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山下(Seamless)

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中国の華南師範大学に所属する研究者らがScience Advancesで発表した論文「Direct experimental test of Feynman’s path integral postulates with single photons」は、約80年間にわたり、現代物理学の基礎とされてきたリチャード・ファインマンの基本仮説を初めて実験室で直接検証した研究報告だ。

単なる計算上のテクニックなのか、それとも現実に起きるのか

1948年にファインマンが提唱した「経路積分」は、量子力学そのものを記述する定式化でありながら、その土台となる仮説が未検証のまま残されてきた。

経路積分の模式図(Wikipediaより引用

ファインマンは2つの仮説を提唱した。第1の仮説は、粒子がある場所から別の場所へ移動する際、決まった1つのルートを通るのではなく、考えられるすべての経路を同時に通っており、それらの波が重なり合って最終的な行き先が決まるというもの。

第2の仮説は、その無数の経路は、どれも波の振れ幅が等しく、違うのは波のタイミング(位相)で、タイミングのずれ方は、その経路を通るのにかかる作用という量によって決まるというもの。

経路積分は現代社会で実際に使われているが、単なる計算上の数学的なテクニックなのか、それとも物理的な現実として実際に起きていることなのか、明確な証拠がないまま使われ続けてきた

87.6%だった測定の正確さ→98.5%

これに挑むため、研究チームは光の最小単位である単一光子を使った特殊な実験装置を開発した。鏡、レンズ、結晶を組み合わせた装置に光子を通し、光子が出発点から移動して到達しうる141万9857通りの経路の確率振幅を再構成した。

測定を実現するため、研究チームはナノメートル(10億分の1メートル)単位での振動対策や、専用の高精度な画像システムを導入し、装置の性能を高めた。その結果、同チーム自身による2023年の先行実験では87.6%だった測定の正確さを、98.5%へと向上させることに成功した。

このような高精度な測定により、得られた実験データはファインマンの提唱した2つの仮説と忠実度で約95%(仮説I: 94.9%、仮説II: 94.7%)という一致度を示した。経路ごとの確率には17.4%のばらつきがあるが、研究チームは測定誤差によるものとしている。

Source Credits: Yong-Li Wen et al. ,Direct experimental test of Feynman’s path integral postulates with single photons.Sci. Adv.12,eaeh1011(2026).DOI:10.1126/sciadv.aeh1011
Image Credits: Matt McIrvin / CC BY-SA 3.0(アイキャッチ画像にも加工して使用)