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厚生労働省の資料「労働者派遣事業の令和元年6月1日現在の状況(速報)」「労働者派遣事業の平成30年6月1日現在の状況」を見ると、令和元年(2019年)6月1日時点での派遣労働者数は前年と比べて増加したことがわかります。派遣エンジニアが含まれると考えられる「情報処理・通信技術者」に限定しても、前年より総数が増えています。
本記事では、技術者派遣市場に関するデータを示すとともに、技術者派遣活用が進む背景にあるもの、同サービスに期待されることなどについても解説。技術者派遣市場に関心をお持ちの方はもちろん、技術者派遣サービスの利用を検討している方もぜひご覧ください。
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目次
まずは、技術者派遣の概要と技術者派遣市場に関するデータを見ていきましょう。
技術者派遣は、人員を必要とする企業にエンジニアを派遣するサービスです。エンジニア派遣とも呼ばれます。IT企業ではプロジェクト単位での業務遂行が多いため、派遣エンジニアを活用することで効率よく仕事を進めることができます。派遣エンジニアは派遣元企業と雇用契約を結びますが、業務指示は派遣先企業が出す仕組みになっています。
厚生労働省の資料「労働者派遣事業の令和元年6月1日現在の状況(速報)」によると、派遣労働者全体の人数は約157万人(対前年比17.3%増)でした。このうち、無期雇用派遣労働者は550,625人(対前年比41.3%増)、有期雇用派遣労働者は1,015,174人(対前年比7.3%増)です。
同資料の業務別区分のなかで、派遣エンジニアが含まれると考えられるのは「情報処理・通信技術者」。この区分を見ると、無期雇用派遣労働者は116,257人、有期雇用派遣労働者は24,850人。合計すると141,107人になります。
なお、前年度の資料「労働者派遣事業の平成30年6月1日現在の状況」では、派遣労働者総数は約134万人であり、このうち無期雇用派遣労働者は311,146人、有期雇用派遣労働者は925,070人。「情報処理・通信技術者」のデータに絞ると、無期雇用派遣労働者は85,023人、有期雇用派遣労働者は19,377人で、合計104,400人でした。
新旧データから、2019年(令和元年)の派遣労働者全体、および派遣エンジニアの市場は前年と比べて拡大したことがわかります。
※参考 : 厚生労働省「労働者派遣事業の令和元年6月1日現在の状況(速報)」
※参考 : 厚生労働省「労働者派遣事業の平成30年6月1日現在の状況」
関連記事 : エンジニア派遣の市場規模
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技術者派遣市場は、今後さらに拡大する可能性があります。ここでは、現在技術者派遣が活用される背景を説明します。
技術者派遣が活用される背景の一つに、国内のIT人材不足が挙げられます。
経済産業省の資料「IT人材需給に関する調査」では、2030年におけるIT需要の伸びが1%(低位)、2~5%(中位)、3~9%(高位)だった場合を想定した需要と供給の差=需給ギャップが算出されました。この試算では、生産性上昇率も加味されています。
同資料のデータによると、生産性上昇率を標準条件の0.7%とした場合、IT需要の伸びが低位だったときの需給ギャップは16.4万人、中位のときは44.9万人、高位のときは78.7万人となりました。
生産性上昇率0.7%とは、2010年代における上昇率が2030年まで続くことを想定した数値です。したがって、現在の状況が大きく変わらなければ、エンジニアの人手不足は継続することになります。技術者派遣の需要はますます伸び、市場が拡大していくと予想できるでしょう。
※参考 : 経済産業省「IT人材需給に関する調査」
技術者派遣の活用背景には、雇用制度とエンジニアが希望する働き方とのミスマッチも挙げられます。最近では年功序列や終身雇用を廃止する会社もありますが、大企業を中心に従来型の雇用制度は残存しています。
中途入社のエンジニアの場合、年功序列・終身雇用制度の下ではスキルと賃金額が業務内容に見合わないケースもあるでしょう。そのため、スキルを有効活用したいエンジニアは、技術者派遣を通じて自身の技術力や経験を活かせる企業で働こうとする傾向があると考えられます。
関連記事 : 技術者派遣とは?企業側のメリット・デメリットもわかりやすく解説
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以上を踏まえて、技術者派遣サービスに期待されることを見ていきましょう。
技術者派遣に期待できることの一つは、IT人材不足の解消といえます。技術者派遣には、「企業が必要とするタイミングでの人材確保が可能」というメリットがあるためです。
派遣エンジニアは基本的に、あなたの会社が望むタイミングで起用することができます。
退職者が出て急に人手が足りなくなったときも、技術者派遣を利用することで迅速なエンジニア確保が可能になります。人手不足が原因でプロジェクト進行が滞ってしまう恐れもなくなるでしょう。
技術者派遣は、各企業の方針やプロジェクトに合った人材を配置するのに役立つと考えられます。個々のスキルが発揮できる環境に派遣エンジニアを置くことで、業務効率が上がり、プロジェクト進行がスムーズになるでしょう。
派遣エンジニアのなかには、自身の知識やスキルが十分に活かされる環境で働くことを望む人も多くいます。技術者派遣を利用することで、自社に適した人材が欲しい企業と、自分の力が発揮できる職場を求めるエンジニアの相互利益が実現できる可能性があります。
正社員雇用では、必要なスキルをピンポイントで保有する人材が見つかるとは限らず、採用後の研修を要することもしばしば。つまり、入社してから人材が戦力になるまでに時間がかかることがあります。その点、技術者派遣は派遣先企業とエンジニアのスキル面でのマッチング度が高くなるので、教育コストを抑えたうえでの適材適所が叶いやすくなります。
関連記事 : 技術者派遣はIT人材不足を解消する手段として有効
※本記事は2020年6月時点の情報を基に執筆しております。
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