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最終更新日:2022年9月1日

DX人材の転職理由、第1位は「事業内容への興味」

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総務省が2021年7月に発表した「令和3年版情報通信白書※1」によると、「DXを推進する上での課題」の第1位は「人材不足」となっており、日本のユーザー企業のなかではDXを担当する人材(以下、DX人材という)の獲得に苦戦する声が多くあります。そこで、レバテックは日本のユーザー企業を対象に、DX推進度やDX人材の転職理由、社員エンゲージメントを調査しました※2。以下、調査結果をレポートしていきます。

【目次】
・事業の競争優位性に繋がるIT投資を行うユーザー企業は約5割
・ユーザー企業におけるDX人材比率は1割以下
・DX人材がユーザー企業に転職する理由で最も多いものは「事業内容への興味」
・DX人材のエンゲージメント低下リスクは、待遇と社内の風通しにあり

事業の競争優位性に繋がるIT投資を行うユーザー企業は約5割

企業のDX推進度合い

ユーザー企業のうち、「業務環境のオンライン化」、「業務プロセスのデジタル化」に取り組んでいる企業は8割を超え、さらに成果も出ていると感じる企業は6割以上となりました。管理部門へのIT投資は、管理ソフトの導入である程度改善できるなど取り組みのハードルが低く、効果も明確に感じやすいと考えられます。一方「顧客接点のデジタル化」や「業務プロセスを横断した顧客データ利活用」、「デジタルによる新規ビジネス創出」に取り組んでいる企業は4〜5割で、成果を実感する企業も2〜3割と相対的に低い結果になりました。事業の拡大に関連する分野へのIT投資は、人材・費用の面で投資コストが高く、コスト回収を含め効果を感じるまでの期間が長いためといえます。

ユーザー企業におけるDX人材比率は1割以下

ユーザー企業 DX人材比率

ITエンジニア、データサイエンティスト、Webデザイナー、UI・UXデザイナー、プロダクトマネージャーなど、DX人材がユーザー企業の従業員数全体に占める割合をみると、「1割以下」と回答した企業が約半数となりました。日本ではベンダー企業と比較してユーザー企業でDX人材を確保できていない問題が大きく※3、DX人材を確保するため中途・新卒採用や社内人材の育成・異動が対策として実施されています。

DX人材がユーザー企業に転職する理由で最も多いものは「事業内容への興味」

ユーザー企業で働くDX人材のうち、転職経験があるのは67%、転職経験がなく現在働いている企業が初めての職場である人は33%となりました。ユーザー企業はDX人材の不足を補うべく、積極的に中途採用を行っていることがわかります。

ユーザー企業 DX人材の入社理由

DX人材がユーザー企業に転職した理由で最も多いのは「事業内容への興味(21.5%)」となりました。Webサービス企業で働くようなIT人材が重視する、「最新の技術・スキルを習得できる」や「業務の裁量が大きい」を理由に転職した人は比較的少なく、1割以下となりました。

DX人材のエンゲージメント低下リスクは、待遇と社内の風通しにあり

自身が現在働いているユーザー企業で働くことを、友人や知人に薦めたいかについて、「非常に薦めたいと思う」、「薦めたいと思う」と回答した人は56%、「薦めたいと思わない」、「全く薦めたいと思わない」と回答した人は44%となりました。

現在の職場を薦めたいDX人材が感じるやりがいTOP3は、「働く環境が良い(リモート可、オフィスの環境が良いなど)」、「福利厚生などの待遇面が良い」、「働き方に柔軟性がある」、「業務の裁量が大きい」という結果になりました。ユーザー企業への転職理由として1位だった「事業内容への興味」は、やりがいとしては中位に位置しTOP3からは外れています。新型コロナウイルスの感染状況がいつ落ち着くか、見通しが立たないいま、ユーザー企業で働くDX人材のエンゲージメントにリモート可の条件は良い影響を与えると考えられます。

DX人材 企業に対して不満に感じているポイント

現在の職場を薦めないDX人材が不満に感じる点TOP3は、「年収が低い」、「社内の風通しが悪い」、「福利厚生などの待遇面が悪い」となりました。職場へのエンゲージメントが低下する要素のひとつとして、年収や福利厚生などの待遇があることがわかります。ユーザー企業への転職理由で1位だった「事業内容への興味」は、転職する前から感じ取れるものであるのに対し、転職時に実態が分かりづらい「社内の風通し」の悪さはエンゲージメント低下の一因になりうるといえます。

※1
総務省「令和3年版情報通信白書」2021年7月 デジタルトランスフォーメーションを進める際の課題
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/index.html

※2
調査対象:非テック企業(設立年数が1990年以前、かつ業種が情報通信業以外)で働いているDX人材(ITエンジニア、データサイエンティスト、Webデザイナー、UI・UXデザイナー、プロダクトマネージャー)
調査会社:楽天インサイト株式会社
集計期間:2022年1月20日~2022年1月21日
調査方法:Webアンケート調査
有効回答数:200人

※3
IPA「IT人材白書2017」、https://www.ipa.go.jp/files/000059086.pdf

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