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最終更新日:2024年9月12日

【企業向け】DXエンジニアに必要なスキルとは?育成方法も解説

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DXを推進するためには、エンジニアの技術が必要不可欠です。また、DXで取り組むべきことは多く、エンジニアに求められるスキルも多岐にわたります。

なかには、「DXエンジニアに必要なスキルがわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、DXエンジニアに必要なスキルや、社内でDXエンジニアを育成する手法を解説していきます。

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DXとは?

DXとは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」です(※)。

単にITツールや新しいシステムを導入することはDXではありません。データやデジタル技術を活用しながら、環境の変化にあわせて柔軟な変革を実現していくことがDXでは重要です。

(※)参考:経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0

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DXエンジニアが求められる背景

DXを推進するには、DXに対応できるデータ利活用基盤やITシステムの構築が必須であり、これらを構築するためにはエンジニアの技術が必要です。

しかし、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の調査(※)によると、DXを担う人材の不足状況は、質と量ともにアメリカ企業よりも日本企業の方が不足していることがわかっています。具体的には、DX人材の「質」と「量」の確保に関して、「過不足はない」と回答した企業は、アメリカ企業で「質」47.2%、「量」43.6%です。一方日本企業では「質」14.8%、「量」15.6%となっています。

また、同調査では全社戦略に基づいてDXに取り組んでいる日本企業は約45%と、アメリカ企業の約71.6%に対してDXの取り組みが遅れていることもわかっています。

DXでは、データやデジタル技術を活用しながら、環境の変化にあわせて柔軟に組織やビジネスモデルなどを変更していくことが重要です。そして、これらを実現をするためにエンジニアは重要な役割を果たすため、DXエンジニアの確保が重要になっています。

(※)IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 / DX白書2021

DXエンジニアに必要なスキルとは

以下の表は、IPAが定めたDXを推進する人材に必要なスキルです。DXエンジニアに必要なスキルは、DXに関するシステムの設計や実装、機械学習などの最先端のデジタル技術を扱えることなどが該当します。

また、DXを実現するうえでは、システムの要件定義などをベンダーに丸投げせず、事業部門と連携しながら自社で主導権をもって要件定義をしたり、DXにおけるITシステムの刷新や機能の変更などのプロジェクトを推進することも必要です。そのため、エンジニアリングのスキルだけではなく、プロジェクトマネジメントスキルも必要になるでしょう。

出典:IPA「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査

くわえて同調査では、DXエンジニアに必要な資質として、自ら課題を設定する主体性や臨機応変な対応力、困難な状況でもあきらめずに壁を突破しようとする姿勢などが重要とわかっています。

DX推進では、データやデジタル技術を活用するだけでなく、様々な部門を巻き込みながら仮説検証を繰り返していくことが求められます。そのため、DXエンジニアについても、システム開発に関する高度な技術とあわせて幅広いスキルが必要になるでしょう。

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DXエンジニアを社内で育成するメリット

DXエンジニアは社内での育成が可能です。一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会および株式会社野村総合研究所による「デジタル化の取り組みに関する調査」では、デジタル人材を自社内で育成する方針の企業は多く、デジタル化の取り組みが他社よりも進んでいる企業の5割は、デジタル人材の具体的な採用・育成計画が実行段階にあることがわかっています。

ここでは、DXエンジニアを社内で育成する3つのメリットを解説します。

事業や組織を熟知した社員でDXを進められる

DXでは、既存の業務プロセスや業務で使用している既存システムを変革していく必要があります。その際、既に社内の業務や顧客について熟知している社員であれば、事業に関する深い理解に基づき、必要なシステムを描き、開発・活用できるでしょう。

また、DXを推進していく過程でも、事業部門との連携は必須です。この場合でも、社外の人材よりも社内人材がプロジェクトを推進した方がスムーズな連携ができます。

このように、自社の事業や組織を熟知した社員をDXエンジニアとして育成することは、DX推進をよりスムーズに進められるメリットがあります。

プロジェクトを一気通貫で実行できる

DXエンジニアを育成することで、プロジェクトを自社で一気通貫で実行できるようになり、DXにおいて重要な仮説検証プロセスのスピードを上げることができます。

DXでは、環境変化にあわせて柔軟かつスピーディーにシステムを変更・修正し、短期間に繰り返し仮説検証することが重要です。しかし、ベンダーに依頼しているシステムの開発や運用の比重が高い場合、どうしても柔軟さやスピードが担保しづらくなります。あわせて、自社の要望が正しくベンダーに伝わらずに認識の齟齬が生じてしまうリスクもあるでしょう。

そのため、DXではシステムの企画や開発、運用から検証までのサイクルに関わる人材の社内比率を上げ、一連の仮説検証プロセスを自社で一気通貫で行える体制構築が必要です。DXを成功させるためには、自社内でDXエンジニアを育成するようにしましょう。

成果を出すまでのリードタイムが短い

社内の人材を育成することで、より早く成果を出せることもメリットのひとつです。

社内人材の方が、外部人材と比較して社内での動き方や事業への理解が深く、より早く成果を出せる人材になることがわかっています。育成そのものには時間がかかるかもしれませんが、計画的な育成により、自社に精通したDXエンジニアの活躍が期待できます。

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DXエンジニアは座学とOJTで育成する

DXエンジニアの育成は、座学とOJTを組み合わせることが有効です。

ただし、DXエンジニアの育成を進める際は、まずは目指す姿と現状のギャップを明確にする必要があります(※)。具体的には、「会社として、いつまでにどんな状態を目指すのか」「そのために必要なデジタル施策は何か」「施策の実行のためにはどんな人材がどれくらい必要か」を明確化し、採用で獲得できる人数もふまえ、育成すべき人数を特定します。その後、育成対象となる人材を選定して育成を開始しましょう。

ここでは、具体的に座学やOJTでどのように育成を進めていくべきかを解説します。

(※)参考:マッキンゼー・デジタル「デジタル革命の本質:日本のリーダーへのメッセージ

座学

座学では、専門知識や必要なマインドセットについて体系的なインプットが可能です。座学では、eラーニングを活用した学習やワークショップを開いてのハンズオン型研修、外部講師の活用などが良いでしょう。

ハンズオン型研修では、実際に手を動かしてシステムを触りながら学ぶため、実務で活用できる知識やスキルが身に付きやすくなります。また外部講師からは、実際の経験をもとにしたノウハウなどを学べるでしょう。

くわえて、インプットだけではなく、DXに関連する資格の取得を促すなど、知識の定着を目的とした仕組みを作ることができればより効果的です。

OJT

座学で体系的な知識を身につけることとあわせて、OJTで実践的な経験を積むことも重要です。学んだ知識や技術を、まずは小規模なプロジェクトで実践し、実務スキルを身に着けながら徐々にプロジェクトを大きくしていきます。

その際、実際にDX推進に関わったことがあるなど、DXに関する専門的な知見を持つ人材にサポートしてもらいながら進めることができると良いでしょう。

フリーランスを活用したDXも有効

DXにおいて、フリーランスの活用が有効な場合もあります。

DXエンジニアの確保には、社員育成だけではなく外部からの人材獲得も検討する必要があります。しかし、DXエンジニアの中途採用市場は非常に競争が激しく、求める人材を獲得するのに時間がかかる場合もあるでしょう。

また、DXエンジニアを育成できれば、外部から採用した人材と比較して成果を出すまでのスピードは早まりますが、育成そのものには時間がかかります。

スピード感をもって取り組みたい施策があるものの、採用に難航する場合はフリーランスを活用することでDXを推進できます。フリーランス市場では、ハイスキルな人材であっても、中途採用市場と比較して人材獲得がしやすい傾向があります。以下の表は、IT人材の中途採用求人倍率とフリーランス案件倍率を比較したものです。ほぼすべてのスキルで、中途採用よりもフリーランスの方が人材を獲得しやすいことがわかります。

中途採用 フリーランス 求人倍率の比較
レバテック株式会社「ITエンジニア・クリエイター正社員転職・フリーランス市場動向 2022年7月

フリーランスを活用することで、DXを推進するプロジェクトに応じて必要な人材を柔軟に調達できるでしょう。また、参画してもらったフリーランスからノウハウを吸収しながらDXや社員育成ができることも期待できます。

JUKI株式会社の事例

JUKI株式会社は、世界No.1シェアの工業用ミシンを筆頭に、家庭用ミシン、電子・産業装置など幅広い事業を展開する1938年設立の老舗機械メーカーです。同社では、近年のDXの流れをうけ、IT分野の技術を活用した新規事業の開発に取り組むことになりました。

しかし機械メーカーである同社は、ITソフトウェアの開発経験はなく、これまでに付き合いのあった人材派遣会社や開発会社ではなかなか必要な人材を確保できない状況。そんななか、ハイスキルな人材が多い点に魅力を感じ、フリーランスの活用を開始されました。

開発を牽引するPMやテックリードの獲得をはじめ、複数のエンジニアやデザイナーがプロジェクトに参画。フリーランスから社員へ様々なノウハウ共有もあり、フリーランスがプロジェクトの推進や社員育成などで活躍している事例です。

>>詳細はこちら:老舗機械メーカーはなぜ、副業フリーランスを新規事業開発の推進役に選んだのか

株式会社朝日新聞社の事例

株式会社朝日新聞社が運営する「朝日新聞デジタル」は、1995年に開設されたasahi.comを前身とするニュースサイトです。同社は、インターネット黎明期から顧客(読者)接点の変化をいち早く捉え、読者ニーズにあわせて生活を豊かにする情報を届けるため、Webでのニュース配信に取り組んできました。

しかし、サービスを提供するためのシステム開発を外部に委託することが多かった同社では、事業拡大にともなう新たな機能の実装や細かなサービス改善に時間がかかってしまうことが課題でした。開発体制の内製化を決めたものの、一から開発する経験やノウハウも少ない状況。そこで。スクラム開発に慣れたテックリード人材を獲得するために、フリーランスの活用を決めました。

フリーランスの活用開始後、バックエンドエンジニアやiOS/Androidエンジニアなど、複数名のDXエンジニアの確保に成功。読者に新しい価値を提供し続けるために、事業部門の要求に柔軟に応え、サービス改善のスピードを早められる開発体制の内製化を成功させた事例です。

>>詳細はこちらから:変革期を迎える朝日新聞社のDX戦略 フリーランスエンジニアの採用に活路

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