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2015年9月30日の労働者派遣法の改正により、特定派遣事業は廃止されました。経過措置として2018年9月29までは旧事業を継続できましたが、現在ではそれもなくなり、労働者派遣事業は許可制に一本化されています。
では、廃止された特定派遣事業とはどういった制度で、なぜ廃止となったのでしょうか。また、特定派遣事業の廃止に伴い、エンジニア人材の雇い入れが難しくなっている企業は、どのような方法で外部リソースを確保していけば良いのでしょうか。
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法改正以前まで労働派遣事業は、「一般派遣事業」「特定派遣事業」の2つに区分されていました。特定派遣事業とは、「常用雇用労働者」のみを扱う派遣事業のことです。分かりやすく言うと、労働者を常時雇用し、派遣先で就業してもらう形態です。常時雇用しているため、派遣先での仕事が終わったとしても、自社に戻って就労してもらうか、新たな派遣先で就労してもらうということができました。
派遣元企業から見た特定派遣事業のメリットは、許可制ではなく届出制であること。一般派遣事業を行う場合は、一定の資産や派遣元責任者の配置など、細かく要件が定められており、それらをクリアしないと取得することができません。しかし、特定派遣事業は届け出を行えば良いので、参入が比較的容易となっていました。
特定派遣事業で取り扱われることの多かったエンジニアのような専門性の高い業種については、「専門26業種」という区分に含まれていました。
これらの26業種では、働く上でのさまざまな特例がありました。たとえば、一般派遣事業では同一事業所に3年を超えて派遣労働者を、就労させる(雇い入れる)ことができませんが、26業種に該当する場合は例外として扱われていたのです。
しかし、労働者派遣法の改正によりこれら26業種の特例も廃止されたため、ソフトウェア開発の業務であっても、原則として同一事業所では3年を超えて就労させる(雇い入れる)ことはできなくなりました。
特定派遣事業下で働く派遣労働者は常時雇用であるため、労働者にとって雇用の安定性が高いと考えられてきました。特定派遣事業が許可制ではなく、届出制となっていたのは、そのためであると考えられます。しかし、実際は「常時雇用」の定義が曖昧だったようです。労働派遣事業をすべて許可制へ一本化した法改正はより雇用を安定させるためであったのだと推測されます。
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特定派遣事業の下、常用雇用労働者として働いていたエンジニアは少なくありません。労働派遣法の改正によってこの働き方ができなくなった今、どのような選択をしているのでしょうか。
考えられるのは、現行の派遣法に基づき、雇用期間の定めがあるが「引き続き派遣として働いている」ケース。もしくは転職して「正社員として働いている」か、「フリーランスとして独立した」等が考えられます。
特定派遣として働いていた人は、多くの現場で経験を積んできているため、高いスキルを持っていることが多い傾向にあります。このスキルを武器にして、この機会にフリーランスになった人は少なくないでしょう。また、現在派遣として働いている人の中にも、フリーランスを目指そうとしている人はいると考えられます。
フリーランスは、特定の企業や団体に所属せず、案件単位で企業と契約して業務を遂行し、報酬を得る働き方です。企業がフリーランスを活用する場合、「請負契約」もしくは「準委任契約」という形で業務の遂行を依頼することになります。
「これまで特定派遣事業下で派遣労働者を雇い入れていたが、法改正によってエンジニア人材の確保が難しくなっている」という企業は、フリーランスエンジニアの活用を視野に入れてみるのも良いでしょう。
関連記事 : 特定派遣の廃止でなにが変わった?廃止の背景や廃止後の対応について解説
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派遣労働者の雇い入れが難しい場合、派遣に代わる選択肢として「SES契約」が挙げられます。SESとは、システムエンジニアリングサービスの略で、一般的にエンジニアの技術力を提供するサービスのこと。SES契約は、フリーランスエンジニアもしくはSES事業を行う企業と結びます。
SES契約は、法律用語として同サービスおよび契約形態が存在するわけではないため、明確な定義はありません。しかし、一般的には準委任契約の形態が多いようです。SES契約で業務を行うエンジニアは、業務効率や情報漏えいの観点から、依頼先の企業に常駐することもあります。
SESのメリットとして、次のようなものが挙げられます。
派遣労働者を活用する場合、原則として3年を超えて契約を継続することはできません。一方SES契約の場合、期間の定めを受けないというメリットがあります。
SESで活躍するエンジニアは、依頼された業務を遂行できるスキルを持っているのが前提のため、即戦力が期待できます。特に、フリーランスの場合は経験豊富なエンジニアが多い傾向です。採用や育成の手間なく、自社の求めるスキルを持ったエンジニアを確保できるのは、SESのメリットといえるでしょう。
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