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オフショア開発失敗の原因は?よくある事例と成功に向けた対策を紹介

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「オフショア開発は失敗することが多い…?」と悩む担当者に向けて、オフショア開発のよくある失敗事例とその対策を紹介します。

オフショア開発は、現地チームとのコミュニケーション不足から失敗することもありますが、ポイントを守れば成功に導くことが可能です。記事を読んで、オフショア開発特有の注意点や海外メンバーとの意思疎通のやり方について把握しましょう。

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オフショア開発の失敗事例5つ

オフショア開発には、「人件費が削減できる」「優秀な人材を確保できる」などのメリットがありますが、実際には失敗することも多くあります。ありがちな失敗を避けるためにも、具体的な失敗事例を確認していきましょう。

事例1. スケジュールの遅延が発生し納期が守られなかった

プロジェクトが計画通りに進まず納期に間に合わないパターンです。よくあるのが、初期の段階で要件が整理されておらず、後になって追加の開発が必要と分かりスケジュールが遅れる失敗です。これは国内でもよく見られる失敗事例です。

海外特有の失敗例としては、時間管理の意識が薄く、そもそも「締め切りを守らなければ」という危機感がないために納期に間に合わないという問題があります。さらに、インフラが未発達な地域では、停電や通信障害によってスケジュールが遅れることも少なくありません。

事例2. 成果物の品質が低く多くの修正が必要だった

オフショア開発では、できあがったシステムが正常に動かなかったり、必要な機能を備えていなかったりと、期待したよりも品質が低いことがあります。仕様の伝え方が十分でなかったり、価格面だけで依頼先を選んでしまったりすることが主な失敗の原因です。

事例3. コスト削減を期待したのにかえってコストがかかってしまった

コスト削減を目的にオフショア開発を行う企業は多いですが、状況によってはかえってコストがかかってしまう失敗もあります。よくあるのが、為替変動で当初の想定よりも支払い料金が高くなってしまうパターンです。

また、「通訳や現地マネージャーなどエンジニア以外に人件費がかかった」「成果物の品質が低くほかの企業に再委託した」という理由でコストがかさむこともあります。

事例4. 発注先と急に連絡がとれなくなってしまった

海外に開発を委託する際、発注先と突然連絡がとれなくなる可能性はゼロではありません。日本企業との取引に慣れていない企業を選んだり、価格の安さだけで取引先を選んだりするとリスクが高まるので注意が必要です。

事例5. コンプライアンスへの意識が低く開発を断念した

委託先の国によっては、コンプライアンスやセキュリティ対策への意識が低いことがあります。そもそも、コンプライアンスや情報セキュリティの重要性が理解されていない場合もあり、そうした委託先に案件を任せると、個人情報漏洩やコンピュータウイルス感染などのリスクが高まります。会社の信用を落とさないためにも、安全面からオフショア開発を断念する企業もあるでしょう。

関連記事:オフショアとニアショアの違いとは?メリット・デメリットからおすすめを解説

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オフショア開発で失敗してしまう原因

では、オフショア開発が失敗してしまうそもそもの原因は何なのでしょうか。失敗しない対策を考えるためにも、まずはよくある失敗の要因を確認していきましょう。

開発チームとのコミュニケーションが不足している

オフショア開発が失敗する最もよくある原因の一つは、現地チームとのコミュニケーションの不足です。オフショア開発でのコミュニケーションには、言葉の壁に加えて文化や習慣の違いによる難しさがあります。日本人同士では「暗黙の了解」が成立しても、海外メンバーは日本人と同じように空気を読んでくれるとは限りません。コミュニケーションが不十分だった結果、認識に齟齬が生じてトラブルが発生してしまいます。

文化の違いによるすれ違い

オフショア先との文化や価値観の違いは、仕事に対する姿勢にも現れます。たとえば、海外では仕事よりも家族との時間を重視する人が多く、クリスマスや旧正月といったイベントが近づくと普段以上に家庭の優先度が上がります。そういったタイミングで日本人と同じ働きぶりを期待すると、ギャップを感じる可能性が高いです。

距離の遠さによるすれ違い

オフショア先と日本が遠く離れていると時差が大きくなり、必要なタイミングでの連携が難しくなります。メールはいつでも送信できますが、電話やオンラインでの会話と比べると、どうしても細かなニュアンスは伝わりづらいです。コミュニケ-ションの行き違いも起きやすいので、週次でオンラインMTGの時間を確保するなどの工夫を行いましょう。

仕様や要件が曖昧だった

仕様や要件が曖昧であることもオフショア開発が失敗する要因の一つです。海外チームは「仕様書に書かれていないことはしない」という姿勢で開発を進めることも多く、細かく明確な指示を行わなければ想定とまったく違う成果物が納品されるおそれがあります。

開発メンバーの入れ替わりが激しかった

メンバーの入れ替わりが頻繁にあると、成果物の品質が落ちたり、納期が守られなかったりする問題が発生します。

ある程度の規模の開発を行う場合、個々人の慣れによって作業が効率化されることが多いです。プロジェクトを進める中で、ソースコードの作法が確立することもあるでしょう。

それまで問題のなかった作業の質が急に落ちた際は、メンバーの離職や入れ替わりがあった可能性が高いです。

依頼先をよく調べなかった

依頼先の情報をよく調べず、実績のない企業に発注してオフショア開発が失敗するパターンもあります。コスト面ばかりを優先して見積もりが安く実績のない企業に発注してしまうと、低品質の成果物が納品されたり、納期が遅れたりといったトラブルが起こりかねません。

ブリッジSEに問題があった

ブリッジSEとは、日本側とオフショア先との橋渡し役となるSEです。日本側のエンジニアが担当する場合と、日本語が堪能な現地エンジニアが担当する場合の2パターンがあります。いずれの場合もブリッジSEはオフショア開発成功の鍵を握っており、能力が低かったり途中で配置換えがあったりすると、開発の失敗につながります。以下で、よくある2つの失敗例を紹介します。

(1)現地ブリッジSEの日本語力が低く細かなニュアンスが伝わらなかったために、想定と違う成果物が仕上がった
(2)オフショア先のチームの技術力不足をブリッジSE一人が補っていた。そのため、配置変えなどでブリッジSEがプロジェクトを抜けた後、品質が急激に落ちた

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オフショア開発を成功させる8つの方法

では、オフショア開発を成功させるにはどうすれば良いのでしょうか。有効な8つの方法を紹介するので、参考にしてください。

1.上流工程を細かく決め、分かりやすく明確な指示を行う

オフショア開発においては、仕様や要件を明確にして正確に伝える意識を持つことが大切です。

日本人が相手であれば「言わなくても分かる」と思うことでも、海外のメンバーに対しては具体的に話さなければ伝わらないと考えましょう。日本人が使う曖昧な言い回しは海外メンバーには分かりにくいので、簡単な表現で直接的に伝えることを意識します。

詳細設計まで日本で行う

オフショア先との意思疎通がスムーズにいくのは、大体プロジェクト開始から1年経過してからと考えましょう。それまでの認識の齟齬を防ぐためにも、プロジェクトスタート直後は、日本で詳細設計までを決めてからブリッジSEに依頼するのがおすすめです。

品質について明確な基準を設ける

品質に対する感覚は海外と日本で異なるため、あらかじめどの程度の品質にして欲しいかを明示しましょう。その手間を省いて相手に任せたい場合は、「すべてを任せる」と覚悟する必要があります。

2.コミュニケーションを頻繁にとる

オフショア開発では、コミュニケーションの頻度を増やして海外メンバーとの齟齬を減らすことも重要です。チャットツールやビデオ会議ツール、書類を共有するクラウドツールなどを利用し、頻繁な打ち合わせや、「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」を行いましょう。あらかじめ、「週に1度ビデオ会議を行う」「チャットの返信はその日中にする」などのルールを決めておくと、よりスムーズにやりとりできます。

キックオフで「なぜ開発するのか」を伝える

可能であれば発注後に現地に赴き、開発メンバーにプロジェクトの目的や委託先を選定した理由、期待することを伝えると、相手のモチベーションアップにつながります。現地に行くのが難しい場合はオンラインでキックオフを開催し、プロジェクトの目的意識を共有しましょう。

ドキュメント化を習慣にする

認識の行き違いを防ぐために、コードの規約や細かなルール、その他のナレッジをドキュメント化して共有しましょう。仕様が明文化されていれば、認識の違いを最小限に抑えられます。また、仕様や技術的な知見を共有しておくと、人員の入れ替わりが発生した際もスムーズに対応しやすいでしょう。

伝え方を工夫し認識のズレを防ぐ

オフショア開発では、チャットツ-ルを使ってブリッジSEに指示を出し、開発を進めるケースが多いです。その際、文章のやり取りで内容が伝わっていないと感じたら、ビデオミーティングなどを活用して相手の理解度を確認し、補足説明を行いましょう。ビデオや電話で説明した後も、チャットツールに文章を残しておくと認識の食い違いを防げます。

進行状況を常に把握する

プロジェクトをオフショア先の企業やブリッジSEに任せきりにすると、失敗の確率が高まります。完成までの工程がブラックボックス化してしまうと、「成果物を確認したらミスコードが多く期待したものとまったく違った」という事態になりかねません。エンジニアに日報を書いてもらったり、ブリッジSEとこまめに連絡を取ったりして、必ず途中経過を把握しましょう。

3.人員の入れ替えを防ぐ

プロジェクトのメンバーはなるべく固定するように依頼し、変更がある場合は事前の報告や引き継ぎを行うように指示しましょう。

入れ替わりがあるときのルールをあらかじめ決めておくと、品質の低下や納期の遅れを防げます。引き継ぎを徹底し、入れ替わりが発生してもメンバーがフォローし合える仕組みづくりを行いましょう。体制づくりが不十分だと、納期の遅延や品質低下につながるので十分な対策が必要です。

4.相手の国の文化を理解する

オフショア開発を活用する際は、発注先の国の分野や習慣を事前に把握しておく必要があります。国民性や文化を理解していないと、コミュニケーションにギャップが生まれ開発がうまく進まないリスクが高まります。たとえば、宗教によっては仕事中に礼拝の時間が必要なこともあり、配慮が必要です。

海外の習慣や文化を無理に日本のやり方に合わせようとすると、現地メンバーの反発を受けて開発に悪影響が出る可能性があります。妥協すべき点は妥協し発注先とのコミュニケーションを図っていくことが大切です。

5.委託先の国選びに気をつける

委託先によって文化や気質、開発コストが異なる点にも気をつけましょう。たとえば、ベトナムは国としてIT人材の教育に注力しており、オフショア開発に対応する企業が多いです。一方で、英語力・日本語力が高い人材が少ないことがデメリットです。各国の特徴を簡単にまとめたので、委託先を選ぶ際の参考にしてください。

  • 中国:日本語能力が高い人材が多い、距離が近い、コストが高騰している
  • インド:国としてITに力を入れている、コストが高騰している
  • タイ:比較的コストを抑えられる、ほかの地域よりIT人材が少ない
  • インドネシア:比較的コストを抑えられる、モバイル開発が盛ん、オフショア開発の実績が少ない

6.実績のある会社に発注する

オフショア開発を成功させるには、発注先の会社選びも重要です。発注先を選ぶ際は必ず実績や得意分野を確認しましょう。依頼したい開発内容と似たような実績がある会社は、問題ない品質で成果物を納品してくれると期待できます。以下で会社選びのポイントを確認しましょう。

【会社選びのポイント】

  • エンジニアの人件費以外も含めてコスト削減につながるか
  • オフショア開発の実績はあるか
  • 料金体系が分かりやすいか
  • セキュリティ対策が万全か
  • コンプライアンスについて教育されているか
  • 開発メンバーのレベルはどれくらいか
  • ブリッジSEの能力(ITスキル、言語能力)は十分か
  • どのような領域が得意か
  • 自社に合いそうな国の企業か

7.格安の見積もりに注意する

コスト削減のためにオフショア開発を行う場合も、一般的な相場より安い見積もりを出す会社には注意が必要です。見積もりが安い会社は、スキルのある人材が揃っていなかったり、テストの工程が不十分だったりする可能性があります。

8.開発チームの管理を徹底する

開発の進捗を海外チームに丸投げせず、発注者側がしっかり管理することもオフショア開発を成功させる秘訣です。こまめな進捗確認は、ミスや納期の遅れを防ぐことにつながります。進捗を慎重にチェックしておくと、ミスが発生した場合も早期に対応できるでしょう。

コードの品質を保つには、ブリッジSEによるコードレビューが有効です。コードレビューを通して、プロジェクトに求められるコードの品質を理解してもらえるでしょう。

関連記事:オフショアとアウトソーシングはどう違う?それぞれのメリット・デメリット

オフショアの失敗を避けるなら国内のフリーランス活用も有効

オフショア開発にはコストを削減できるメリットがありますが、委託先との商習慣や文化の差を理解したり、委託先との認識がズレないようこまめにコミュニケーションをとったりする必要があります。

「オフショアで失敗したくない…」と思う場合は、まずは国内での人材確保に目を向けましょう。フリーランスエンジニアであれば、オフショアと同様正社員を採用せずに人材を確保できます。決まった期間だけ契約できるので、開発コストの削減にもつながるでしょう。

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