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最終更新日:2025年7月4日

採用コストの計算方法とは?平均コストや削減のポイントも紹介

IT人材の採用に関わるすべての方へ

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「採用コストがどれくらいかかっているのか把握できていない」「採用予算の立て方がわからない」そんなお悩みはありませんか?

本記事では、採用コストの計算方法や平均相場、具体的なコスト削減策などを詳しく解説します。採用活動の効率化を図り、限られた予算で最大の効果を得るための実践的なヒントが満載です。

採用コストを「見える化」して戦略的な人材獲得を実現したい方は、ぜひ最後までお読みください。

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採用コスト(採用単価)とは

採用コストとは、新たな人材を獲得するために企業が投じる費用の総額を指します。主に外部に支払う「外部コスト」と社内で発生する「内部コスト」の2種類に大きく分けられます。

採用コスト = 外部コスト + 内部コスト

また、採用単価とは、採用コスト総額を採用した人数で割った「一人当たりの採用にかかる費用」のことです。たとえば、採用コスト総額が600万円で6人採用できたなら、採用単価は100万円となります。

人材獲得の競争が激しくなる現代では、この採用コストを正確に把握することが経営戦略上重要となっています。採用単価を把握し、採用手法の費用対効果を数値化することで、採用活動の効率性を測ることができるのです。

外部コスト

外部コストは、採用活動において社外へ支払う費用の総額です。主な項目としては、求人広告の掲載費、人材紹介サービスの利用料、企業説明会への出展料などが含まれます。特に人材紹介会社へ支払う紹介手数料は、年収の30~40%程度と高額になることが一般的なため、採用コストの大きな部分を占めることがあります。

求人広告掲載費 求人情報サイト、求人情報誌、新聞広告、Web広告(リスティング広告、SNS広告など)への出稿費用
人材紹介サービス利用料 人材紹介会社への成功報酬(理論年収の30~40%が一般的)、契約金など
企業説明会・イベント関連費 合同企業説明会への出展料、自社開催説明会の会場費、運営委託費、ノベルティ制作費など
採用関連資料の制作費 会社案内パンフレット、採用オウンドメディアの制作・改修費用、採用動画など

これらの外部コストは予算として計上しやすく、可視化されやすいという特徴があります。しかし、各媒体や手法によって費用対効果は大きく異なるため、自社に合った適切な選択が必要です。求人サイトの種類や出稿方法によっても費用は変わってきますし、採用ターゲットによって効果的な媒体も異なってくるでしょう。

内部コスト

内部コストとは、社内で採用活動にかかるコストのことを指します。特に多くを占めているのは、採用担当者の人件費です。面接官や筆記試験の採点者など、採用プロセスに関わるあらゆる従業員の人件費や時間的コスト、リファラル採用で社員に支払う報酬なども含まれます。

採用担当者の人件費 採用計画策定、母集団形成、書類選考、面接、内定者フォローなどに費やした時間分の給与・賞与・社会保険料など
面接官の人件費 現場社員や役員が面接に費やした時間分の給与など
リファラル採用のインセンティブ 紹介してくれた社員へ支払う報奨金など
社内研修費 新入社員受け入れ準備のための研修や、面接官トレーニング費用など
その他諸経費 採用活動に伴う通信費、候補者の交通費(企業負担の場合)、会議室利用料(外部の場合)など

内部コストは数値化がしにくいため、見過ごしてしまいがちです。採用担当者一人が一日の勤務時間のうちどれくらいの割合を採用活動に費やしているか、面接に参加する役職者の時給換算はいくらになるかなど、細かく計算することで、より正確な採用コストが見えてくるでしょう。

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1人あたりの採用コスト(採用単価)の計算方法

1人あたりの採用コスト(採用単価)は、以下の基本式で求められます。1人あたりの採用コスト = 総採用コスト(外部コスト+内部コスト) ÷ 採用人数
【例】総採用コスト972万円 ÷ 採用人数10人 = 97.2万円/人

「総採用コスト」には、「外部コスト」と「内部コスト」の両方が含まれます。

採用コストは業界や職種、企業規模によって大きく異なりますが、IT人材の採用においては一般的に高めになる傾向があります。市場価値の高いエンジニアを採用する場合、1人あたり100万円を超えることも珍しくないでしょう。

採用コストを計算・分析することで、コストパフォーマンスの高い採用チャネルの特定や、採用プロセスの無駄の削減につなげることができます。また、採用予算の策定や経営層への報告の際にも、この数値は重要な指標となるでしょう。

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採用手法別の採用コスト平均

採用コストは、採用手法によって大きな差があります。企業に合った採用手法を選ぶためにも、手法別の平均コストを把握することが重要です。

厚生労働省の調査報告書によると、採用手法別の正社員1人当たりの採用コストは以下のとおりです。

採用手法 1人当たりの採用コスト(平均)
民間職業紹介事業者 85.1万円
求人情報誌・チラシ 11.2万円
インターネットの求人情報サイト 28.5万円
インターネットの求人情報まとめサイト(※) 6.4万円
スカウトサービス 91.4万円
新聞広告・屋外広告 7.1万円
SNS 0.9万円
知り合い・社員等からの紹介(縁故) 4.4万円
自社HP等からの直接応募 2.8万円

※求人情報サイトを一括して検索できるサイト。

引用:令和3年度厚生労働省委託調査「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査」報告書

上記のとおり、人材紹介会社やスカウトサービスを利用する場合は、特に高額なコストがかかります。しかし、即戦力人材や自社にマッチした人材をより獲得しやすいというメリットがあります。

採用コストを検討する際は、単純な広告費や手数料だけでなく、費用対効果や採用担当者の人件費なども含めた総合的な視点が大切です。自社のニーズや採用難易度に合わせて、最適な採用手法を選択することをおすすめします。

新卒・中途採用別の採用コスト平均

採用コストは採用形態によっても異なります。新卒採用と中途採用では、必要な施策や活動期間が違うため、かかる費用にも差が生じるのです。適切な採用予算を立てるためにも、それぞれの特徴と平均コストを理解しておきましょう。

新卒採用の平均コスト

新卒採用の平均コストは1人あたり90万円程度といわれています。この金額の理由として、採用活動が長期間にわたることが挙げられるでしょう。説明会から内定、入社まで1年近くかかるケースも少なくありません。

新卒採用では、求人広告費や合同説明会への出展料、会社説明会の会場費、採用担当者の人件費などが主なコスト項目となります。

特に新卒採用では、採用数が多い場合でも1人あたりのコストを抑えられる「スケールメリット」が働く点も特徴的です。多くの学生に一度にアプローチできるため、採用人数が多いほど効率的になる傾向があります。

中途採用の平均コスト

中途採用の平均コストは1人あたり100万円程度と、新卒採用より高めの傾向にあります。これは特にIT人材の採用において顕著で、即戦力となるようなスキルや経験を持つ人材を獲得するために、人材紹介やスカウトサービスを利用する傾向があるためです。

一方で、入社後の研修コストが比較的抑えられるというメリットがあります。また、採用活動の期間も新卒と比べて短く、必要なときに必要な人材を採用できる柔軟性も持ち合わせています。

両者のコストを比較する際は、単純な採用コストだけでなく、入社後の育成コストや活躍までの期間なども含めた総合的な視点が重要です。IT人材の採用では特に、初期投資としての採用コストと長期的な人材価値のバランスを考慮した戦略が求められます。

採用コストの相場や計算方法については下記記事でも解説しています!こちらもあわせてご活用ください。
1人当たりの採用コストの相場は?計算方法や費用削減のポイントを解説

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採用コストを削減するための3つのポイント

IT人材の採用では、市場価値の高さから、コスト管理が重要な課題となっています。ここでは、採用コストを削減するための3つの重要なポイントを解説します。

ミスマッチを防ぐ

採用コストを削減するためには、ミスマッチを防ぐことが重要です。ミスマッチは採用コストの中でも特に大きな増加要因であり、入社後すぐに退職されると、採用コストが無駄になるだけでなく、再度採用活動を行う必要が生じます。

レバテックが行った「IT人材の採用・定着に関する実態調査」によると、IT人材採用担当者の6割以上が採用後に「採用時の見立てとギャップがあった」と回答しました。その理由として、「スキル・経験が期待よりも不足していた(39.1%)」が最多で、続いて「業務内容と志向がマッチしていなかった(32.6%)」「自社のカルチャー・価値観とのフィット感が薄かった(15.2%)」といった志向や価値観のズレも目立ち、採用後のミスマッチ問題が浮き彫りとなりました。

IT人材の採用後、「採用時の見立てとギャップがあった」と感じたことがあるか 回答グラフ
採用後に感じた具体的なギャップ 回答グラフ

引用:IT人材の早期離職が「増加した」と約4割の採用担当者が回答、 AI活用によるミスマッチ防止も

また、厚生労働省の調査によれば、新卒社員の入社3年以内の離職率は約3割と言われており、ミスマッチによる離職は企業にとって大きな課題となることが分かります。

引用:令和5年 雇用動向調査結果の概要(厚生労働省)

ミスマッチを防ぐためには、まず求める人材像を明確にしましょう。技術スタックや経験年数といった表面的な条件だけでなく、企業文化や価値観との相性も重視することが大切です。職場見学や現場のエンジニアとの面談を組み込むことで、お互いの理解を深めることができるでしょう。

また、採用情報の発信では、企業の「ありのままの姿」を伝えることが重要です。良い面だけでなく、課題や成長過程にある部分も含めて正直に伝えることで、入社後のギャップを減らせます。こうした取り組みは短期的なコスト削減だけでなく、長期的な人材定着にもつながります。

内部コストを見直す

採用にかかる内部コストの見直しも大切な施策です。特に面接や選考にかかる時間は、目に見えにくいものの大きなコスト要因となっています。

まずは、選考フローの効率化を図りましょう。たとえば、一次面接をオンライン面接に変更したり、グループ面接を活用したりすることで、面接官の拘束時間を減らせます。また、面接の評価基準や質問項目を標準化することも、選考の精度と効率を同時に高められるため、結果的に採用にかかるコストを抑えることができます。

他には、採用プロセスの一部にツールを導入することも有効です。AIによる適性検査や面接日程の調整ができるツールなどを導入することで、採用担当者の業務負担を減らすことができます。

外部コスト(採用手法)を見直す

採用にかかる外部コストを削減するためには、採用手法を一度見直してみましょう。適切な採用手法の選択や複数の手法を組み合わせることで、外部コストを最適化できる可能性があります。

まずは、採用手法ごとの費用対効果を分析しましょう。「どの採用チャネルから何人の応募があり、最終的に何人採用できたか」というデータを取ることで、効率の良い手法が見えてきます。

採用手法にはさまざまな種類があり、各手法の詳細については次章で解説します。

採用コストの削減方法や手法別の相場については、下記記事でも解説しています!ぜひこちらも参考にしてください。
採用コストの削減方法は?手法別の相場や見直しのポイントを解説

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採用コストの削減に効果的な採用手法

採用コストを抑えつつ、質の高いIT人材を獲得するためには、従来の手法に捉われず、より戦略的なアプローチが求められます。ここでは、特にコスト削減効果が期待できる4つの採用手法を解説します。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、企業が候補者へ直接アプローチする採用手法です。自社の魅力やビジョンを直接伝えることで、潜在的な候補者層にもリーチできます。

この手法のコスト削減につながるメリットは、企業が必要としているスキルや経験を持つ人材に絞ってアプローチできるため、選考プロセスが効率化されることと、入社後のミスマッチを防ぐ効果が見込めることです。

具体的な活用例としては、ダイレクトリクルーティング専用のサービスを利用し、候補者データベースから直接スカウトメールを送ります。また、自社で開催するイベントやセミナーで接点を持った有望な人材に対して、継続的にアプローチする方法もあります。

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リファラル採用

リファラル採用は、自社の社員に人材を紹介してもらう「社員紹介制度」です。信頼できる社員からの紹介であるため、候補者のスキルや人柄に対する信頼性が高く、自社への適合性が高い人材が集まりやすいという特徴があります。

コスト面でのメリットとして、求人広告費や人材紹介会社のような手数料がかからない点が挙げられます。紹介者に対してインセンティブ制度を設けたとしても、外部サービスを利用する場合と比較すれば、総コストを安価に抑えられるケースが多いでしょう。

また、紹介者から事前に社風や具体的な業務内容について詳しく聞いていることが多いため、入社後のミスマッチが起こりにくく、早期離職のリスクを低減できるというメリットもあります。

この制度を効果的に運用するためには、社員紹介制度を整備し、紹介者と被紹介者の双方にとって魅力的なインセンティブ(報奨金や特別休暇など)を設定することが大切です。さらに、制度の存在を社内へ積極的に周知し、社員が気軽に知人を紹介できるようなオープンな雰囲気作りも重要となります。

リファラル採用の詳細について知りたくありませんか?下記記事で詳しく解説していますので、ぜひご活用ください。
リファラル採用とは?導入するメリットや成功させるためのポイントを紹介

SNS

Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSを活用する採用手法も、現代においてコスト効率の高い選択肢の一つです。企業の日常の様子や独自の文化、社員の生の声をリアルタイムに発信することで、求職者との継続的な関係構築を図ることができます。

SNS活用のメリットは、多くのSNSプラットフォームが基本的に無料で利用開始できることです。有料広対効果を高めやすいという利点があります。また、すぐに転職を考えていない潜在的な候補者層に対しても、企業の魅力を伝えることで、将来的な応募へと繋げることが可能です。

具体的な方法としては、企業の公式アカウントを運用し、社内イベントの様子や社員インタビュー、業界の最新トレンドといった情報を定期的に発信します。特定のハッシュタグを戦略的に活用することで、ターゲットとする層により情報を届けやすくなるでしょう。

オウンドメディア

自社で運営する採用特化サイトやブログなどのオウンドメディアも、採用活動に有効な手段です。質の高いコンテンツを継続的に発信することで、企業に興味を持つ候補者潜在層を増やす効果が期待できます。

メリットとしては、自社運営のメディアのため、企業の魅力や求める人物像を深く、そして自由な表現で伝えることができます。また、オウンドメディアを活用することで求人広告への出稿頻度を減らすなど、外部媒体への依存度やコストを減らすことができます。

また、発信した情報は企業の貴重な資産として蓄積されます。SEO対策を適切に施すことで、検索エンジンからの流入も期待できるため、長期的な視点で見ても採用活動に大きく貢献するでしょう。

発信コンテンツとしては、社員の1日の仕事内容やキャリアパス、過去に手がけたプロジェクトの事例、企業が大切にしている文化などを詳細に紹介する記事などが挙げられます。また、応募フォームへの導線を分かりやすくし、候補者がスムーズに応募手続きに進めるように配慮することも重要なポイントです。

これらの採用手法は、それぞれ単独で活用することも有効ですが、複数を戦略的に組み合わせることで相乗効果が生まれ、採用活動全体の効果をさらに高めることができます。自社の事業フェーズや採用ターゲット、そして利用可能な予算などを総合的に考慮し、最適な手法を選択・実行していくことが、採用コストの削減と採用成功の両立を実現するための鍵となります。

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採用コストの計算方法に関するよくある質問

Q1.採用コストの計算式を教えてください

採用コストには「外部コスト」と「内部コスト」があり、その合計が総採用コストとなります。

  • 総採用コスト = 外部コスト + 内部コスト
  • 外部コスト: 社外サービス利用にかかる費用
    (例:求人広告費、人材紹介サービス利用料など)
  • 内部コスト: 社内リソースにかかる費用
    (例:人事担当者や面接官の人件費、社内研修費など)

また、1人当たりの採用コスト(採用単価)は、総採用コストを採用人数で割ったものになります。

  • 1人当たり採用コスト = 総採用コスト ÷ 採用人数

Q2.1人当たりの採用にかかる費用はどのくらいですか?

1人当たりの採用コストは、企業規模や職種などによって変わりますが、おおよその目安は以下のとおりです。

  • 新卒採用:90万円程度
  • 中途採用:100万円程度

また、採用コストは採用手法によっても左右されます。採用手法にはさまざまなものがあり、求人広告掲載費は人材紹介サービス利用料、リファラル採用、SNS、自社の採用オウンドメディアなどが挙げられます。それぞれメリット・デメリットがありますので、自社の状況に応じて活用しましょう。

採用コストを削減するには、単にコストを抑えるだけでなく、採用の質や投資対効果も考慮することが大切です。ミスマッチによる早期離職は、結果的にコスト増につながります。

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