
山下(Seamless)
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米ミシガン大などに所属する研究者らが医学誌JAMA Pediatricsに発表した論文「Efficacy of Silver Diamine Fluoride on Young Children With Severe Early Childhood Caries」は、38%フッ化ジアンミン銀(SDF)を塗ることで幼児の乳歯むし歯の進行を止められるかを試験した研究報告だ。
▲(絵:おね)
「サホライド」でも知られる、フッ化ジアンミン銀
SDFはむし歯を削らずに10秒ほど塗るだけの薬剤で、歯の組織を硬くして進行を抑える働きをもつ。世界保健機関も2021年に必須医薬品リストへ加えている。ただし米国では2014年に成人の知覚過敏用の医療機器として販売許可を得ただけで、むし歯への使用は子どもも含めて適応外のままだ。
日本では、この種の薬は古くからなじみ深い。フッ化ジアンミン銀は1960年代に日本で開発された経緯があり、「サホライド」の名で長く小児歯科の現場で使われてきた。削るのが困難な、小さな子どものむし歯を進行止めにする薬として知られる一方、塗った部分が真っ黒になることから良い印象を持たない人もいる。
今回の臨床試験の対象は、1歳から5歳(生後12〜71か月)の子ども830人で、全員が重症の乳歯むし歯を抱えていた。ただし最後まで臨床試験を完了したのは、コロナの影響もあり584人(約70%)だった。 対象の子どもたちはSDFを塗布するグループ(414人)と偽薬(青い色をつけただけの水)グループ(416人)にランダムに分けられ、最初と6か月後の2回、薬が塗られた。
調査の結果、初回の塗布から6か月後の時点で、プラセボを塗布したグループではむし歯の進行が自然に止まった割合が約22.5%にとどまったのに対し、SDFを塗布したグループでは半数以上となる54.0%のむし歯が進行を停止していた。
▲試験の概要と主要な結果をまとめた図
この2倍以上となる差は、3か月後(18.8%対57.5%)や8か月後(17.4%対50.2%)の調査でも一貫して確認されており、SDFがむし歯の進行を食い止めるうえで有効であることが示唆された。ただし、2回目の塗布による停止率の上乗せ改善は示されなかったとしている。前歯より臼歯の停止率が低いことも報告されている。
安全性に関しては、副作用の発生率は両グループ間で同程度であり、発生した副作用のほとんども軽度〜中等度(重度4件はSDFグループ)なものであった。
Source and Image Credits: Fontana M, Moursi A, Gonzalez-Cabezas C, et al. Efficacy of Silver Diamine Fluoride on Young Children With Severe Early Childhood Caries: A Randomized Clinical Trial. JAMA Pediatr. Published online July 27, 2026. doi:10.1001/jamapediatrics.2026.2567


