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最終更新日:2024年11月8日

働き方改革における同一労働同一賃金制度や業務委託について

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働き方改革により、「年次有給休暇の時季指定」「時間外労働の上限規制」「同一労働同一賃金」の取り組みが進んでいます。同改革の狙いの一つは、各人がそれぞれの事情に合った働き方を選択しやすくすること。多種多様な働き方をする人が増えるなかで、企業での業務委託の活用も進んでいるようです。本記事では、働き方改革の概要を確認しつつ、業務委託のメリットや注意点についても解説します。

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働き方改革と多様なワークスタイル

はじめに、働き方改革の取り組み内容と、働き方の種類を紹介します。

働き方改革の概要

働き方改革は、働く人たちがそれぞれの事情に合わせ、働き方を自ら柔軟に選択することを促す改革です。働き方改革実施の背景にあるのは、日本が直面している2つの課題。1つは少子高齢化による生産年齢人口減少、もう1つは働く人たちのニーズ多様化です。これらの課題解決に向け、就業機会の拡大、投資・イノベーションを通じた生産性向上、働き手の意欲と能力を発揮できる環境の整備が急がれています。

※参考 : 厚生労働省『働き方改革特設サイト

具体的な改革内容

働き方改革の主な取り組みは、以下の3つです。

年次有給休暇の時季指定

労働基準法改正により、使用者は法定年次有給休暇の付与日数が10日以上の労働者すべてに対し、毎年5日の年次有給休暇を取得させることが義務づけられました。大企業、中小企業とも、2019年4月に施行されています。

時間外労働の上限規制

残業時間上限は、原則月に45時間・年に360時間と定められました。臨時的かつ特別な事情がない限り、この残業時間を超えて労働者を働かせることはできません。大企業では2019年4月から、中小企業では2020年4月から施行されています。

同一労働同一賃金

正社員と非正規雇用者の不合理な待遇格差を設けることは禁止になりました。2020年4月の施行ですが、中小企業のパートタイム・有期雇用労働法適用は2021年4月1日からです。

※参考 : 厚生労働省『年次有給休暇の時季指定
※参考 : 厚生労働省『時間外労働の上限規制
※参考 : 厚生労働省『同一労働同一賃金

多種多様な働き方

従来の正社員に加え、近年は派遣労働者や契約社員などの雇用形態や、そもそも雇用契約を結ばない業務委託という働き方を選択する人も多くいます。以下に、正社員以外の働き方をいくつか見ていきましょう。

派遣労働者(派遣社員)

派遣労働者(派遣社員)は、人材派遣会社(派遣元企業)と労働契約を結び、派遣先企業に派遣されて働く契約形態です。派遣労働者に賃金を払うのは人材派遣会社ですが、仕事上の指揮命令は派遣先企業から受けるのが特徴といえます。

契約社員(有期労働契約)

契約社員は、労働契約時にあらかじめ雇用期間を定めて働く雇用形態です。労働者と使用者が合意の上で契約期間を定め、契約期間満了とともに労働契約は自動的に解消されます。通常、契約期間は最長3年です(契約更新で延長されることもあります)。

パートタイム労働者

パートタイム労働者は、1週間あたりの所定労働時間が同一事業所の正社員よりも短い労働者を指します。職場により「パートタイマー」「アルバイト」など呼称はさまざまですが、この条件を満たす人はパートタイム労働法上、皆パートタイム労働者とみなされます。

業務委託

業務委託では、派遣労働者や契約社員、あるいはパートタイム労働者などとは異なり、作業の注文主(業務を委託する企業)と受託者(委託された業務を遂行する人)が対等な立場で契約を結びます。業務遂行にあたり、受託者は注文主から指揮命令を受けることはありません。

業務委託契約は雇用契約ではないため、受託者は労働者としての法的保護を受けられないという特徴があります。ただし、労働法規の適用是非は、受託者の働き方の実態により判断されます。したがって、「働き方の実態が労働者」である場合、その人は労働法規の保護下に置かれる労働者だといえるでしょう。

※参考 : 厚生労働省『さまざまな雇用形態
※参考 : 厚生労働省『第4章多様な働き方

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活用が進む業務委託について

前項で、働き方の一例として業務委託を挙げました。ここでは、業務委託が活用される背景と、企業が業務委託を活用するメリットについて説明します。

業務委託が活用される背景

「働き方改革の概要」で述べたとおり、日本が抱える課題に、働く人たちのニーズ多様化があります。近年、業務委託が活用されるようになった背景には、この課題があるのではないでしょうか。

※参考 : 厚生労働省『「働き方改革」の実現に向けて

企業が業務委託を活用するメリット

企業が業務委託を活用するメリットには、次のような事柄があります。

時間やコストを抑えて高スキル人材を起用できる

業務委託のメリットは、正社員を雇用するときと比べ、スキルを有する人材の起用に時間とコストがかからないことです。高度な専門性とスキルを持つ人材を新たに雇用するとなると、採用活動に時間とコストがかかる傾向にあります。もしその人材が早期退職になった場合、採用活動にかけた時間とコストが無駄になってしまうことが懸念されるでしょう。

コア業務に社内リソースを集中できる

業務委託の活用により、人的リソースの効率的活用が叶う場合もあります。自社社員がノンコア業務に割く時間が多い場合は、その一部を業務委託としてアウトソーシングするのも手です。業務委託を効果的に活用できれば、自社社員それぞれが本来果たすべき役割に集中することができるでしょう。

社会保険料等の負担がない

業務委託の受託者は自社社員ではないことから、社会保険料の支払いをしなくて済むというメリットがあります。業務委託での負担は、報酬や消費税等に限られます。

人件費削減につながる

業務委託の活用は、人件費削減にもつながる可能性があります。従業員を雇う場合は採用活動や教育のための費用が必要ですが、業務委託の受託者にはそうしたコストがかからないためです。

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業務委託契約時の注意点

最後に、業務委託を活用する際に注意すべき点を押さえましょう。

働き方の実態が業務委託のものになっているか確認する

業務委託契約を締結するときに考慮すべき点は、働き方の実態が業務委託契約の働き手にふさわしいものになっているかどうかです。つまり、業務委託では、受託者の働き方に「労働者性」がないことが重要になります。

業務委託契約書を作成する

業務委託する際は、委託する業務の内容とその報酬を具体的に記した契約書を交わしましょう。成果物が納品された後も、契約書上で合意した仕様が満たされているかを慎重にチェックします。トラブル回避のため、契約書には細かい点まで条件を明記し、業務委託契約時は注文主と受託者の双方が契約内容をよく確認することが大切です。

※本記事は2020年8月時点の情報を基に執筆しております。

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