2023年1月19日
寄稿者
Josh Berman
C2C Global社長。コミュニティ構築の専門家。長年にわたってテクノロジー企業とターゲットオーディエンスの関係構築を手がけてきた実績を持つ。
2022年はさまざまな形でクラウドテクノロジー分野が成長した年だった。経済全体が予測不可能になり、多くの組織が今すぐではなく数年後の大きな成功に向けて考え、準備するようになった。
2022年に達成した成長がより強い経済と、特にテック分野における急速な進歩に貢献し、2023年にはこうした企業の準備の多くが実を結ぶ可能性がある。
調査会社ガートナーによると、2023年の世界のIT支出は前年比5.1%増の4兆6000億ドル(約588兆円)に達すると予測されている。この増加を牽引するのがクラウドアプリケーションへの投資で、同11.3%増の8796億2000万ドル(約112兆円)が見込まれている。このような支出や投資の増加は、組織にとってどのような意味を持つのだろうか。Google Cloudの顧客コミュニティであるC2C Globalが挙げる2023年に注目すべきクラウド分野におけるトレンドは以下の5つだ。
どの組織もAIと機械学習テクノロジーが持つ多種多様な能力を活用したいと考えている。分析を強化し、予測モデルを構築するのにデータを利用したいと考える企業もあれば、繰り返しのプロセスを自動化したいと考える企業もある。
現在、多くのAIやMLモデルは、ペタバイト級のデータを保有する大組織や幅広い顧客層で大規模に実装される前に、まず広範にわたるテストとトレーニングを必要としている。実際、C2Cの調査によると、現在AIと機械学習を使用していると答えた企業はわずか47%だ。だが、これらのテクノロジーは、将来的に導入したいと考えるもののランキングでは上位にくる。
これらのテクノロジーの将来性は無視できないほど大きい。モデルが洗練され、トレーニングとテストがより信頼できるものになり、そして自動化が進めば、組織はこれらのテクノロジーに一層依存するようになるだろう。
それなりの規模で確実に実行するためには、まだ多くのメンテナンスを要するAIや機械学習技術の採用を急ぐあまり、開発チームはこれらのテクノロジーの利点を負担なく享受すべくローコードやノーコードのアプリケーションを導入する可能性が高い。
熟練した開発者にとって、ローコードやノーコードの選択肢は複雑なモデルの導入や管理への参入障壁を必ず低くする。また、時間とコストの大幅な削減もいつものことながら大きな魅力となる。
すべてのクラウド戦略にはコスト、効率、パフォーマンス、拡張性、セキュリティの適切なバランスを判断するための精緻な分析が必要だ。多くの組織にとって、大手クラウドプロバイダーを使い続けることは、現実的にかなり理にかなう魅力的なコスト削減の手段につながる。
しかしクラウドテクノロジーの発展に伴い、拡張性とトランスフォーメーションを優先する企業にとって個々の製品も同様に魅力的なものとなる。
クラウドプロバイダー1社を利用している企業でも今後は他のプロバイダーの新しいリソースを採用して導入することで価値を高めることができ、個々のプロバイダーが提供する画一的なソリューションではなくカスタムソリューションがますます一般的になる。
リモートワークは新型コロナウイルス感染症のパンデミック時に緊急対策として登場したが、そうした事態に対応するために開発されたツールは現在では拡大したハイブリッドワークテクノロジーの一部として利用できる。
拡張現実(AR)や仮想現実(VR)のテクノロジーの実用化が進むにつれて、企業は多様で入れ替わりのある従業員のニーズに合った職場環境を構築する新たな手段の導入や採用を続ける。
最近まで官公庁や金融機関では、定着した古いシステムの廃止や膨大なデータの移行などのリスクや負担を理由にトランスフォーメーションに抵抗してきた。
だが最近ではクラウド導入のメリットを無視できなくなり、これらの業界の多くの組織が状況に応じて導入している。例えば米陸軍は最近、人事業務でのGoogle Workspaceの使用を開始すると発表した。これまでクラウド市場の利用が少なかったこのような分野への拡大はクラウドの導入のボリュームを雄弁に物語っている。
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元記事:5 cloud trends to track in 2023
By:Josh Berman
翻訳:Nariko
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