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フリーランスクリエイターとの協働でグッドデザイン賞受賞!出前館が語るフリーランス活用術とは?

株式会社出前館

株式会社出前館

事業内容 : フードデリバリーサービス『出前館』の運営およびその関連事業
業種:サービス・インフラ
設立 : 1999年9月
従業員数 : 363名(2023年2月21日現在)
URL:https://corporate.demae-can.co.jp/

課 題

  • LINEグループとの業務提携やコロナ禍の影響もありデザイン組織を内製化。クイックにハイスキル人材を確保する必要があった
  • サービスを止めることなくプロダクトのUI/UX改善を行うといった難易度の高い業務を実行するリソースが不足
  • グッドデザイン賞を狙うにあたり、社内に知見が不足していた

効 果

  • サービス導入から3ヶ月以内に即戦力のフリーランスを2名確保
  • サービスを停止させずにUI/UXの改善の実現
  • フリーランスの活躍でグッドデザイン賞を受賞
  • 総勢30名のデザインチームのうち、12名のフリーランスがレバテック経由で参画
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お話を伺った方

株式会社出前館
プロダクト本部 デザイン部 部長
井上 賢治 氏

1999年に創業した、国内最大級のデリバリーサービスを展開する株式会社出前館。2000年に開始したデリバリー事業への参画店舗は年々増加しており、現在の掲載店舗は約10万店以上にのぼります。2020年にはLINEグループと資本業務提携を結び、2022年には日用品や生活必需品を届けるクイックコマース分野へ参入するなど、サービスの拡大も進めています。

一方で、同社にはデザインを担う部署がなく、必要な作業を外注する状況が続いていました。そこでデザインチームを立ち上げることになりましたが、求める条件の高さや市場における同社のデザイン・テック分野の認知の弱さなどから優秀な人材の確保に課題を抱えていました。

そのような背景から導入を決めたのが、即戦力のクリエイターを確保できるフリーランスエージェントサービス「レバテッククリエイター」です。

サービスの導入後、約3か月以内に2名の参画に成功。さらにはフリーランスの貢献もあり、グッドデザイン賞の受賞など大きな成長を遂げています。現在は30名のデザインチームのうち、12名がレバテッククリエイター経由のフリーランスです。出前館が求める人材像やフリーランスの活躍例、優秀な人材を引き付けるポイントについて、プロダクト本部デザイン部長の井上賢治 氏にうかがいました。

たった1人で立ち上げたデザイン部。プロの力が今すぐにでも欲しかった

――フリーランスの導入を決めた当時、会社としてはどのような状況にあったのでしょうか?

出前館はインターネット黎明期である1999年に創業し、その翌年にデリバリーサービス「出前館」事業を開始しました。おかげさまで多くの方にご利用いただき、国内最大級のサービスに成長しています。

2020年3月にはLINEグループと資本業務提携を締結。より一層のシステム強化や顧客体験の向上を目指すことになりました。また時を同じくして、世間では新型コロナウイルスが流行し、デリバリーの需要は急激に増加。そのような背景からも、プロダクトの品質を上げていくことが求められていました。

――会社として大きくなってきたところで、UI/UXの向上を重視することにされたんですね。

そうなんです。ただ、当時の出前館にはそもそもデザイン部がなく、必要な作業を外注することでどうにか回している状態でした。

そんな中、私が元々デザインを担当していたこともあり、LINEから出前館に移って半年ほど経ったころにデザインチームの立ち上げを提案されたんです。自分としてもせっかくの機会なので、「よし、やってみよう」とチャレンジすることにしました。

――デザインチームを立ち上げられてから、どのようなことに取り組まれたのでしょうか?

当然ながら、立ち上げ当時はデザインに関するものが何ひとつ整っていない状態でした。デザインやロゴのガイドラインはもちろん、デザイナーに依頼するワークフロー、Figmaのライブラリーなど、デザインに関する仕組みを整えていきました。 

そのうえで、プロダクトのUIをユーザーにとって使いやすいUIにしたり、必要な機能を増やしたりしました。たとえば、ユーザーが商品を注文したあとの「〇分ごろ届きます」といった表示や、ドライバーが今どこにいるかをリアルタイムで確認できる機能などですね。

――プロダクトを改善していくにあたり、難しかったのはどのような点ですか。

何よりも難しかったのは、「サービスを止めることはできない」という点ですね。やるべきこと、やりたいことは山のようにある中で、すでに多くのユーザーを抱えているサービスを停止させないまま機能の追加や改善を行う難しさがありました。

その前提で、まずは競合サービスと比較したときに自社に足りないところを埋めていったり、既存のサービスを使い勝手のよいものにしていったりというところに注力しました。しかし、やっていくほど「これも足りない、あれも足りない」と思うようになり、リソースが追いつかないジレンマを抱えていました。

――リソース不足の課題はどのように解決しようとしたのでしょうか?

当時、正社員の募集もしていましたが、求める人材は市場には少なくどうしても採用に時間がかかってしまいます。加えて、採用市場において当時はまだ出前館がクリエイティブやテックに強いイメージはあまり無く、採用に苦戦することは想像できました。

すでにリリースされているサービスを止めずに改善していく作業の中では、その局面に応じて必要なスキルも変わってきます。そのような状況において、柔軟に対応していくためにはフリーランスの確保が重要だと考えました。

レバテックとはもともと社内の別部署で取引があったので、このタイミングで私からもレバテックに問い合わせをし、取引が始まりました。

「週5・常駐・課題提出あり選考」でもハイスキル人材を次々確保。現在は12名のフリーランスが稼働

――当初はどのような人材を募集されたのでしょうか?

譲れない条件がいくつかありました。技術面では、店舗の方が利用する管理画面やユーザー側の画面など、アプリのUI/UXデザインができるような、高いスキルを持つ技術者であること。

また働き方の面では、当時はフル常駐かつ週5で稼働できる人を求めていました。フリーランスの中にはフルリモート希望の人や、週1〜2日の稼働を希望する人が少なくないことはもちろん知っています。しかし、なにしろチームの立ち上げ期なので、ある程度の熱量を持ってコミットしてほしかったんです。

さらに選考段階でも、契約までの商談回数が「1回」という会社も多いところ、「面談2回」と「課題の提出」をお願いしていました。この課題は、最終的なアウトプットそのものより、その思考プロセスを大事にするものです。実際の現場では私からデザインの意図について質問をするので、そのような環境に合うかどうかをお互い見極めるためでもあります。

レバテックには、難しいお願いをした自覚はあります。ただ、このような条件だからと選考を辞退されるのであれば、それはもう仕方ないと割り切っていましたね。

――なかなか厳しい条件ですよね。ほかのエージェント会社にもお声がけされたのでしょうか。

そうですね。レバテック以外にも3〜4社ほどお声がけしました。ただ、レバテックの営業担当は特に良質な提案をしてくれたんです。こちらからの高いオーダーをがんがん打ち返してくるので、「この人すごいな」と思っていました。

まず、提案量が多いんです。加えて「出前館に適した人材かどうか」をきちんと見定めてくれている。だから質も高かったんですよね。レバテックには質が伴わない人材の提案がなく、一定のレベルに達した人たちの中からさらに良い人材を選ぶことができたのはありがたかったです。

担当者がすごく熱心に対応してくれることもあり、出前館サイドとしてもできることはやろうと頑張りました。たとえば「面談2回は譲れないけれど、リードタイムが伸びないようすぐに2回目の面談を設定する」など、担当者と二人三脚で選考スタイルを練っていました。

――その結果、無事優秀な人材の確保ができたんですね。

はい。導入から3ヶ月以内に2人の即戦力人材を確保できました。最初に参画いただいたお2人は今も稼働してくれており、ハイレベルな仕事をしてくださっています。参画当初、使いづらいUIを改修するためのアイディアを短期間でいくつも出してくださったのはとても助かりました。

また、コミュニケーションがきちんと取れることも非常に良かったですね。デザイナーに限らず、クリエイティブな分野では自分の中に譲れないものを持っているがゆえに衝突してしまうケースも少なくないんです。そのマネジメントは大変なのですが、幸いにもこの2人に関してはそんな悩みが生じることはなかったですね。

いろいろなエージェント会社とお付き合いするのは私も大変なので、今はほとんどレバテックに絞っています。現在はレバテッククリエイター経由で12人のフリーランスが参画してくれていて、ほとんど全員がプロダクト本部デザイン部に配属されています。

――2年半で12人のフリーランスを確保されたんですね。そこで何か困ったことはなかったのでしょうか?

ないですね。皆さんそれぞれがプロフェッショナルとしてさまざまな領域に特化しており、「レベル感」×「ケイパビリティ」には非常に満足しています。社員との垣根はなるべく作らないようにしていることもあり、関係性もすごく良いんですよ。仕事終わりにご飯に行くことも珍しくありません。

働き方の面でも、組織として整いつつあることから、今は週3稼働やリモートなど、働き方に幅を持たせられるようになりました。 フリーランスやデザイナーの方は柔軟な働き方を重要視していたり、成果を最大限出すためのご自身なりのこだわりを持っていたりすることも多いので、組織を拡大していくうえでこの意思決定は重要だったと思います。この結果、より多様な人材にご参画いただくことができています。

2022年末のグッドデザイン賞も、きっかけはフリーランスだった

――レバテック経由で参画したフリーランスの働きぶりで印象に残っているものはありますか。

2022年に受賞したグッドデザイン賞です。

ある日社内でレバテック経由で参画していただいているフリーランスの方と雑談していたとき、グッドデザイン賞への応募を勧められたんです。「出前館は20年以上も前からデリバリーサービスを展開してきた。コロナ禍の今、世の中に求められているサービスでもある。応募するならまさにこのタイミングなのでは」と提案されました。

それを聞いて、「確かに」と思ったんです。私たちは江戸時代から続く日本の出前文化を受け継ぎ、その名も「出前館」として20年以上事業を展開してきました。「出前」に込めた想いや誇りも強い。また2020年以降は、コロナ禍の飲食店や人々の暮らしを支えるためにはどうすればいいかをずっと試行錯誤してきました。

デザインチームを立ち上げ、店舗とユーザーのために力を注いできたことに対する成果の証として、グッドデザイン賞のタイトルを目指すべきだと挑戦を決めました。

――フリーランスの方のひと言がきっかけだったんですね。

そうなんです。ただ、挑戦を決めたのはいいのですが、社内にグッドデザイン賞受賞に向けた知見はありません。そこで、ここでも「誰かいい人いませんか」とまず最初にレバテックに相談しました。

そうしたら、ありがたいことに過去にグッドデザイン賞を受賞されたご経験があり、上流工程から任せられるフリーランスの方にご参画いただけることになりました。営業担当の方が当社の要望にマッチする候補者を非常に熱心に探してくださったのと、レバテックの登録者数の豊富さがあったからこその結果だと思います。

参画いただいた方は、技術力は言うまでもありませんが、アウトプットに至るまでの思考がとても深い方でした。日本の出前の歴史の延長線上に出前館があることや、この20年の出前館の思いを汲みとったうえでまとめ、最終的なデザインに落とし込んでくれました。フリーランスの方でもここまで会社やサービスの背景を汲み取った仕事をしてくださるというのは良いギャップでしたね。

もちろん他のフリーランスの皆さんにも頑張っていただきました。審査は1次審査、2次審査があり、2次審査では審査会場にブースを出す必要があります。そこに向けて限られた時間の中で、プロダクトの管理画面や会場のグラフィック、リーフレットやユーザー側のモックアップなどを皆で作りました。

そして2022年11月、グッドデザイン賞を受賞することができました。Web・アプリのUI/UXやブランディング、コミュニケーションだけでなく、「加盟店や配達員のワークフロー設計も含めてトータルでクオリティの高い体験デザインを実現している点」が評価されました。これは、デザインチーム総出で勝ち取った成果です。

――優秀なフリーランスデザイナーを獲得する秘訣はありますか?

まず前提として、社員かフリーランスかは関係なく、それぞれが自分の人生を歩んでいて、その中で叶えたいキャリアがあるわけです。ミスマッチなく参画していただくには、お互いが求めるものと提供できるものをすり合わせ、うまくマッチングしたら一緒にお仕事をするという流れが理想的です。そのため、「私たちは今こういうステージにいて、こういう環境です」としっかりと説明することが大切だと考えています。

私自身は、デザインの仕事の醍醐味は上流部分やいろいろ幅を広げていくところにあると思っています。企業によっては、「フリーランスにはバナーだけ作らせておく」といった雇い方をするところもありますが、これではいい人材に出会える可能性は極めて低くなってしまいます。

上から目線で「雇ってやる」のではなく、対等なプロ同士として対話する。スキルを提供してもらう代わりに、私たちからも「どうすればあなたのキャリアに貢献できますか」とたずね、力になれることがあれば支援する。このような関わりを大事にしています。

――いい人材を見極めるために、面談ではどのようなことを意識されているのでしょうか?

やはり誰しも、初対面だと緊張するじゃないですか。それが採用の場面であればなおさらです。その状態のまま話を進めることは、あまり効率的ではありません。

なので、まずは心の距離を縮めることを心がけています。具体的には、会話の中で共通点を見つけることを重視していますね。過去やってきたことや仕事の話のほかにも出身地や趣味の話、Zoomの背景から話題を広げることもあります。 そうしてちょっと打ち解けたところで目指すキャリアを聞き、「うちならこういう経験が積めますよ」といった話をします。

――本当に応募者に寄り添っていらっしゃるんですね。

多くの人にとって、「自分はこれだけのスキルを持っているのに、こんな仕事しか任せてもらえない」と感じるのはつらいはず。フリーランスを選ぶ大きな魅力の一つはいろいろな経験を積めることだと思っているので、これからもそのための支援は行っていくつもりです。

出前館は自分が手をあげれば何でもできる、フリーランスの方にもチャンスが多い環境だと思います。この現場を最大限に生かしてほしいですね。

――最後に、デザインチームの今後の展望とレバテックとのかかわりについてお聞かせください。

相変わらず日々のタスクに追われてはいますが、組織としてようやく少し形になってきました。これからは目先の問題だけにとらわれず、もっと中長期的な課題を見つめ、その解決策をフランクに提案し合えるような雰囲気をつくっていきたいと考えています。

また、ゆくゆくは「出前館はクリエイティブやテックが強いよね」と言われるチームにしていきたいですね。そのためには、レバテックとの関係性が重要な役割を果たすはずです。今後もレバテックにいるプロフェッショナルの力をぜひお借りしたいですね。本当に期待しています。

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