
『猫と開発の日々』は、エンジニアの皆さんのすぐそばで、独自の時間を生きている愛猫さんとの日々や軌跡をつづっていただくエッセイ連載です。
Ubie株式会社でプロダクト開発をしている鹿野 壮さんと愛猫のうにさんに第1回、第2回とご登場いただきました。今回が最終回です!
スタッフプロダクトエンジニア
鹿野 壮
九州大学芸術工学部音響設計学科卒業。現在はUbie株式会社に勤務している。とくにTypeScript・CSSが好きで、暇があればコードを書いている。勉強会・技術SNS・Twitterなどで積極的に技術情報を発信中。CSS Nite 2017〜2019ベストセッション受賞。
うに
2016年生まれの茶白の元野良猫。ガリガリだったのにいつの間にか7kgの筋肉質ボディに成長。飼い主のことが大好きで、隣に座っただけで「ゴロゴロ」と喉を鳴らす。チャーム・ポイントは、太くて短い鍵しっぽ。
悪気なく生活を毎日邪魔してくる愛猫うに
9歳になる我が家の愛猫「うに」は、7kgの巨体で甘えん坊で可愛いです。しかし、可愛いだけではなく、さまざまな迷惑行為をして、我々の生活を毎日邪魔してきます。 本人にはまったく悪気がなさそうなのが、なおさら困ります。愛おしくも迷惑な、その行為の数々を紹介します。
座ると、どこからともなく現れて乗ってくる
ソファーに座ってテレビを見ようとすると、うには必ず現れて、素早く膝の上に乗ってきます。寝ているときも同じで、気付くとそばにぴったりとくっついて寝ています。
うにの体重は7kgもあるので、しばらく乗られていると、普通に足がしびれてきます。限界が来てからどかしても、すぐにまた乗ってきます。どれだけ私のことが好きなんでしょう……。
厄介なのは、これが仕事中にも起きることです。在宅で会議をしていると、うにが膝に乗ります。話を聞かなければいけないのに、膝の上が重すぎて集中できない。寒くなる季節には、暖を取りたいのか高頻度で膝の上に乗ってきます。どかしても、何度も、何度も。

名前を呼んでも来ないのに「ちゅ」と言った瞬間だけ飛んでくる
隣の部屋にいるうにと遊びたくてうにちゃんを呼んでも、反応がありません。起きているのは分かっているし、聞こえていないはずもない。うには、自分が遊びたいときや、甘えたいときにだけ、自分から来ます。
こういったときにうにを確実に呼び寄せる方法があります。「ちゅ」と言うことです。うにはCIAOちゅ〜るが大好きなので、目をキラキラさせながらドスドスと走ってきて、「今、ちゅ〜るって言いましたよね!?」という顔でにゃーにゃーと大声で鳴きます。CIAOちゅ〜るを仕舞ってある棚に近付くだけでも来ます。「もしかしてもらえるんですか?」という顔で、すでに待っている。
つまり、聞こえていないわけではないのです。全部聞いた上で、名前の方を無視している。ちなみにちゅ〜るは、たまのご褒美のときしかあげていません。あげすぎると食事のルーティンが崩れてしまうからです。あの目のキラキラを見るたびに申し訳なくなりますが、こちらにも事情があります。
豆苗が育つと、必ず確認しに来る
私たちは、自分たちが食べるためにキッチンで豆苗を育てています。うにはその豆苗を必ず狙ってきます。
豆苗はキッチンの作業台に置いているのですが、そこに飛び乗って、すんすんすんすんと匂いを嗅いで、かじる動作をします。実際に食べてはいないようですが…… 面白いのは、うにがそのような行動をするのは決まって私がいないときです。妻のことを下に見ているのか、妻一人のときは眼の前で堂々と豆苗の匂いを嗅ぎに来るらしいです。
あまりにも豆苗が狙われるので、冷蔵庫の上に置いたら、冷蔵庫の上に無理やり飛び乗りました。第2回で「どすん!」と降りてきていた、あの冷蔵庫です。仕方ないので、さすがに飛び乗れないだろうという高さの棚に置いています。おかげで人間が豆苗を使いたいときも不便になりました。
なお、これはどんくさいうにが、豆苗を目指して飛び乗ろうとしたキッチンが散らかった日の写真です。

年に2回換毛期に、家じゅうが毛だらけになる
うにの換毛期は年に2回、暑くなる前と寒くなる前です。
この入りが、やたらと早い。まだ夏の気配もない頃、まだ冬の気配もない頃から、うにだけが先に季節を察知して毛を抜き始めます。こちらが衣替えを考えるより先に、うにの衣替えが始まっているのです。冬に向けては毛をたっぷり蓄えるので、もふもふして一回り大きくなります。「あれ、うにってこんなにでかかったっけ?」と毎回驚きます。
この季節になると、ファーミネーターというブラシで抜け毛を取ります。ごっそり取れます。この写真が、一度のブラッシングで取れた毛の量です。もう一匹うにちゃんができそうなくらい取れます。

うに本人は、このブラッシングの時間が大好きらしく、寝っ転がって大きな音でゴロゴロと言っています。飼い主の私との時間が好きなんでしょう、可愛い奴め。

入ってほしくないところに、自分で入っていく
うには、クローゼットや靴箱など、私たちが入ってほしくないと思っているところに率先して入っていきます。当然、そこにある服は毛だらけになります。ドアを閉めていても、うにはドアの下の方にある出っ張りに前足をかけて、器用に開けて自分で入っていきます。中で何をしているかというと、物を落とすわけでも、荒らすわけでもなく、くつろいで寝ています。ドアは一人でに閉まるので、クローゼットの中から「にゃっ」と聞こえてくる。そこに入ってたのかよ、と毎回びっくりします。

うにがクローゼットに侵入すると、うにの毛が服に付着します。特に黒い服はうにの茶白の毛がよく目立つので、私は基本的に黒い服を買わなくなりました。どうしても気に入ったら黒い服も買いますが、いくらコロコロをかけても毛が取り切れないので、出先でふと袖を見て「ああ、今日もうにと一緒に出かけているな」と感じます。

荷造りを始めると、スーツケースに入ってくる
うには、スーツケースも大好き。旅行のときに、スーツケースを出して開けると、次の瞬間にはうにが入っています。荷造りができないので、どかします。すると、また入ります。それを何度も何度も繰り返すので、荷造りが進みません。スーツケースのサイズとうにの巨体がぴったり一致しているので、それはそれで可愛いのですが……スーツケースにうに毛(うにげ)が入るので、旅先でまたうに毛を見て「ああ、うにと一緒に旅行しているな」と感じます。

そのスーツケースを持って数日旅行して帰ってくると、うには寂しかったのか玄関で待ち伏せしています。ドアを開けた瞬間、「にゃにゃにゃにゃ」と鳴きながらすり寄ってきます。留守中はペットシッターさんに来てもらっていて、ちゃんと構ってもらっているのですが、それでも私のことが大好きなんでしょう。可愛い奴です。
そもそも、猫と住む家がなかなか見つからない
うにと一緒に暮らす最大の課題は、住む家が見つからないことです。我が家は賃貸なのですが、ペット可の物件は一般に比べて非常に少ないです。加えて、ペット可であっても「犬はOKだが、猫はNG」という物件もよくあります。ペットを飼育する場合、敷金の増加もなかなか財布に痛いところです。毎回、家探しは本当に大変で、今住んでいる家も4組待ちの順番を突破して奇跡的に借りることができた場所でした。
今後は子どもも大きくなり、広い部屋が必要になってきます。加えて、私は会社の近くに住んで、徒歩か自転車で通勤するのが好きです。それらの条件を踏まえると、今後の物件探しに不安を感じています。

それでも、「猫可」のチェックは外せない
座れば膝に乗られて足がしびれ、名前を呼んでも来てもらえず、豆苗の置き場所は棚の上まで追いやられ、年に2回は家じゅうが毛だらけになり、黒い服は買えなくなり、荷造りは邪魔され、住む家の選択肢を9割削られている。並べてみると、うにと暮らすのは結構大変です。
もしこの迷惑なうにがいなかったら、クローゼットも黒い服も綺麗なままで、部屋には観葉植物が飾られ、今より安い家賃で楽に家を探せていたことでしょう。それでも私は、物件の検索条件から「猫可」を外すという発想は、一度も浮かんだことがありません。
膝が重い。毛が重い。そして、一番重かったのは、たぶんうにの体重ではなく、こちら側の愛の方でした。


