

高橋 あおい
IT企業でオンライン学習サービスの現役SRE(Site Reliability Engineering)。日々Kubernetesをはじめとするサービスのインフラを運営しながら、開発者のサポートに努める。2026年Kubestronautの称号を得る。著書に『つくって、壊して、直して学ぶ Kubernetes入門』(翔泳社)など。技術同人誌も多数手がける。趣味は漫画を読むこと、イラストを描くこと、音楽を聴くこと、そして犬育て。
CKS、CKA、CKAD、KCSA、KCNA試験は自分のPCを使用し、オンラインで受けます。試験を受けることにした当初はテスト・センターなど指定された場所ではなく、自宅でも受けられて良さそうと思っていたのですが、試験を受ける環境には厳しい指定があります。
自宅で指定要件を満たすことができれば良いですが、そうではない人も多いでしょう。そこで私がした失敗を参考にしてもらえればと思います。
そもそも、Kubestronautとは?
Kubestronautとは、Cloud Native Computing Foundation (以下、CNCF)のKubernetes関連資格5つ(CKS、CKA、CKAD、KCSA、KCNA)を取得した人に与えられる称号のことを言います。詳しくは前回の記事をご覧ください。
第1回 levtech.jp
第2回 levtech.jp
Kubernetes関連資格試験当日に実際に起きた事件
起きた事件について説明する前に、まず試験当日に何が行われるか説明します。
オンライン試験は、受験開始時間にいきなり試験が始まるわけではありません。まずは身分証チェックがあり、その後試験を受ける場所のチェックがあります。試験専用ブラウザ(PSIセキュアブラウザ)をインストールし、そのブラウザを通してのみ試験を受けることができます。ブラウザ上にチャット欄があり、試験監督者とはチャットを通じてやり取りをすることになります。
ここでは私が試験監督とやり取りしながら毎回試行錯誤している様子をお伝えできればと思います。
チャットの内容は私の記憶を頼りに書き起こしたものですので、ニュアンスとして受け取ってください。試験内容やチャット内容を保存することはできないため、正確なテキストを復元できませんでした。
身分証明書は正しく登録しよう

今回Kubestronautになるために受けた初回の試験、CKAを受験したときのことです。私は自分の名前をAoi Takahashiとして登録していました。
実は身分証は事前にアップロードしておくことができ、アップロードした身分証と登録名が一致していれば当日の身分証チェックは簡単に済みます。しかし私は事前にアップロードしていた身分証(免許証)と登録名が厳密には違った(ローマ字と漢字ひらがな)ため、当日チェックが入りました。しかも当日持ち歩いていた身分証も免許証だったのでチェックを通過できず、泣く泣く家にいたパートナーにパスポートを持ってきてもらうことにしました。
「申し込み時間の30分後までなら試験を受けることができる」と書かれています。たまたま自宅近くで受験していたこと、家に家族がいたことからなんとか30分以内に試験を開始できました。申し込み時間30分前から試験のチェックを開始することができるため、なるべく早めに開始する方がこうしたトラブルに対処できるでしょう。
しかしこのドタバタのせいで試験に集中するどころではなく、結果として落ちました。
ブラウザのリセットで試験が突然中断する
これは何が問題だったのか分からずじまいですが、試験が突然切れてブラウザがリセットされてしまったことがあります。

突然チャットが何事もなかったかのように始まり、とてもショックでした。コワーキング・スペースの申し込みを延長する必要があり非常に焦りましたが、このときはなんとか合格しました。すでにトラブルを経験済みだったのが活きていたと思います。
試験監督とチャットでのやり取りトラブル
日本語で申し込みをする場合、試験自体は英語だったとしてもチャットでのやり取りは日本語で行うことができます。ただし相手が日本語堪能かというと、また別の話でしょう。 試験開始のチャットの文言は毎回同じなのですが、絶妙に「伝わるけれど使わない文法」が用いられるためわずかに恐怖を感じます。

ここではそんな試験監督とのやり取りで困ったことをご紹介します。
天井の「それは何?」

コワーキングスペースを使っていると備え付けのモニターが置いてあったり、壁に注意事項が書かれていたりしますが、それらは自分で自由に避けたりといった調整ができないため毎回ヒヤヒヤしています。調整できない内容でNGが出たことはありません。
「スマホが近いので、遠くに置いてください」
これは本当に困りました。おそらく試験中にこっそりスマホをいじることができそうな見え方をしていたのではないかと思っています。

勉強だけが準備じゃない、試験を受けるための注意
試験日が決まったら、試験環境を準備することを考え始めましょう。試験環境は何でもいいわけではなく、厳密に決められています。指定された要件を満たすことができるように準備しましょう。慣れればなんてことはないですが、初回は分からないことも多くびっくりするでしょう。そういう意味でも初めて受験する場合は余裕をもって合格できそうな試験を選ぶと良いでしょう。
試験環境を準備しよう
Linux Foundationによると、試験環境は例えば以下のようなことを満たしている必要があります。
・壁に何もかかっていないこと
・机の上に紙や電子機器が乗っていないこと
(コワーキングスペースのモニターや個人で持ち込んだマウスについてNGと言われたことはないです)
厳密なルールについては、こちらを参照してください。
試験環境を用意するためにレンタルスペースを使おう
静かで、誰も入室する可能性がなく、壁も机の上もまっさらな空間を自宅で用意するのはかなり難しいです(友人は自宅で受けたと言っていたので不可能ではないと思います)。そのため、レンタル・スペースを利用するのがおすすめです。レンタル・スペースを自由に選べる場所に住んでいるのであれば良いですが、数に限りがある場合、試験日を決めたらすぐに予約するようにしましょう。
これであなたもKubestronautになれる!?
この連載を読むことで、あなたもKubestronautになれる……!ような内容かは、かなり怪しいですが、少しは試験についてイメージできたでしょうか。もし「Kubestronautを目指すぞ!」と思った方がいたら、ぜひインターネットを検索してさまざまな方の受験記を参考にしてください。
また、目指すつもりはなかったとしても、これまでの記事を楽しんでいただけたのであれば何よりです。漫画を気に入っていただいた方は私の別連載である「まいにちSRE」も良ければ読んでいただけるとうれしいです。ではまたどこかでお会いできる日まで。


