。
特に小学校くらいだと、「自分がどれくらいのペースで宿題を進められるか」なんて感覚は身についてませんし、親にも子どもに適したペース配分なんて分かりませんので、「まあこれくらいなら30分から1時間くらいで終わるだろ」くらいまで粒度を細かくします。
で、日付単位でそのタスクを配置する。しんざき家の場合はExcel使ったりクラウドのタスク管理サービスを使ったり、その年によって色々ですが、まあ「○月×日に何をやる」ということが分かれば十分だと思ってます。
次に重要なのが、「進捗確認と、スケジュール遅れのリカバリ」です。
まず大前提として、「計画は遅れるもの」です。人間の意志なんて薄弱なもので、時にはサボりたくなりますし、体調だって崩します。急用が入ることだってあるでしょう。線表は普通、決まったタスクを毎日こなせることを前提として引くものなので、一発でその通り進められることなんて稀です。
そして、遅れは「放置すればするほどダメージが大きくなるもの」でもあります。「後で取り返せばいいや」なんて言ったって、1日あって出来なかったことが3日分たまったとして、それを「まとめて片付ける」なんてそう簡単に出来るわけないんです。出来るなら最初から遅れてません。
だから、計画が遅れた時には、早め早めにリカバリプランを考える必要があります。夏休みの宿題くらいなら、大抵の場合「残タスクを確認して、残り期間に平滑に割り振り直す」「日々の進捗確認をちょっと細かめにする」「遊びの予定を調整して宿題実施の時間をとる」「分からないところはまとめて質問を受ける」くらいのリカバリ施策でなんとかなります。
ただ、大人でもそうですが、「出来てない」「遅れてる」って、本来凄く言いにくいこと、開示に勇気が要ることなんですよね。「サボっててやってませんでした」なんて言いたくないじゃないですか、やっぱり。「遅れの状況」なんてマネージャーにとっては一番重要な情報なのに、開示出来なくてずるずるダメージを蓄積させてしまい、どうしようもなくなってから遅れが明るみに出るという状況、職場でも散々見てきました。
言いにくいことこそ、早めに開示するのが大事。だから、「遅れを報告したら、ちゃんとリカバリの方針を提示してもらえて、状況が改善した」という成功体験を積んでおくことって、今後の人生でも結構重要だと思うんですよね。
大体、「やってない……」とか「進んでない……」とか言われると、親としてはまず叱りたくなっちゃうものなんですが、しんざき家の場合、まず「言えて偉かったね」と言うようにしてます。
もちろん「いくら遅れても大丈夫」とか学習してしまったら本末転倒なので、さじ加減は難しいところですが、基本は「リカバリの成功体験」を積んでもらう方向に振ってます。だんだんと「出来るところまではちゃんと頑張る」「けど遅れてきたら早めに相談する」が出来るようになってきているかなーと。
上記にあわせて、「計画にリスク管理のマージンを積んでおくこと」も非常に重要だと思っています。
繰り返しになりますが「計画は遅れるもの」なので、日数には余裕を見ておかないと破綻リスクが高まります。毎日やる前提で詰め詰めにタスク管理をすると、一日のサボりが即全体の見直しに響きます。だから、ある程度「余剰期間」を設定します。
しんざき家の場合、「遅れた場合のマージン」ではなく、「好きに遊べるボーナス期間」
として設定すると、子どものモチベーションにも繋がって好感触でした。タスクが終わったら、それ以降は一日中ゲームやってても漫画読んでても昼寝してても、一切何も言われないボーナスタイム。「勉強や宿題を忘れて好きなだけ遊べる」となると、それを目指して頑張ろうという気にもなるものです。
決めたタスクがきちんと遂行されていたら、その後は「○○もやった方がいいんじゃないの?」とか余計なことは言わないのが大きめのポイントじゃないかと思っています。折角全部終わったら追加タスクが積まれる、となるとやっぱり「せっかく頑張ったのに」ってなっちゃいますよね。ここは気をつけています。
まあ、こんな感じのことをほぼ毎年のようにやっていて、少しずつタスク管理のノウハウを伝えようとしている、という話なのです。
当たり前の当たり前なのですが、上記のようなノウハウは、子どもが1年や2年で身に付けられることではありません。
子どもの成長って非線形で、この前出来たことが今日は出来ないなんてよくあることなので、何度も何度も繰り返してちょっとずつサポートなしで出来るようになる、というのが普通だと思います。向き不向きだってあるでしょう。
しんざき家の場合、長男が小学校低学年くらいの頃からサポートして、高校に上がるくらいでようやく放っておいても大丈夫になったかなあ、というくらいでした。長女次女についても、最初は手厚めに、様子を見ながらちょっとずつ自分でやる範囲を増やして、「あ、また苦戦してるな」と思ったらフォローする、くらいの感じで、少しずつ、少しずつ出来るようになってきています。
「タスク管理」というものに対する意識が少しずつは醸成されて、いつか何かの役に立てば、と考えるばかりです。
あくまでしんざき家の例であって、一般化するつもりはないのですが、こういうやり方もあるよ、という例示くらいのつもりで読んでいただければ幸いです。冬休みが明けたばかりいう時期になんですが、「子どもの宿題」に悩む親御さんの苦労が、少しでも軽減されればと祈念しております。
今日書きたいことはそれくらいです。
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